最近の試聴システムとその調子

最近どの様な装置で聴いているかというと、装置構成は変わらないもののその音質・調子は結構変わっています。そこで近況をまとめてみました。

スピーカーシステム
現在スピーカーはこれになります。
・JBL4429
・B&W CDM-7NT
・FOCAL Chorus 826V
・RIT KIT-HE151A

置き方はこんな感じです。
JBL4429をメインで使っていますが、どういうわけか最近特に低音がよく出ているように聴こえます(これは良い変化だと思う)。新品で購入して、ほぼ毎日使用して1年半がたちますがいまだに音質が変化しているのでしょうか?とにかく低音が出るようになったので普通に後ろの壁から離しました。今はこの状態でバランスがとれていると思います。

両脇にあるのがB&WのCDM-7NTで、10年前のエントリーモデルです。このSPも変化が著しいと思います(とはいっても部屋や使用機器の影響で聴こえ方が違っているのだと思いますが)。一時期中高音がうるさく聞こえたのですが、最近はソウでもなく逆に低音が非常にしっかりとしているように聴こえます。このSPはこの事務所の環境だと壁から離して置くと情けない音になるのですが、わざと壁に近く設置すると非常に良いです。以前に狭い部屋(7畳くらい)に設置した時も非常に良いバランスで鳴っていたのですが、現在それに近いバランスで鳴っています。低音が豊かでかつヌケが良く、それに高音がはっきり乗っかるので聞いていて気持ちいいです。

FOCAL Chorus 826V
これは逆に最近低音が弱くなったように聞こえます。あるいは高音が以前よりうるさくなったのかもしれません。買った当初、最初からいいバランスで鳴っていたのに、いまはちょっと低音が弱い、低音が弱いと、このSPは高音域に艶をかってに乗せるタイプなので、この癖が耳につくようになります。この経年変化(といってもまだ2年しか経っていないが)が一般的なものかどうかはわかりません。

CDP/DAC
DAC
DAコンバーターDAC-FA0(自社製品なので当たり前ですが)

オーディオPC
PCA-1

オーディオインターフェース
(FIREWIRE接続機器)
FireWire Solo (M-Audio)
AUDIOFIRE 2(Echo Audio)

USB接続
hiFace (M2TECH)

弊社はDAコンバーターを作っていて、デジタル信号の影響は排除するように作ったつもりですが、それでも結構デジタル信号はジッターエラーの影響を受けるようです。SPDIF信号を送り出すインターフェースによって多少音質も変わります。しかもただ変わるだけでなく、同じシステムでも時期によって違って聴こえたりするので、状況をつかみにくいのです。この辺はデジタルまわりではよくあるように思います。アナログ再生では再現性もありますし、聞く場所によって変わったりしませんが、逆にデジタル信号処理系のほうが、その都度音質が微妙に変わったりして始末が悪いような気がします。

PCに保存したCDデータをオーディオインターフェースを通してDACに同軸ケーブルでつないでいます。

DDコンバーターによる音質差としては、
FireWire Soloはやや柔らかい音になります。
AUDIOFIRE 2は切れのある中高音が特徴
hiFace はいい時はすごくいいのですが、時によって残念な音になることがあります。ただこれを使用すると192KHz音源を安定に聞くことも出来ます。

CDプレーヤーは3台ありますが今は比較試聴の時にしか使っていません。

CDP
DENON DCD-SA1
ESOTERIC X-30
Sony CDP-555ESD
音質的にはPCは音源を自社DACで再生したものが一番良く聴こえます。

FMチューナー
ST-S555ESX (Sony)

ソニーのFMチューナーの名機です。10年くらい経っているので同調もずれていると思い、ある人に調整をしてもらいました。その方は一般の方でご縁があって有料ですが調整して頂きました。調整後少し良くなった気がしますが、聴感上の音質向上はわずかです。それよりもFMの電波の調子によって音質が変わります。晴天時は結構いいのですが、雨天時はだめです。マンションの屋上のTV用アンテナ出力からとっていますが、FM帯では十分な電話品質ではありません。

それでもこのチューナーにしてから音質は随分良くなりました。CDなんてNHKでかけてFMチューナーで受信したほうが音質がいいと思える時があります。放送局のCDプレーヤーがよっぽどいいのではないかと思います。

レコードプレーヤー
パイオニア Pl-L1

現在レコードプレーヤーはこれしかありません。パイオニアのリニアトラッキング式プレーヤーです。フォノイコ付きのプリアンプをテストするときだけ使用しています。

(ここからは執筆途中です)

プリアンプ
DCHP-100(ヘッドホンアンプをプリとして使用)
DCP-EF105ATT

パワーアンプ
DCPW-100
M-7 (Luxman)

ヌード撮られちゃいました

無銭と実験(MJ)というオーディオ雑誌がありますが、これは定期購読しています。
今月、そのMJの11月が送られてきたので、封を開けてみたらびっくり、なんと弊社のヘッドホンアンプが表紙を飾っているではありませんんか、それもヌード(フタを開けた状態)で・・・中も丸見えです。

評価用デモ機を出していたわけですから、記事にしてもらえることはわかっていました。いつも最初のカラーのページで詳しく取り上げていただけるので、ありがたいと同時にこちらとしてはドキドキなのです。いつもページを開く際にはある種、決心してから開くのですが、今回はページをめくるまえに驚いてしまいました。今回はデモ機の返却にいつもより時間がかかっていたので、何かいつもと違うなーとは思っていたのですが・・・・。

でもやはりプロの撮影は綺麗です。照明のあて方、アングル、右端カットしているところなどさすが素人とは違います。記事の写真も弊社のホームページよりも詳細でおそれいります。記事は今回角田先生に書いていただいていますが、正確にかつ好意的に書いていただいていてありがたい限りです。

ヘッドホンアンプについて一言
音質は記事の通りで、ソースの音がそのままストレートに出ます。スピーカーに比べてヘッドホンは非常に細かな音まで聞こえ、低音もすっと伸びた感じに聞こえます。弊社のヘッドホンアンプはそのヘッドホンアンプの音がさらにヘッドホンぽくなったといいますか、より細かな音まで聞こえてしまいます。音の静寂感みたいなものも増します。

相性の合うヘッドホンとしてはもともと低域に量感のあるタイプだと思います。モデルにもよりますがデノン、ゼンハイザーみたいな方向が合うと思います(AKGもいいですけどね)。逆にもともとシャカシャカ聞こえているものはかえってうるさくなってしまうかも知れません。

フジヤエービックさんにデモ機がありますので試聴して頂くのがよろしいかと思います。

それと今月29日はヘッドホンショーですのでそちらでも聞けます。今回場所が以前と異なり8FホールBですのでよろしくお願いします。

トランジスタ終了のお知らせ  って何?

いきなり変なタイトルで、何のことかと思われるかも知れませんが、実はトランジスタといえば「これ」という物が廃盤になりました(アナウンスされたのは昨年くらいで今年いっぱいの受注と思います)。

それはこれ
2SC1815
小信号用のNPN型といえばこれで、とりあえずトランジスタが必要なときはこれを使うのが常識でした。特性も素晴らしく、例えばHfeのリニアリティーも理想的で,耐圧や電流に問題がなければこれを使うのが当たり前でした。
東芝製ですが、代替品として指定されているのが表面実装のトランジスタですから、そもそも代替できません。

考えてみれば今の家電製品はすべて表面実装ですから、今時儲からない商品を作る余裕など無いでしょうから、しょうがないのかも知れませんが、それでもこれ、これまで使ってきたというか、電子回路を作ってきた人にはかなりの衝撃でしょう。どのくらいかというと

・居酒屋にいって生ビールを頼んだらビールは有りませんと言われた
・自販機にコーラがなくなった
・スターバックスに入ったらコーヒーは無いといわれた

と言った感じでしょうか(あくまでも例えの話ですよ)。

廃品種はこれだけでなく、挿入型のモールド品全般というかなりの規模に渡っています。他のトランジスタ品種とか3端子レギュレーターとかも表面実装以外のかなりの品種が廃盤になっています。まあメーカーの方で時代に沿った新しい型の品種をガンガン出しているわけですから、その一方でガンガンなくなるものもあるのが当然ですけどね、理屈としては・・・。

2sc1815は袋で買うと1個3円位でほとんどただみたいなものです。
ただこれを実装するとなると1個あたり数十円かかるので実装費用の方がはるかに高いのです(手動実装の場合)。そもそも挿入部品は量産品には向かないのでなくなるのが宿命なのでしょう。

オーディオ製品にとってはこの辺に良いニュースはほとんどありません。

逆に表面実装の部品が安価で種類も増えているので、これらを上手に使っていくことになるのでしょうね。

表面実装だと試作や回路の変更が大変なので、製品の性能といういみでは質は今後落ちて行くんじゃないかなーと思います(一般論として)。

大袈裟と思われるかも知れませんが、私としてはそのくらいインパクトがあったのです。

9月-10月の予定

すっかり更新が遅くなってすみません。
9月から10月にかけての予定を紹介します。

イベント
10/29(土)ヘッドホンショウ@青山スタジアムプレイス
に出展します。出展製品はヘッドホンアンプDCHP-100はもちろん出展します。DAコンバーター試聴会でも出しているので、何かプラスできないか考えています。

秋のハイエンドショー東京には(今回も)出展いたしません。
毎回同じアンプでデモをしても(来場者のお客様も同じかたが多いの
で)あまり意味はないかと・・・・。
プリ+パワーアンプが一新された時期に出展というタイミングで考えることにします。
その分新製品の開発に専念させていただきたいと思います。

展示会への出展は控えめですが、その代わり雑誌記事などでの露出が多めです。

最近の雑誌記事
ヘッドホンアンプDCHP-100
オーディオアクセサリー2011年秋142号p193

オーディオベーシック2011年秋60号p168

会社への取材記事
オーディオベーシック2011年秋60号p212,p213,p214,p215
出ました、じゃーん。会社といいますか私の製品に対するコンセプトなどを紹介してもらっています。記事の冒頭の写真が大変偉そうに写っていて恐縮です(ほんとはとっても謙虚な人なのに??!)。話している内容も偉そうですみません(怒られる前に謝っておきます)。
本人が読むといろいろとさらけ出されているようで、随所で(勝手に)ドキドキしてしまいます。記事を書いていただいた長濱さんはやはり引き出すのが上手で凄腕だと思いました。また編集担当の方にもいろいろとご尽力頂きました、ありがとうございました。

今後の記事掲載予定
管球王国(2011年10月発売)/プリアンプ+パワーアンプ
なんで真空管アンプの記事に弊社のアンプが入るかというと、「3極管の様な半導体アンプ」という様な特集で選んでいただいたからです。そう言えば弊社のアンプは中高音に透明感があって伸びているので直熱3極管みたいな音かも知れませんね。

無線と実験11月号(10月10日発売)
現在ヘッドホンアンプを評価してもらっています。

というわけでオーディオ誌には結構いろいろご紹介いただいています。

あなたのスピーカー何cm?の続き −シミュレーションで考える−

前編ではスピーカーの周波数特性について実測特性を元に壁からの反射による影響を 調べてみました。今回は周波数特性にどの壁がどのくらい影響を与えているのか考察してみたしと思います。

壁からの反射の影響を計算するソフトにstndwave2という便利なフリーソフトがあります。通常現実に得られた周波数特性があまりに複雑でシミュレーションで再現させることは非常に難しいのですが、今回なんとか似たようなシミュレーション結果が得られました。

stndwave2というソフトは定在波解析ソフトの様な名称をしていますが、実際には鏡像を使用した干渉効果のシミュレーターだと思います(その多重干渉の結果が定在波効果です)。またこのシュミレーターでは反射率の周波数特性依存性とスピーカーの指向性、音の回折効果は考慮されていないと思います。ですのでそのへんを念頭においてシミュレーションする必要があります。

まず距離3mで測定したJBL4429の周波数特性を再度掲載します。
4429-room.jpg現在の事務所での周波数特性(JBL4429、Lch、3m)
またシミュレーションで求めた周波数特性がこちらです。

sim-1.jpg周波数特性のシミュレーション結果(20Hz-500Hz)

多少のズレはありますが、かなり雰囲気が出ていると思います。60-70Hzの谷、150Hz近辺の比較的広い谷、42Hzのピーク、最低域の40Hz近辺が中域に比べて10dB程度上昇する等がほぼ再現されています。

シミュレーションの条件に興味がある方ははこちらの図をクリックして下さい。

sim-1r2.jpgシミュレーション条件は左の図をクリック

シミュレーションの条件でポイントがあるとするとスピーカー背面壁(シミュレーターでは「前面」と表記されている)との距離です。実際は35cmのところシミュレーションでは60cmにしています。実際にはウーハーから出た音波はバッフル面をたどってから後壁に到達するので、その分実測の距離よりも多めに設定しないと計算が合わないようです。
ちなみに現在の事務所のレイアウトはこんな感じです。

layoutnew.jpg現在の事務所のレイアウト(事務所の1辺が8.4m)

さて、およそシミュレーションで周波数特性が再現できているとして、次に書く壁の影響を調べてみたいと思います。

計算時各壁の反射率はえいやで0.8程度にしてあります。 ここでひとつの壁だけの反射率を0.8程度にして他の壁の反射率を0にするとひとつの壁の影響を個別に知ることができます(これがシミュレーションの良い所)。
実際の周波数特性は振幅だけでなく位相も考慮しなければならないのですが、その辺はとりあえずここでは考えないことにします。
例えばスピーカー背面の壁だけの影響を計算した図がこちら。

sim-haimens.jpg スピーカー背面壁からの反射の影響

この結果から150Hz近辺の幅広の谷はスピーカー背面の壁の影響が大きいことがわかります。

次に天井の影響を見てみましょう。天井のみ反射があるとして計算した図がこちら。
sim-seals.jpg 天井からの反射の影響

やはり120Hz付近に大きな谷ができました。実測周波数特性に見えた150Hz近辺の広い谷は天井とSP後ろの壁のダブルパンチの影響だった様です。 150Hz近辺というのは聴感上低域の量感に影響する一番大事なところで、これを改善するには後ろ壁と天井との距離を何とかしなければいけないことがわかりました。

以外に影響が出なかったのが床からの反射の影響です。低域に影響は有りませんでした。ひょっとすると400Hzあたりの谷はこの影響かも知れません。よくスピーカーシステムのカタログに床の影響を避けるためにウーハーを高くしましたという文言が乗っていますが、床からウーハーを離すと直接波と反射波の距離差が大きくなって、かえって床の影響を強く受けるようになります。実際には天井の影響度が少なくなりましたということかも知れません。

sim-floors.jpg 床からの反射の影響

もう一つ大きいのは右側の壁の影響で180Hz、60Hzに谷ができます。
sim-rights.jpg右側の壁からの反射の影響

左壁の影響は距離が離れているため小さくなります。

sim-lefts.jpg 左の壁からの反射の影響

スピーカー対向面(リスナーの後ろ壁)の影響も距離が離れているため小さく出ます。
sim-backs.jpg スピーカー対向面の壁の影響

以上スピーカーシステムの周波数特性に与える影響を壁ごとに計算してみました。スピーカー背面と以外にも天井の影響が大きいことがわかりました。左右壁はスピーカーとの距離が1-2mだと大きな影響がでます。逆に周波数特性を平坦にするにはこれらの壁の影響を軽減する工夫が必要となります。