ラズパイ4で音楽サーバーとして使う その2 リニア電源で化ける

ラズパイ4を音楽サーバーとして使用すると、音質的にはハイエンド用としてはちょっとむりかなという感じでしたが、それではリニア電源と組み合わせてみたらどうでしょうか?

リニア電源を試してみる

手元に5V5Aの試作電源があったので接続してみました。この電源は一度5A版を製品化しようかと思って作った試作機です(現在製品化は予定していません)。これをラズパイ4接続してみると、なんと音質が激変しました。うるさかった悪い要素がすっかり消えて、その音質はこれまでのものとは一線を画するものになりました。

ラズパイ4音楽サーバーの音質は

弦の音はきつさがまったくなくなり、低音楽器の分離がよくしまっています。ボーカルや楽器のニュアンスが気持ち悪いほどリアルに届いてくるようになりました。音質上の変化はジッター特性が大幅に改善されたときの効果だと推察しますが、電源を変えた効果の度合いが今までで一番大きい気がします。デジタル機器でスイッチング電源から当社のDCアダプターに変えると同様の変化はあるのですが、変化の度合いが他に比べると3-5倍くらいあると言ったら伝わるでしょうか?これを聴くと通常のCDP+SPDIFやPC+USB-DACに戻れないくらいに変わります。

ラズパイ4試作リニア電とUSB-HDDの写真、ここからDCDAC-180にUSB接続されている。WIFIでSoudgenicにも接続されています。

ラズパイ音楽サーバーの気になる点

ただ今までの音とは雰囲気が結構ガラリの変わるので、多くの人に試してもらわないと結論としてはこれがベストだとは言えないかもしれません。

ハイレゾも192kHz,24bitやDSD11.2MHzの音源もきちんと再生されていました(ただし懸念点もあります)。

それと、ラズパイ4+Volumio2(音楽OS)の問題点として、音質以外に気になっている点は

  • この組み合わせではリッピングができない
  • 曲の情報が文字化けする
  • ハイレゾ音源はサンプリングレートが勝手に変わっている気がする
    ということがあります。

volumio2は基本的に無料ですが、CDのリッピングができません。ただし有料サービスに登録するとリッピングができるようです。ラズパイを使用せずにPCなど外部からNASにCDデータをリッピングしておけば聴けますので大きな問題ではないでしょう。

文字化けに関してはWindowsとLinux系では文字コードが異なることからくるそうで、設定だけでは解決しない様です。ただ巷では音源の日本語データの文字コードを変換する方法が試されている様です。

3番目はなぜこうなるのか不明なのですが、ラズパイのビットクロック端子をオシロで観測すると、かってに48kHz系の周波数が出力されています(本来は44.1kHz系のはずが)。

と少し気になる点はあるのですが、この音質はとても魅力的なので是非皆さんにも試せしてもらえたらと思っています。

市販のLAN音源を扱う音楽サーバーでは100万円クラスの最高級品でもスイッチング電源を内蔵していたりしますから、ひょっとするとひょっとするのではないかと思っています。

ということで・・・、ここからは

製品化検討中

使用した試作リニア電源に若干の変更を施し、ラズパイ用電源シャーシとして販売しようかと考えています。

リニア電源とラズパイ、5インチ液晶モニター(タッチパネル式)、シャーシ、接続コネクタ等のセットになります。ただ、今はラズパイ4が品薄で入手しにくいので、当面はラズパイ無モデルとなるかもしれません。電源は5V5Aまで対応可能で周辺機器を追加しても十分な余裕があります。

入手後、これにSSDなどを取り付けまたは接続すれば相当高級な音楽サーバーが出来上がります。

ラズパイ4音楽サーバーセットの構成要素(ご参考)
ラズパイ、5V5A電源(トランス+安定化電源)、液晶モニタ、AC入力、シャーシ

ラズパイですのでできるだけ安価にしたいと考えていますが、それでも(少量自社生産の)当社が販売するということで、ラズパイとしては相当高価な機器になってしまうと思います。

仕様がまとまってきましたら、またお知らせさせていただきます。

ラズパイ4で音楽サーバーを組んでみたら

ラズパイを音楽サーバーとして使ってみたら、結構面白かったのでご報告します。

ラズパイとは

ラズパイとはもともと格安のワンボードコンピューターで当初は5000円くらいだったと思います。その後機能が増えて、CPUも高性能になって現在のラズパイ4は(メモリーにもよりますが)1万円くらいします。ただ現在の半導体不足の影響で在庫が少なく一時的に2万円位で流通している様です。

このラズパイを音楽再生に応用することは一部のマニアで以前から盛んに行われていたようですが、特にハイエンド向けとしてはあまり知られていなかったように感じていました。

現在のラズパイ4はコンピューターとしての基本機能はほとんど盛り込まれています。ただし基本的にLinuxをインストールしますので、windowsのソフトは使用できません。

これが実際の基板ですがここにLAN、Wifi、Bluetooth、USBx4、HDMIモニター出力x2、アナログ出力、USBtypec電源入力などがついています。これだけでリナックス系のPCとして機能するのですから大したものです。

音楽サーバーとしてのラズパイ

音楽サーバーとして使用するには、専用OSがあるのでそれを使用するのが手っ取り早いと思います。最も有名なのがVolumioというもので最新版はVolumio2となっています。

Volumio2をダウンロードしてSDカードに焼き、ラズパイ4に差して電源を入れれば音楽サーバーの完成です。

ラズパイ音楽サーバーの機能

ラズパイの接続ブロック図

で何ができるかというと有線、または無線LANで接続した家庭内LANに接続されているHDDやNASなどの音源を画面上で選べば再生してくれます。ラズパイのアナログ出力からももちろん音は出ますが、これはおまけみたいなものなので、プラグインのDACボードを重ねるか、USB端子にUSB-DACを接続すればハイエンドの音が期待できます。

機能的にはDELA N100に近いと思います。

操作性は

ラズパイを操作するには、ラズパイ本体にマウスなどを接続して操作できることはもちろんですが、他のパソコンやタブレット、スマートホンからも遠隔操作できます。インターネットのブラウザが開ける端末であればなんでもOKです。

PCのブラウザで開いたラズパイのアルバム画面

ただアルバムアートはwindowsでは正常に表示されていたものが、フォルダ構造のせいか表示されないものが多くなりました。またアルバムアートの絵そのものもフォルダに保存したjpgではなくて、メタデータからインターネットでそれらしい画像を拾ってきているらしく、今まで見たジャケットと異なるものを示している様です。

ラズパイ本体に5インチタッチパネルを付けたところ
タッチパネルで操作も簡単 、PC・タブレットからの遠隔操作も

演奏中の曲名にタッチしてこのような表示にすると曲名が文字化けします。windowsとlinuxでの日本語表示では使用している文字コードが異なるからだそうです。

Volumio2を使用した再生方法に関する解説は五万とあるので、詳しい情報は検索してください。ただこの辺に詳しい方はどちらかというともっぱらPCに詳しい方で、我々の想像するオーディオマニアとは少しカテゴリーが違うように思います。つまり音質の評価基準、ほんとにどのくらい良いのかがわからないのです。

肝心の音質は?

このミュージックサーバーを当社のDCDAC-180にUSB接続して再生してみました。そしてはオーディオマニアを自称する私の音質に対する評価ですが、解像度の高さは感じさせるものの、何か後ろでガチャガチャ余計な音がしている様で、高級な音ではないように思います。

ラズパイ4の消費電力は最大5V1.8A程度で、周辺機器の接続も含めると3Aが推奨されています。ですので通常スイッチングDCアダプターを組み合わせます。スイッチング電源を使用したときの音質はまあこんなもんでしょ、なのです。解像度は高く情報量が多いのですが、同時にうるさく、妙ににぎやかな感じがして解像度の高さを邪魔しています。質の悪いデジタル機器を使用した時特有の悪さもあるのです。このままではハイエンドオーディオ用途としては使用するのはちょっと厳しいかもしれません。

ところが

ところがこれをスイッチング電源ではなく、アナログ電源で試してみると話は一変します。

長くなりましたので続きは別編その2でお話しします。

あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。

昨年はフォノイコライザアンプを出した後、新製品を出すことができませんでした。というのもコロナ禍の影響で一部の電子部品が市場在庫がなくなり、代替品を探したりすることでかなり時間をとられてしまいました。またDACの周辺回路(SPDIFレシーバー)に 旭化成のICを使用していましたが、旭化成の工場火災により、このICが全く入手不可能となって代替品に設計変更するのにも結構な時間がかかりました(音質への影響はありませんが)。

今年は従来とは違ったジャンルで新製品を出したり、これまでより、より進んだ形で情報発信や製品の提供をしていきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

また6月にはアナログフェアが予定されており、当社は中程度の大きさの部屋で単独出展の予定です。常時当社のデモンストレーションができますので、フォノイコはもちろんアンプ類音質を十分お楽しみいただけるように頑張りますのでよろしくお願いいたします。

2022年当社は1/4(火)より通常営業いたします。

今年も皆様のオーディオライフがより充実します様、心からお祈り申し上げます。

門松/お正月のイラスト

ジッター特性を実測してみました その2 PC出力のジッターは?

はじめに

前ブログではCDプレーヤーのSPDIF信号についてジッターを測定してみました。今回はパソコンとSPDIFアダプターの組み合わせについて調べてみました。

使用装置

使用したのはこのHifaceではDellのラップトップInspiron14(corei7,win10)の組み合わせです。

Hiface

測定結果

話が前後しますがオーディオアナライザーSYS-2722ではまずデジタルオシロの様に波形観測ができます。これは実際にSPDIF信号(44.1kHz)の出力波形を測定したもので44.1kHzの64倍の2.82MHzをベースに1、0の信号が出ていることがわかります。

ジッター信号のヒストグラム

この信号の本来の周期からのずれを測定したものがジッターとなります。その時間誤差の値を頻度で表示したものがこちらのヒストグラムです。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-18-1024x908.png
Hifaceのジッターヒストグラム

前ブログのCDプレーヤのもの(下図)と比較するとほぼ同じ形に見えますが、実は縦軸がこちらは10%と2倍になっていますので、誤差の頻度は2倍に大きくなっています。時間の誤差(横軸)は+-1nsで、SD-9500のジッターと同程度であることがわかります。

CDプレーヤーのジッターヒストグラム

PC+Hifaceのジッターは安価なCDプレーヤーよりはよいものの、最上位機種のプレーヤーには劣っています。

ジッター信号のFFTスペクトル

こちらはHiface出力のジッターのFFTスペクトルです。その下のCDプレーヤーのジッター値と比較すると、ほぼSD-9500(ピンク)と同じであることがわかります。ただkHz帯にSD-9500では見られないピークが多数出現していてこれらがジッター値悪化の原因になっているのかもしれません。kHz帯のピークはPC由来のノイズかもしれません。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-16-1024x723.png
Hifaceのジッタースペクトル
CDプレーヤーのジッタースペクトル

終わりに

ということで、PC+デジタルインターフェースの組み合わせについてジッター特性を測定してみましたが、単純に機器の形態(プレーヤーかPCか)ということではなく、その機器の品質・性能に左右されているのかなと感じました。

また、再度お断りしておきますが、一般にジッター特性は機器の再生音質を左右する重要な要素ではありますが、今回の機種に関しては再生音質とジッター性能にあまり相関が無いように思います。
この辺がオーディオの奥が深いところで、常に模索する日々が続いています。

オーディオ機器のジッター特性を実測してみました 結構意外な結果が……

はじめに

DAコンバーターなどでジッターが小さいということがよく謳われていますが、実際にジッター特性を計測した例はほとんど見たことがありません。水晶発振器のカタログ上のジッター値を掲載してxxpsとか、はたまたxxフェムトsなどと言っていますが、実際のところは謎です。

オーディオプリシジョン製のオーディオアナライザーSYS-2722にはジッターの測定機能がありますので、ジッター特性を計測してみました。SYS-2722単体ではSPDIF信号のジッター解析が可能です。この測定器にはSPDIFのデジタル出力(XLR、光、同軸)とデジタル入力があり、SPDIF出力をSPDIF入力に接続すると測定系のジッターが計測できるのです。

その前に、オーディオアナライザーSYS-2722の構成について

そもそもこの測定器単体は測定だけを行っていて、その制御は別のPCで行います。windows10用の測定ソフトがダウンロードできますので、それを自分のPCにインストールして計測システムを構築します。またSYS-2722との接続には専用のインターフェースボード(GPIBボードのようなもの)をデスクトップPC内に増設するか、USB接続アダプターを使用して接続します。USBアダプターがあるとノートPCでも測定・制御が可能です。

測定系の接続としてはこれだけ

複雑な測定ではこう(ご参考)

SPDIF信号のジッター解析(測定器)

まず最初に測定系のジッター解析を調べます。 この測定器にはSPDIFのデジタル出力(XLR、光、同軸)とデジタル入力があり、SPDIF出力をSPDIF入力に接続すると測定系のジッターが計測できます。

測定した結果がこちらです。縦軸の目盛が切れていて申し訳ありません。縦軸はUI(ユニットインターバル)になっていて、サンプリング周期(sec)となります。今回48kHz(赤)と96kH(青)で測定していますので、それぞれ1UIが21usecと10usecになります。この測定ではXLRコネクタで接続しています(AESか?)。

SPDIF信号のジッタースペクトル

結果を見ると1kHz以下で周波数が低くなるにつれてなだらかに上昇していますが、1kHz以上でほぼ一定となっています。さらに2kHz以上で周期的にスペクトルの上昇がみられます。SPDIF信号に1kHzの正弦波を使用したので、その影響かもしれません。96kHz(青)が全体的に2倍になっていますが、これは縦軸の基準がUIなので、見かけ上そう見えるだけです。

いよいよCDプレーヤーのジッター特性の測定結果

次に実際CDプレーヤーでのジッター測定してみます。今度はCDプレーヤーのSPDIF信号をSYS-2722のSPDIF入力にいれて、同じ測定をしてみます。CDプレーヤーは手持ちの2台DV-600AVとSD-9500を使用しました。


測定したプレーヤ
DV-600AV簡易DVDプレーヤ


SD-9500
東芝のフラッグシップDVDプレーヤー
ついにSACD(DV-600AV)購入: 地蔵の気まぐれブログDVD-VIDEO TOSHIBA SD-9500 | Hi-Fi.ru

測定結果はこちらです。

ピンクがSD-9500、赤がDV-600AVです。測定時は音楽CDを入れて演奏しています。ピンクのSD-9500ではなんと測定系のバックグラウンドまでスペクトルが低下しているというか、それよりもいいくらいです。一方赤のDV-600AVではジッターが全体的にジッターがてんこ盛りになっていて、はっきりとした差(10倍以上)が出ました。

今回SPDIF信号のジッターを測定しているわけですが、実際にDV-600AVのSPDIF信号をDACに入れて再生しても、特に音質は悪くはないので、これをもって音質と直接の相関があるとは言い切れないのですが・・・。ただ測定結果としては興味深いと思います。DACのクロック系のジッターとSPDIF信号のジッターでは音質へのインパクトが異なるのかもしれません。

ジッター信号のヒストグラム

SYS-2722は上記のジッタースペクトル(FFT)以外にも様々な観点から観察できます。

以下は信号の時間のずれのヒストグラムになります。横軸が時間で縦軸が確率です。DV-600AVでは+-4nsec、SD-9500では+-1nsecに収まっていることがわかります。またその頻度は最大2、3%です。

ジッター信号の時間経過

こちらはジッター成分の時間経過を観測したものです。SD-9500が圧倒的にジッター成分が小さいことがわかります。この図でみるとジッター成分はほぼ周期成分に見えます。

終わりに

以上、オーディオアナライザーを使用してジッター特性を測定してみました。今後さらにいろいろなジッターを測定してみようと考えています。