DAC 内のレシーバー内のPLL回路はこうなっています -わかりにくくてごめんなさい-

前回はDAC内のクロック信号について概略を紹介しましたが、今回はもう少し詳しく解説しましょう。

DAC内の構成はこうなっていました。

この中でレシーバーと呼ばれるチップがCDプレーヤーからのデジタル信号(サンプリング周波数44.1KHz)を受けてさまざまなクロック信号を発生させます。入力のサンプリング周波数44.1KHzのデジタル信号はシリアルデータで左右16bitのデータを含むために実際には64倍の2.8224MHzの周波数のデータになっています。結構高周波帯域に近いでしょう。
44.1KHzといっても実際には多少変動したり、最初からずれているので、受け取った44.1KHz(実際には2.8224MHz)あたりの周波数で、入力信号に正確に同期した整数倍の周波数のクロック信号を発生させる必要が有ります。このためにPLL(位相同期)回路というものを使用します。
PLL回路のブロック図は一般にこうなっています。

このブロックをみてもイメージがわかないと思います。なにしろPLL回路の理解だけで一冊の本が必要なので・・・。とにかく入力信号の整数倍の信号を発生する回路があって、CDPプレーヤーにしろ、DAC製品にしろ、レシーバーと呼ばれるチップが入っていてそのチップが100%PLL回路を使用しているということです(外部クロックは使用してないという事)。それでも実際に外部クロックが使用できるDAC製品もありますが、それはどういう動作をしているかはまたこの次に説明しましょう。

DACのクロック周りの動作はこうなっています -間違ってたらごめんなさい-

オーディオ用DACの動作について特にクロック周りを中心に解説してみたいと思います。

CDプレーヤーのデジタル出力の信号は1CHです(ステレオなのに?)。同軸ケーブルにしろ光ケーブルにしろ1本の線なのでそれはわかると思います。

ところでオーディオ様DACのチップ(バーブラウン社製とかxx社製とかいう奴)を動作させるためには何種類の信号入力が必要でしょうか?

(1)1つ
(2)2つ
(3)3つ
(4)4つ以上




正解は(4)で4種類です。その4種類とは、
1.シリアルデータ:CDの場合16ビットで記述されるPCM信号データそのものです
2.LRクロック:扱う信号がステレオ(2CH)なので、今どちらの信号を取り扱っているか示す信号線です
3.ビットクロック:1のPCM信号を読み取るためのクロックです。これが無いとPCM信号の今何ビット目をよんでいるかわからなくなります。
4.システムクロック:DACが内部で計算を進めるためのクロックです。例えば44.1KHzのサンプリング信号に対して、そのデジタル信号からアナログ信号に変換するのにいろいろな処理を内部でしているので(補間とか、デジタルフィルタリングとか)、その数百倍の高速なクロック信号が必要になります。

まあこの方式を3線式DACとか言いますから3つといってもいいのですけど(は?)。

それでは次の問題です。
以上の動作をさせるためにいわゆるマスタークロックとよばれるクロック?(水晶発信器等)はいくつ必要でしょうか?

(1)4個
(2)3個
(3)2個
(4)1個
(5)0個(必要ない)





正解は(5)の「0個必要ない」です。

どうしてかというと、クロック信号を作ってくれるチップがあって、CDプレーヤにしろ、DAコンバーターにしろ必ずそういったチップを使用しているからです。Digital Audio Interface ReceiverといってレシーバーとかDAIとか呼ばれています。
図に描くとこんな感じです。

水晶発信器はレシーバーの入力のサンプリング周波数の判定に使用するか、あるいは多分CDプレーヤーの回転数制御に使用されるとかで、クロックそのものに使っていないのです。

超高級機でクロックを別にもち、そのクロックをDACチップで使用するものも有りますが普通の50万円くらいまでのCDプレーヤーではその様な構成のものはまずありません。

ついでに各波形を実測したのがこれです。
システムクロック(11.3MHz)
ビットクロック(2.82MHz)
(LRクロック44.1KHz)

え?、システムクロックの波形が汚い?、そうなんです。これは44.1KHzの信号入力だからまだこれですんでいるんで、96KHzとか192KHzとか言ったらもう寝たきりみたいな波形になることでしょう。だからジッターが効くんじゃないかとも思います。192Khzなんて欲張らずに96KHzあたりにしといた方が無難だとも思います。

まあこの辺のところはDACを作る人なら誰でも知っている事で、別段変わった話ではないのですが、雑誌の記事などを見ると不思議なな内容も多く有りましたのでさわりの部分の説明してみました。
(私のほうが間違っていたらごめんなさいっと)

ハイエンドショウ東京2010春の報告 -まだまだ修行が足りません-

全体をつうじての印象は・・・・ まだまだ修行が足りないといった感じです。
前回の様に配線のトラブルなどもなく無事にデモできました。まあ構成をシンプルにしたので当たり前といえば当たり前ですが。肝心の会場での音質は機材の品質を良くしたつもりでしたが、会場での場所の影響で(と思っている)、出てきた音はわずかな改善にとどまっているといった感じでした。ただ、いろいろなお客様の嗜好、ニーズなどを聞けたこと、(PCオーディオ以外にも)ビジネス的に重要な情報をいただいたので有益でした。

ご来場いただいたかには心から御礼申し上げます。
また中には毎回弊社のデモを聞いていただいている方もいらっしゃっるそうで、本当にありがたい事だと感謝しております。
デモ機の構成
ブースの写真
デモ時の様子


反響

オーディオ用PCがもっとも反響がありました。売るつもりで持っていったのではないのですが、とりあえず新しい機材なので前の机に置いたせいか、多くの皆さんにカタログはないかと聞かれました。(「売らないなら最初から目立つところに置くな」といわれればそのとおりです)。商品ではないので「オーディオ用PC」という札だけで、仕様をまったく説明していなかったので、どの部分がオーディオ様なんだ?と逆に疑問に思われたのかも知れません。最初は弊社独自の製品ではないため(誰でも同じものを作れる)商品にはならないので、市販予定はありませんと言っていたのですが、それでもいいから売ってくれとたくさんの方に言われたので少し用意しようかと思っています。(べつに弊社でやらなくても誰かやると思いますけどね。)

ipodを使用していれば必然的にPCオーディオをやっているはずなので、何故オーディオ用PCが必要なのか良くわからないのですが、ピュアオーディオをやっている人とi-Podをやっている人は世代が違っているのでしょうね。PCを組めるとわかっていてもめんどくさいですしね。

プレゼン内容
今回は曲をたくさんかけたのですが(PC再生だとそれがしやすい)逆にそのせいで試聴者さん側からすると聞きにくくなってしまった様です。
弊社アンプの内容を知っている+いい音が出ているという前提でちょっと変則的な説明資料を作っていたので、説明内容が良くなかったかもしれません。もっと基本的な仕様を説明をした方が良かったかもしれません。発表中きょとんとしている人が多かったです。

今回の音
今回JBLとFocalでならしましたが,以前いいと思っていたFocalが少し高音域が目立ち過ぎるように感じました。一方のJBLの方は低音が事務所で聞いているよりも低音が出ず、JBL特有のゴリゴリとしたおいしい低音がカットされている様に聞こえました。それでもJBLの方がトータルでいい様に思えましたのでJBLを中心にデモをしました。
出てきた音の自己採点は今回70点、前回65点といったところでしょうか。会場での音質と言う点では微妙な改善はありましたが、本質的な進歩とは程遠いです。

今回はオーディオ用PC+DACでの音質向上とJBLでの音質向上の2本立てで望みましたが、その効果がほとんど今回は消えていたというか、会場では効果が今ひとつというところでした。

良かった事
デモの中で1回だけディナウディオのC1をお隣からお貸しして鳴らしました。昨年秋の音元さんのブースで、井上先生のコーナーでも弊社パワーとC1で鳴らしてもらったのですが、今回自社ブースで鳴らしてみて凄さがわかりました。音が奥行き方向に3D的に広がるんですね。低音は非常に軽く(これは会場のせいで低域が抜けているせいもあると思いますが)、されどコーン紙がまったくたわんでないぞという感じのなり方で、ホーン型のホーンくささを取ったような低音でした。中高域がさわやかな独特の鳴り方でとてもよかったです。これを普通の部屋で鳴らしたらさぞかしすばらしい音がすることでしょう。欲しくなりました。

他の出展社さん3社が弊社のデモ場所の床板に感心してました。「これは音響効果のために持ってきたの?」「これ効いているね」とか。実際やってる自分が言うのもなんですが、これの効果はほとんどおまじない程度と思っています(もっと前までフロアー材をひければ別ですが)。ただ、こういう事を言われるのはやはり各社さん通常出るはずの音が出ないということで苦労されているケースが多いのだと思います。それでも今回の会場全体の音質は以前より良かったとは思いますが。

その他オーディオ店、業者の方からビジネス上の目的でご来訪いただき有益な話ができました。

毎回今度こそと思って望むのですが、なかなか思うような音質を出させてくれません。又次回再挑戦です。

スピーカーFocal /Chorus 826Vの音質と特性

<はじめに>

昨年フォーカルのコーラス826Vというスピーカーを購入して使用してきた。このスピーカーは2009年の春のハイエンドショーでロッキーインタナショナルさんからお借りして鳴らしてみたら凄くよかったので、新たに購入したのだ。このフォーカルのスピーカーはちょっと調べてみると結構面白い(私の場合なんでも調べてみる癖がある)。今回はその辺のところを紹介したい。測定結果などもでてくるが、ざーとやった結果なので中には測定ミスの部分もあるかもしれないが(なかには矛盾する内容もある)その程度だという事を念頭において見て欲しい。

<コーラス826Vの音>

このスピーカーの音はどういう音かというと、「低音が分厚いでもちょっと膨らみすぎ、高音はぎすぎすしないのに綺麗な音がする」ということになる。

コーラス826Vのスペックはこちらを参照してください。

focal-826v.jpg 外観はこんな感じです。

このスピーカーの特徴は豊かな低音に裏打ちされた綺麗な高音という事になるのだが、通常の家庭で使用すると低音が出すぎるかもしれない。

まあ、出すぎる分にはバスレフポートをちょっとふさげば調節できるのでどうということはないし、もう一つ上のウーハーが3つ付いている836Vの方が低音の量感は少ないので普通の使用方法としては836Vの方がバランスが取りやすいと思う(ウーハーが3つ付いているほうがなぜか低音の量感は少ない)。弊社の場合、ハイエンドショーでのデモを念頭においているので、低音が出すぎるくらいのSPでないとあの会場ではバランスが取りづらいのである。普通のスピーカー鳴りっぷりの次元が違うのには理由がある。

以下は私の勝手な解説である。
<低音の鳴りっぷりがいい理由>

写真ではわかりにくいかと思うがこのスピーカはバスレフポートが2つ付いている。一つはフロント、もう一つは下側から360度全方位に放射するようになっている。

弊社事務所での周波数特性を取るとこんな感じである。

focal-826v-freq.jpgFocal826Vの周波数特性

さらに、いろいろ探ってみると

focal-826v-freqtw.jpg ツイーターの周波数特性

ツイーター部の周波数特性は単に測定マイクをツイーターの直前に置いただけで他のスピーカーからも音は出ている状態で測定している。

綺麗だー。

focal-826v-freqmid.jpgこれは中音用スピーカーの特性

結構下まで延びているのは測定時の干渉(全SPなっているので)かわざと低音を伸ばしているのか不明。

focal-826v-freqport.jpg バスレフポート(フロント)の周波数特性

これはバスレフポートの中にちょっとマイクを入れて測定した。驚くのはバスレフポートからの放射音の帯域が異常に広い事だ。これはバスレフポートの音というより、もう一つ別のウーハーを構成しているといっていいくらいだ。バスレフポートが二つあるのでお互い干渉しあって広帯域になっているのか?これが分厚い低音の理由なのではないかとも思っている。

<高音が綺麗に鳴る理由>

このスピーカの高音部はソフトドームではなくハードドーム、正確にはドームをひっくり返した(凹になった)インバーテッドドームだ。だがこの高音部はまるでソフトドーム型のような柔らかい音を出す。カタログによればインバーテッドドームのメリットは振動版の中央をボイスコイルで駆動するので超高域の共振が抑制できる事だそうだ。 そのメリットは十分に出ている音だ。それともう一つおとなしいのに綺麗に鳴る高音はその周波数特性にあると思っている。下図に示す様にこのスピーカシステムは7,8kHz当たりが少し盛り上がっている。この特性はどの条件で捕ってもこうなるのでこのSPの特徴ではないかと思う。リスニングルームで周波数特性を取るとある程度はなれると高音域がだら下がりになるのが普通だが、それをだら下がりにならない様にフラットにしている(持ち上げている)のがB&Wなら、ちょっとだけ7,8KHzだけを持ち上げているのがFocalで、Focalの方がうるさく聴こえる事も無く音が常に綺麗に聴こえるというノウハウなのではないかと勝手に推測している。
focal-826v-freq2.jpg

 <終わりに>

以上、フォーカルのスピーカーについてその音質と特性の自分なりの解釈を紹介したが、特性を調べるとある程度そのスピーカーの性格付けができるので、再生システムを構築する上でも参考になると思っている。

ハイエンドショーの使用機器 -DACはこんな感じ-

ハイエンドショーが近づいてきましたので使用する機器を紹介しておきます。

今回のオーディオショーではCDプレーヤーではなくPCを音源として使用し、そこからデジタル出力をオリジナルDAC(試作品)に入れて音を出す予定です。外観はこんな感じ。

オリジナル・オーディオ用PC
DAC試作品

PCは普通のPCですがケースをパソコンぽい物ではなく、オーディオアンプ等と並べても違和感無いものを選んで組み立てています。CPUその他のパーツもそこそこ高性能で価格もこなれたもの、また静音にも気を使うなど、音楽再生専用機として適したものを選択しました。

DACのケースは手持ちのアンプ用のものを流用しているだけで、外観は大きく変わると思います。DACの音質も市販のCDPのものより良くなっていると思いますが、内容の詳細はまだ未公開です。DACに関してはもっと音質も良くなると思いますので、現在の途中経過のお披露目(音だしという意味で)という事になります。

内容はさほど目新しいという訳ではないのですが、基本的な事を徹底的に洗いなおしているという感じでしょうか。チップそのものをいじっているわけではありませんが、やるべき事はたくさんあるのです。