B&W 804D3を導入しました それでどうなの? その3 測定編

804D3にフレーム+スパイクをつけて劇的に良くなったことを報告しました。ここでは特性を測定した結果について報告します。

測定はREWとMyspeakerという2つのソフトを用いて行いました。マイクはUMM-6という測定用マイクです。REWは周波数特性はきれいに測定できるのですが、過度応答の測定結果が極めて疑わしい結果だったため、過度応答のみMyspeakerで測定しました。

周波数特性

マイクの位置はMidとツイーターの中間の高さで50㎝くらいの距離で測定しました。本当は1m以上離した方が良いのですが、あまり離すと部屋の影響が大きくなってしまいます。50cmという距離だと各ユニット間の距離差で多少つなぎ目でディップが出ます。

PL200

見事にフラットな特性です。200Hzのディップは床からの反射波との鑑賞の影響です。それ以外は大きな凹凸もなく、お手本のような特性で、普通の部屋でこれだけの特性が測れることが驚きです。理詰めでキチンと設計されていることがわかります。

804D3

こちらは結構でこぼこ荒れています。200Hzのディップは仕方ないのですが、kHz帯で結構暴れているのです。スピーカーの周りにデザイン上(?)リングを出っ張らせているので、周波数特性にも影響しているのだと思います。測定中に気づきましたが、ツイーターとスコーカーのつなぎ目の位相があっていないので(多分)、マイクの高さをずらした時の方が特性がフラットになります。

804D3(2)

804D3の特性をMyspeakerで測ったのがこちら。ほぼ同じ特性です。

DS-9Z改

参考までに、こちらはDS-9Z改の特性密閉なので低域は落ちていますが、結構フラットでした。

過度応答特性

最初にお断りしておきますが、過度応答特性はどうも測定するたび(日が変わるたびに)に結果が大きく変わる様に思います。どれだけ信ぴょう性があるかわかりませんので、あくまでこんな絵が撮れました程度に考えてください。

PL200

1kHz以上の応答が見事ですぐに消えています。低域はもともと秒を単位にとるとどうしても長く残るので波数で表現したいところです。このツイーターはハイルドライバ型で、トランジェント特性が極めて優秀な点が反映されていると思います。

804D3

PL200に比べるとkHz帯で多少長引きます。ちなみにこの特性はフレーム(台座)を作る前に取りました。

8040D3(フレーム付き)

フレームを追加した後に測定したのがこちらです。なんと高域のトランジェントが大幅に悪化しています。これが測定上の問題なのか、本当にそうなのか不明です。

DS-9Z改

ついでにDS-9Z改のスペクトル応答を。高域はなんと804D3よりも立派です(ほんとか?)。ただの安いシルクドームツイーターなのに・・・。

ということで、興味本位に測定してみましたが、測定上良いものがいい音ということではありませんので、ああこんな特性も取れるのね、くらいに見ていただければと思います。特に過度応答については聴感上とあまり相関がないので、今後も検討していきたいと思います。

B&W 804D3を導入しました それでどうなの? その2 フレーム自作編

1月にB&W804D3を導入して2カ月が経ちました。その間少し進捗がありましたので紹介します。

導入後やったこと 

これまでに行ったことは次の3点です。

1.エージング

2. バイワイヤリング

3. 台座を作ってインシュレーター設置

以下詳細に説明します。

1. エージング

前にも紹介しましたが、エージングを行いました。エージングといっても通常の音量で行うと何年もかかる場合はありますので、爆音で加速度的なエージングを行いました。爆音にすると苦情が来る可能性がありますので、高音域だけとしてツイーター周りにクッションを設置します。通常の大音量試聴のさらに数倍の音量でツイーターの慣らしを行ったつもりです。1日で相当の効果がありました。

ちなみにCDM7ーNTは数十年経って良くなった   ・・・なので普通のエージングで待ってはいられない

ちなみに数十年前に購入したCDM7-NTは数十年経って相当良くなりました。低価格機種ですのですべてがよいわけではないのですが、そのなりっぷりは大したもので、帯域のバランスの良さ(最高)、高域のすがすがしさ(ちょっとアルミ臭いが)、豊かな低音(ちょっとゆるいが)は手放すのが惜しいくらいでした。このスピーカーは最初はアルミ臭い高音が目立ってはっきりした音は出ていたのですがそれほどいいとも思えませんでしたが、数十年たってよくなってきた気がします。

2. バイワイヤリング

基本的にあまりケーブルには凝らないタイプなのですが、手持ちのバイワイヤリングができるケーブルに変えてみました。これは今までに試したバイワイヤリング接続の中でも一番音が変わりました。中高域の雑味が消えて(もともと雑味があるように聞こえていたわけではないのですが)上品になりました。結構な変わり方で、これはもうバイワイヤリング指定ですね。ちなみにパワーアンプ側が通常の1ペア(+と-)でスピーカー側が2ペア(+x2,-x2)の端子がついているワイヤーワールド社のEquinoxを使用しました。

スピーカー側バイワイヤリング用端子
アンプ側(シングルエンド端子)

3.オリジナルの台座を追加

804D3の底部ネジ穴はかなり内側に付いているのでスパイク足の取り付けが外からは困難で、しかも(おそらく)不安定です。付属のゴム足を取り付けた状態ではいつ倒れるか心配で仕方ありませんでした。そこでアルミのフレームを製作してスパイクが外に出るようにしました。

アルミは12mm厚で外側にM6(付属スパイクサイズ)とM8のネジを切り赤くアルマイト処理してみました。

本体がRを描いているのでもっと丸みを帯びた形状の方がデザイン的には良かったかもしれません。まあ今回は試作みたいなものです。

このフレームをM6ボルトでスピーカー底面に取付けてから、外側にスパイクを設置したのがこちらの写真です。

フレームを追加した足回り
後ろから

全体としてはこんな感じです

このように設置すると予想以上に京子、じゃなかった強固な設置となり、スピーカ上部を揺らそうとしてもピクリともしなくなりました。

肝心なのは音ですが、これはもう激変(といっていいかも)。低域が豊かになりその結果、高域の強い癖”あくが”目立たなくなった気がします。低域不足で迫力がなかったのが、それが全く気にならなくなり、鳴りっぷりも立派なものになった気がします。高域の独特の癖はまだかなりありますが、さらにエージングしていけばもっとよくなるでしょう(ちなみに加速エージングはまだ1日しか行っていません・・・多忙なので・・・)。

804D3設置後の工夫のまとめ

以上最近804D3に対して行った3つの工夫を紹介しました。その効果、インパクトはおよそ、

エージング 3

バイワイヤリング 1

フレーム+スパイク 10

位の割合でしょうか。

おかげで804D3もだいぶ聴けるようになってきました。

オーディオデザイン現在の装置構成

これまでもブログなどでこまごまとお知らせしてはいますが、現在使用している装置構成をまとめて説明したいと思います。

現在の構成はこんな感じです。

システム全景(フォノイコは雑誌取材で貸し出し中)

SPはDynaudioのConfidenceC4を手放して、中小型スピーカーを置いています。この大きさはダンボール箱の梱包で車に積みやすいサイズです。さすがにC4の様なオーケストラのスケール感は出ないので、将来的には30Hz以下の増強をしたいと考えています。804D3は多少エージングが進んでだいぶ聞ける音になって来ました。足元のスタンド設計して追加すればもっと立派になると思います。

スピーカーはPL-200と804D3

他にElacの330CEもあります。

アンプ類は当然自社製でDACはDCDAC-180とDCADC-200になります。200の方は実験的に中を相当いじっています。CDプレーヤーは東芝のSD-9500というDVDプレーヤーです。ハイレゾやHDCDをDVDaudioに焼いてハイレゾフォーマット(最大192kHz24bit)でSPDIF出力できる様になっています。

ファイル音源の再生にはAudirvana(MAC)を使用iPadAirで遠隔操作も可能

MACはNAS音源をWIFI経由で再生できている(と思う)

DACのUSB端子にはMACbookAirを接続しています。windowsはドライバーが必要であったり、更新に時間がかかるのでMACの方が手間をかけずに安定的に再生できます。MACに使用している再生ソフトはAudirvabaPlusというもので、Plusが付くと有償(74USD)ですがそれほど高くないのでお薦めです。Audirvanaは音質的にも優れていますし、プラグインで緻密にコントロールできるパラメトリックイコライザなどもあって便利です。音源はNASに保存されていてWifiでMAC接続されています。またipadAir(第5世代でAudirvanaの再生制御ができますので、選曲はソファでipadで行うことができます。

レコードプレーヤーはパイオニアのPL-50LⅡ(サブ)とヤマハのGT-2000になります。カートリッジは別のブログでも紹介していますが、現状一番手はGOLDRINGのEthosになります。

レコードの洗浄機はiqualのCleanMateとKirmuss Audio KA-RC-1を使い分けています。

左の超音波洗浄機KA-RC-1が一番汚れが取れます。手軽な洗浄はCleanMate

以上ざっと現在のシステムを紹介しました。

コロナ感染者数の対数グラフは語る   -爆発的増加ではなく、一定の倍率で増減してるだけ-

オーディオには関係ないのですが、最近気になることがあるので書いてみました。

コロナの感染者数が増えています。ニュースなどでは爆発的に増加しているので云々と連日報道されています。増えているのは間違いないのですが、ただ爆発的かというとそうではないと思うのです。

下のグラフは厚労省が発表している日本のコロナ感染者数の推移です。通常と異なるところは縦軸を対数スケールにしていることです。対数を取るということは何倍になっているかというスケールで示していることを意味します。また対数を取るという作業は工学では極めて一般的な手法です。

グラフは散布図でプロットし、近似線は指数関数です。第一波の場合1日で1.076倍(=e0.0733)に増えています。これは1週間で1.67倍、1か月で9倍に相当します。ちなみに現在の第3波では1日当たり1.039倍(=e0.0265)、1週間で1.3倍、1か月で3.1倍に増えています。緊急事態宣言などの事象は適当に過去の記事から拾って追加していますので、多少の間違いがあるかもしれません。
    (グラフは自由に(勝手に)引用していただいて構いません。)

グラフ化してみると明確なのですが、結果として対数を取ると感染者数の推移が増加の場合も減少の場合も直線になっているということです。これは感染者数の推移が常に一定の倍率で増減しているということを意味しています。

直線で表現されるということは、つまり今後の予想も簡単にできるということです。年末年始に特に増えたという報道がされていますが、そうでもないのです。直線より少し上に来ている部分もあるのでそういう要素も全くないわけではないのですが、全体から見れば一定の割合で増えているだけです。

また第1波と第2波の増加率(傾き)はほぼ同じなのに対して、第3波の傾きは半減しています。つまり増加率は半分なのです。絶対数が多いのでリニアのグラフでは爆発的という感じに見えますが、実際には従来の半分のスピードです。複利で増加するので急激に見えますが、あくまで一定の倍率で増加ということです。

第3波の傾きが半減している理由ですが、実際にコロナの感染スピードが落ちることはないので、おそらく全国に分散して時間的に離散的に発生しているので見かけ上傾きが半減しているだけだと思います。

さらに、感染者数が減少している期間がありましたので、この期間をもう少し長くすればもっと下のところ(例えば一桁下)で推移させることもできました。一言でいうと減少している抑制期間が短すぎるために増加を抑制できていないのです。対数グラフで見れば、抑制の期間と減少幅も明らかなので、是非この手法を活用してほしいと思います。

医療の専門家も意外と工学的な処理に疎いのかもしれません。こういった対数グラフを使えば今後の予想も、傾向の分析ももっと的確にできますし、対策の説得力も出てくると思います。報道なども単に煽るのではなく、工学的にまともな報道をして欲しいと感じでいます。

B&W 804D3を導入しました それでどうなの?

DynaudioのC4を手放して、B&Wの804D3を導入しました。大きさ的にずいぶんと小さくなりましたが、それが目的ですので・・・。C4の音は良かったのですが、自分で鑑賞するにはいいものの、展示会に持っていくとなるとえらいことになるということと、出た音がアンプのせいかSPのせいか聴いている人に良くわからないということで手放したのでした。

あたらしく導入するSPは、一人で持てる(30kGくらいまで)で、皆さんが(一番)良く知っているSPということになります。となると自動的にこれになります。アンプ製作のレファレンスSPという観点からは役不足と思う方もいらっしゃるかもしれませんが(私はそうは考えていませんが)、置く場所も限られれていますので・・・。

聴いてみた感想

まだ新品で鳴らし始めたばかりなので断定はできないのですが、現時点でのおよその感想を綴ってみます。

D3シリーズは出版社の試聴室や他の方のオーディオルームで800D3、802D3などを聞く機会は結構ありました。そこに設置されているアンプ類と弊社のアンプを入れ替えて試聴しますので、大体の傾向は把握しているつもりでした。その際はこのシリーズは(以前もそうですが)優等生的で癖のない音と感じでいました。ただ(小型ながら)このシリーズを事務所で聞いてみると結構印象が異なります。

804D3の中高域

このSP、一見癖が無いように見えて中高域に結構色付けしているなーと感じます。高域がほんの少しですがエッジを効かせてコントラストを強くしているような感じです。大きいSP(800,802)の時はあまり感じなかったのですがこのクラスだと低域の主張がないので、余計にそう感じられます。弦楽器の音がはっきりしていて、非常に乾いたような、粒立ち感の強い音です。ただ嫌味な感じではなく、あ、いいかもというところでとどまっているので非常に良い表現力とも言えます。写真でいえば、コントラストをフォトショップで嫌味の無い程度に強調して、きれいな写真に仕上がっているという感じです。時々聞きなれた楽曲でもハッとするほど(ちょっと色付けされてはいますが)リアル感があって、これは!と思う時があります。それと高域が解像度があるにもかかわらず、重みの様なものも感じられてハイハット?がチンチンではなくジンジンという感じで厚みのある点も美点です。高域の繊細さだけでいえばPL-200のハイルドライバーの方が上だと思いますが、PL-200の高域はいかにも薄い膜が振動しているという感じが否めないのです。

低域

低域は非常に過度特性が良く、たるみとかゆるみというものが全くありません。C4では低域は小気味よくスポンスポン出ていて、それが気持ち良かったのですが、こちらの低域は出ているんだけど、過度特性が良すぎて、まるで出ていないように感じる低域です。これはこれで気持ちいいのですが、いかんせん現時点では量と超低域への伸びが足りていません。聴感上40Hzでスパっと切れているような感じです。PL-200の方は低域の伸びは同程度でも、バスレフを結構効かせてパンチを入れているのでバランスが取れているのですが、こちらの804は低域が単になくなっちゃったという感じです。カタログスペックでは24Hz まで+-3dBといっていますが、ちょっとそれはどうかと思います。バスレフポートを2本にして、もっと低域の量感を増した方が良かったのではと思います。こちらの試聴スペースは18畳くらいのスペースですが、6-12畳程度の部屋なら丁度良いかもしれません。しばらくはツイーターのレベルを1-2dB落として使用してみようかと考えています。

フレーム

こちらではSPをちょくちょく移動する必要があるので、現時点ではスパイクを使用していません。付属スパイクにゴム状のものがあったのでとりあえずこれを使用しています。底面積が小さく足の取り付け部が内側にあるので現状非常に不安定です。PL-200は立派なフレームが付いているので安定しているのですが、804D3はフラフラです。150万円という価格を考えると、フレームが無いのはどうかと思います。そのうちに自分でフレームを作ろうかと思います。

最後に

難癖は付けましたが、最初からこの音というのは立派で、人気があるのもわかります。

展示会には(いつになるかわかりませんが)こちらを使用する予定ですので、その時に聴いていただければと思います。

その後の感想(2/6/21追記)

以上の話は導入直後の感想でした。その後強制的なエージングを行ったら印象が変わりましたので報告します。

エージングの方法

B&Wのスピーカーはこれが3台目です。エージングは普通に音楽を聴いているだけでは非常に時間がかかるので(10年かかることもある)、強制的にエージングしました。とはいえ大音量で行うと苦情が来るといけないので、ツイーターのエージングが肝心と狙いを定めて高域だけ頂戴音量にしました。スピーカー端子のHIGHだけつないでもいいのですが、それも面倒なので再生ソフトのAudirvanaのパラメトリックイコライザを使用して3kHz以上だけ再生して、通常の大音量試聴のさらに2-4倍の音量で音楽を1日かけ続けました。また高域の音量を下げるためにSPにクッションを被せておきました。

エージング後の感想

昼間1日ループで再生しておいてから普通に試聴状態に戻しました。するとだいぶ印象が変わりました。このスピーカーの固有音というか独特の硬質な癖が消えて、良いところだけが残った様に聞こえます。同時に高域の癖が取れたせいか、低域の量感も豊かに聴こえます。

このSPの高域はきちんと正確になる上に、楽器の鳴り物の厚みまで再現するような素晴らしさがあります。普通はチンチンと聞こえる音がジンジンと鳴っている真鍮の厚さがわかるような鳴り方です。繊細さ、強さ、清涼感といったものが両立(三立?)していて、これまでのドームスピーカーとは次元の違いを見せつけます。ダイヤモンドというのは伊達ではないかもしれません。ダイヤモンドといってもどうせなんちゃってダイヤと思っていましたが、調べてみるとCVDダイヤというのは共有結合のカーボンで天然ダイヤと同じ性質でした。ただ成膜速度が遅いので宝石などには向かない製法というだけでした。

ダイヤのツイーターとしては他にライド―の数百万円のスピーカーを聴かせてもらったことがありますが、こちらの音も高次元の音で類似していたかもしれません。

ということで、804D3は音質的には素晴らしいといえそうです。ただこの値段はそれでも高価ですし、台座が付属していないという欠点はありますが・・・。

また、状況・感想が変わりましたら報告させていただきます。

再度その後の感想 

フレームとして12mm厚アルミ板を底に固定してスパイクを設置したら見違えりました(3/29/21)

その後アルミ板をボルトで底に固定してスパイクで設置したところ、音が激変しました。低域が豊かになりその結果、高域の強い癖”あくが”目立たなくなった気がします。低域不足で迫力がなかったのが、それが全く気にならなくなり、鳴りっぷりも立派なものになりました。はきはきとした傾向はありますが、それはいい意味での癖となり、立派なバランス・音質になりました。今では低音の量感はむしろ十分すぎます。

ただ30Hz近辺の最低域が出ているかというと、そんなことはな

く、この辺を求めるには大型の機種が必要でしょう。