好きなCD-クラシック編-

今回は好きなCDのクラシック編です。

私にとって、クラシックのCDで大事な点は
・録音
・選曲
・演奏
です。
変わっているのは録音の優先順位が高いことです。クラシックのCDは一般に演奏者が録音(音質)に特にこだわりがないせいか、音質があまり良くないものが多い様に思います。コンサート会場などで録音するため、録音よりも会場の聴衆が大事だからでしょうか、録音はおまけのように聞こえてしまいます。そのせいか、クラシックのCDにおいて録音の良さが非常に重要なのです。

で、どのCDが好きかというとダントツでこれなのです。

AROUND THE WORLD 高嶋ちさ子/プラハカメラータ


クラシックファンならまちがってもこれを選ばないのかもしれませんが・・・(高嶋さんごめんなさい)。
高嶋さんは最近テレビなどに出られて有名です。このCDは3年前にCDショップで試聴して、音質がいいので買ったものです(そのときはお名前を存じ上げませんでした)。高嶋さんのCDは誠に残念ながら録音の良くないものが多いのです。ですがこの一枚は他の物とまったく違って素晴らしいのです。録音した場所はプラハのスタジオで、プラハカメラータとの共演です。録音のどこがいいかというと、「弦楽器のやわらかさがきれいに出ている事」と「直接音と間接音の混ざり方が絶妙」(スタジオ録音なので間接音はほとんど無いのかもしれないが部屋で聞くとちょうど良い)なのです。私が聞いたクラッシックのCDの中でもっとも、バランスの整った収録・録音です。音質から察すると録音機器そのものはおそらく最新の機器ではないと思いますが、非常に上質のものを上手に使っているという気がします。プラハはクラシック音楽の伝統が圧倒的にあるので自然と録音も優れたものになっているのかもしれません。

選曲も抜群で、CDアルバムとしても完全です。

演奏はこれもまた、素晴らしい。共演しているプラハカメラータの演奏はまるでひとつの楽器を演奏しているかのように聞こえます。複数の楽器を演奏する場合、楽器の音が微妙にタイミングがずれて音の厚みが出るものと思っていましたが、そうではないことがこのCDを聞くとわかります。

3年前にプラハカメラータも来日し、高嶋さんと共演されました。コンサートに行ってきましたが、高嶋さんの演奏もさることながら、カメラータの演奏のうまさに舌を巻きました。

このCDはクラシックで一番のお気に入りで毎日の様に聞いていましたが、最近は飽きるともったいないので週に一度程度しか聞かないように我慢しています。

CDのジャケットも清純そうに写っていて素晴らしいです。あとでTVで拝見し、ご発言内容に「ぶったまげ」ましたが・・・。

是非もう一枚プラハカメラータとの共演したCDを出していただきたいと思います。もちろんプラハの録音で・・・。

<追伸>
後で見つけたのですが、プラハの録音風景が載っているサイトを見つけました。プラハの録音風景

使用している機器は最新のコンピュータ機器だそうです。スタジオの録音ではなく、シアターという感じの一般の会場でした。その響きは録音エンジニアも一目置く場所のようです。なんと優れた録音として紹介した岡安さんもスタッフの御一人のようです。どうりでいい訳だ。

好きなCDについて

お客様から時々、普段はどの様なCDを聞いているか?ですとか、どの様な音楽を試聴に使用しているかという、質問をいただきます。
聞く曲によってオーディオ機器の音色の好みも異なってくることもあると思いますので、その辺を心配されているのではないかと思います。

そこで今回は好きなCD、お薦めのCDを紹介させていただきたいと思います。まずはジャズの中で好きなCD(というより演奏者)を紹介します。

1.ジャックルーシェ(トリオ)
・デジタルプレイバッハ(1984年録音)
・バロック・ヒッツ(2001年録音)
・モーツアルトピアノ協奏曲20/23番(オーケストラと共演)(2005年録音)
・ベートーベン(2003年録音)





ジャックルーシェさんについては約20年前に「デジタルプレイバッハ」のCDを購入したのが最初です。そのときは特に深い感銘は受けなかったのですが、このCD、20年たって聞いてみると本当にいい演奏、音質、編曲、録音であることに最近になって気づきました。その後、ジャックルーシェさんの最近の録音のCDはすべて集めましたが、やはりすべて非常にいいのです。(30-40年前の録音のものはさすがに録音が悪く聞く気になれないのですが)「デジタルプレイバッハ」は84年の録音ですが、そのピアノの音は実際のピアノがもつ低音の力強さの様なものもしっかりと収録されていて、ピアノの録音の中では最良のもののひとつと思っています。ピアノの真ん中のドの根音(基音)の周波数は440Hzですが、実際のピアノの音色には(その高調波だけでなく)もっと低い周波数の音が混ざっていて、それらが心地よい響きを演出していると思います。CDの解説をよくよく読んでみるとピアノには8本のマイクを使ってミキシングしたと書いてあります。なるほど、少なくともピアノの音質にこだわっている分、一般のピアノ演奏のCDより、音質も格段にいいわけです。ただし、残念な点は84年のデジタル録音なので、デジタル機器の出始めです。どうしてもほんの少し硬い(いわゆるデジタルくさい)音になってしまっています。また、当時のCDはみなそうですが、録音レベルが控えめで若干全体的に音がおとなしく聞こえてしまいます。それでも、これらの残念な点をおぎなって余りある音質と演奏、選曲で、すばらしい一枚です。
バロックヒッツとモーツアルト(これはオーケストラと共演)、ベートーベンも
素晴らしいCDです。こちらのほうが録音は新しく、もしジャックルーシェさんのCDを聞いた事が無く、初めて購入されるのであれば、むしろこれらのどれかをお薦めします。

デビュー当時の「プレイバッハ」シリーズは、代表作かもしれませんが、さすがに録音が古く(1950年代か)オーディオ的にあまりお薦めできません。

2年前来日されたのでコンサートにも行きました。さすがにお年を召されていましたが、ピアノの演奏はまだまだ現役でした。

ジャックルーシェさんのCDは私にとってなくてはならないもののひとつです。

クラッシック、ポピュラー編は次回紹介させていただきます。

アンプの実装状態での歪率をチェックしてみよう

一般にトランジスタアンプの高調波歪率は0.0x%から0.00x%程度で、音質には必ずしも影響しないと考えられていますが、実際には恐ろしいことが起こっています。アンプの実際の使用状態での歪率特性が1桁以上悪化していることがあるのです。

信号源インピーダンスの影響
実装状態でアンプ歪率に大きな影響を与えるのは信号源のインピーダンスです。下図を見てください。右側がプリアンプ、左側がCDなどの信号源と考えていただければ結構です。信号源とプリアンプの間にはVRが入り、電気信号を分圧してプリアンプに入力します。分圧するだけならいいのですが、同時にVRの直列抵抗のために、等価的に信号源とアンプを接続するインピーダンスが上昇します。例えば100KΩのVRを接続して半分の音量に絞った場合50KΩの抵抗が直列に接続されたことと同じになります。

信号源インピーダンスの影響を調べるブロック図

この様な状態での歪率特性を調べるために、信号源に直列に抵抗を接続した状態で測定してみたのが次のグラフです。左がオーディオデザイン社のディスクリートアンプ、右側が代表的なOPアンプ5532の歪率特性を信号源インピーダンスを変えて調べたものです。

AmpDistCompRs2

信号源インピーダンスが小さい場合(600Ω)には教科書に出て来る様な歪率特性です。高域においてディスクリートアンプの方が優れていることがわかります(もちろんディスクリートアンプであればすべて性能がいいという事ではありません)。しかしながらその差は少しでOPアンプでも十分実用に耐えると考えられます。

ところが信号源インピーダンスが大きくなると(入力にVRを挿入し絞った場合に相当)、事情は一変します。Rs=4.7KΩの場合、OPアンプでは10KHzの歪率がかなり大きくなります。ディスクリートアンプでも若干10KHzが悪化しています。Rs=48KΩではさらに状況はひどくなります。 OPアンプではなんと10KHzの歪率は0.1%に上昇します。これは明らかに音質に影響するでしょう。音が割れるまではいきませんが、高音域がきつく感じられ、全体的に堅い音になると思います。ディスクリートアンプではそこまで悪くなりませんが、やはり多少悪化しています。

信号源インピーダンスが大きくなった場合に歪率が悪化する理由はアンプ初段のFET(Tr)の入力容量の非線形性によるものです。信号源インピーダンスが-側の入力インピーダンス(この場合1K//4.7K=825Ω)に等しい時に歪率が最も小さくなるといわれています。 信号源がCDでアンプがプリアンプの場合もそうですし、プリアンプが信号源でパワーアンプの入力部にVR(アテニュエーター)がついている場合にもこの状況はあてはまります。

よくVRを入れると(音量を絞ると)音質が変わるという方がいますが、その原因はVRそのものの品質ではなく、実はこういったアンプ回路にかかわる問題であることも多いのではないでしょうか?(ほとんどの場合VRのせいにされていますが・・・)

通常アンプの歪率特性はVRを最大にして測定するので、こういった影響は見えてきませんが、実用状態では必ずしも特性が良くない場合があるということに注意すべきでしょう。 また、この信号源インピーダンス依存性をなくす方法は別途紹介したいと思います。

(ほんとうは恐ろしい)実装状態でのアンプの歪率特性

アンプの実装状態での歪率をチェックしてみよう
一般にトランジスタアンプの高調波歪率は0.0x%から0.00x%程度で、音質には必ずしも影響しないと考えられていますが、実際には恐ろしいことが起こっています。アンプの実際の使用状態での歪率特性が1桁以上悪化していることがあるのです。

信号源インピーダンスの影響
実装状態でアンプ歪率に大きな影響を与えるのは信号源のインピーダンスです。下図を見てください。右側がプリアンプ、左側がCDなどの信号源と考えていただければ結構です。信号源とプリアンプの間にはVRが入り、電気信号を分圧してプリアンプに入力します。分圧するだけならいいのですが、同時にVRの直列抵抗のために、等価的に信号源とアンプを接続するインピーダンスが上昇します。
例えば100KΩのVRを接続して半分の音量に絞った場合50KΩの抵抗が直列に接続されたことと同じになります。
amp-comp-cir.jpg

この様な状態での歪率特性を調べるために、信号源に直列に抵抗を接続した状態で測定してみたのが次のグラフです。左がオーディオデザイン社のディスクリートアンプ、右側が代表的なOPアンプ5532の歪率特性を信号源インピーダンスを変えて調べたものです。

ampdistcomprs2.gif

信号源インピーダンスが小さい場合(600Ω)には教科書に出て来る様な歪率特性です。高域においてディスクリートアンプの方が優れていることがわかります(もちろんディスクリートアンプであればすべて性能がいいという事ではありません)。しかしながらその差は少しでOPアンプでも十分実用に耐えると考えられます。
ところが信号源インピーダンスが大きくなると(入力にVRを挿入し絞った場合に相当)、事情は一変します。Rs=4.7KΩの場合、OPアンプでは10KHzの歪率がかなり大きくなります。ディスクリートアンプでも若干10KHzが悪化しています。Rs=48KΩではさらに状況はひどくなります。OPアンプではなんと10KHzの歪率は0.1%に上昇します。これは明らかに音質に影響するでしょう。音が割れるまではいきませんが、高音域がきつく感じられ、全体的に堅い音になると思います。ディスクリートアンプではそこまで悪くなりませんが、やはり多少悪化しています。
信号源インピーダンスが大きくなった場合に歪率が悪化する理由はアンプ初段のFET(Tr)の入力容量の非線形性によるものです。信号源インピーダンスが-側の入力インピーダンス(この場合1K//4.7K=825Ω)に等しい時に歪率が最も小さくなるといわれています。
信号源がCDでアンプがプリアンプの場合もそうですし、プリアンプが信号源でパワーアンプの入力部にVR(アテニュエーター)がついている場合にもこの状況はあてはまります。
よくVRを入れると(音量を絞ると)音質が変わるという方がいますが、その原因はVRそのものの品質ではなく、実はこういったアンプ回路にかかわる問題であることも多いのではないでしょうか?(ほとんどの場合VRのせいにされていますが・・・)
通常アンプの歪率特性はVRを最大にして測定するので、こういった影響は見えてきませんが、実用状態では必ずしも特性が良くない場合があるということに注意すべきでしょう。
また、この信号源インピーダンス依存性をなくす方法は別途紹介したいと思います。

フラットアンプとOPアンプの性能を較べてみよう

フラットアンプの性能を一般的なOPアンプと較べてみました。
フラットアンプとOPアンプの性能比較表
比較したOPアンプはオーディオ用として広く知られている5532というタイプです。ゲインはどちらも約5倍と同じに設定してあります。OPアンプの電源は3端子レギュレータで電源部のパスコンとしてOSコンを使用しています。OPアンプの位相補正は矩形波応答が良好な範囲での最小値24pFに設定しました。
比較項目は100KHzの過度応答波形と歪率特性です。過度応答特性はOPアンプの方も悪くありません。(良くなる様に位相補正しているので・・・)。ただしOPアンプの方はスルーレートが悪いため、立ち上がり、立下り特性がなまってしまっています。
さて一方の歪率ですが、OPアンプの方も決して悪くはありません。非常に一般的な教科書に出て来る様な特性です。ハイエンドオーディオ用としてやはり気になるのは10KHzの歪率特性が若干悪いことです。これはOPアンプの利得が高域で大きく減少し、NFB量が高域で低下しているためと考えられます。一方のフラットアンプ基板の方はすべての周波数で歪率特性がまったくといっていいほど変わっていません。周波数特性が高域まで延びているために広域においてもNFB量が変わらないためです。
さらに0.1Vから1V位における歪率がフラットアンプ基板の方が低いことから(この領域は事実上歪ではなくノイズを測定しています)、フラットアンプ基板の方がノイズも少ないことが見て取れます。