ヌード撮られちゃいました

無銭と実験(MJ)というオーディオ雑誌がありますが、これは定期購読しています。
今月、そのMJの11月が送られてきたので、封を開けてみたらびっくり、なんと弊社のヘッドホンアンプが表紙を飾っているではありませんんか、それもヌード(フタを開けた状態)で・・・中も丸見えです。

評価用デモ機を出していたわけですから、記事にしてもらえることはわかっていました。いつも最初のカラーのページで詳しく取り上げていただけるので、ありがたいと同時にこちらとしてはドキドキなのです。いつもページを開く際にはある種、決心してから開くのですが、今回はページをめくるまえに驚いてしまいました。今回はデモ機の返却にいつもより時間がかかっていたので、何かいつもと違うなーとは思っていたのですが・・・・。

でもやはりプロの撮影は綺麗です。照明のあて方、アングル、右端カットしているところなどさすが素人とは違います。記事の写真も弊社のホームページよりも詳細でおそれいります。記事は今回角田先生に書いていただいていますが、正確にかつ好意的に書いていただいていてありがたい限りです。

ヘッドホンアンプについて一言
音質は記事の通りで、ソースの音がそのままストレートに出ます。スピーカーに比べてヘッドホンは非常に細かな音まで聞こえ、低音もすっと伸びた感じに聞こえます。弊社のヘッドホンアンプはそのヘッドホンアンプの音がさらにヘッドホンぽくなったといいますか、より細かな音まで聞こえてしまいます。音の静寂感みたいなものも増します。

相性の合うヘッドホンとしてはもともと低域に量感のあるタイプだと思います。モデルにもよりますがデノン、ゼンハイザーみたいな方向が合うと思います(AKGもいいですけどね)。逆にもともとシャカシャカ聞こえているものはかえってうるさくなってしまうかも知れません。

フジヤエービックさんにデモ機がありますので試聴して頂くのがよろしいかと思います。

それと今月29日はヘッドホンショーですのでそちらでも聞けます。今回場所が以前と異なり8FホールBですのでよろしくお願いします。

トランジスタ終了のお知らせ  って何?

いきなり変なタイトルで、何のことかと思われるかも知れませんが、実はトランジスタといえば「これ」という物が廃盤になりました(アナウンスされたのは昨年くらいで今年いっぱいの受注と思います)。

それはこれ
2SC1815
小信号用のNPN型といえばこれで、とりあえずトランジスタが必要なときはこれを使うのが常識でした。特性も素晴らしく、例えばHfeのリニアリティーも理想的で,耐圧や電流に問題がなければこれを使うのが当たり前でした。
東芝製ですが、代替品として指定されているのが表面実装のトランジスタですから、そもそも代替できません。

考えてみれば今の家電製品はすべて表面実装ですから、今時儲からない商品を作る余裕など無いでしょうから、しょうがないのかも知れませんが、それでもこれ、これまで使ってきたというか、電子回路を作ってきた人にはかなりの衝撃でしょう。どのくらいかというと

・居酒屋にいって生ビールを頼んだらビールは有りませんと言われた
・自販機にコーラがなくなった
・スターバックスに入ったらコーヒーは無いといわれた

と言った感じでしょうか(あくまでも例えの話ですよ)。

廃品種はこれだけでなく、挿入型のモールド品全般というかなりの規模に渡っています。他のトランジスタ品種とか3端子レギュレーターとかも表面実装以外のかなりの品種が廃盤になっています。まあメーカーの方で時代に沿った新しい型の品種をガンガン出しているわけですから、その一方でガンガンなくなるものもあるのが当然ですけどね、理屈としては・・・。

2sc1815は袋で買うと1個3円位でほとんどただみたいなものです。
ただこれを実装するとなると1個あたり数十円かかるので実装費用の方がはるかに高いのです(手動実装の場合)。そもそも挿入部品は量産品には向かないのでなくなるのが宿命なのでしょう。

オーディオ製品にとってはこの辺に良いニュースはほとんどありません。

逆に表面実装の部品が安価で種類も増えているので、これらを上手に使っていくことになるのでしょうね。

表面実装だと試作や回路の変更が大変なので、製品の性能といういみでは質は今後落ちて行くんじゃないかなーと思います(一般論として)。

大袈裟と思われるかも知れませんが、私としてはそのくらいインパクトがあったのです。

9月-10月の予定

すっかり更新が遅くなってすみません。
9月から10月にかけての予定を紹介します。

イベント
10/29(土)ヘッドホンショウ@青山スタジアムプレイス
に出展します。出展製品はヘッドホンアンプDCHP-100はもちろん出展します。DAコンバーター試聴会でも出しているので、何かプラスできないか考えています。

秋のハイエンドショー東京には(今回も)出展いたしません。
毎回同じアンプでデモをしても(来場者のお客様も同じかたが多いの
で)あまり意味はないかと・・・・。
プリ+パワーアンプが一新された時期に出展というタイミングで考えることにします。
その分新製品の開発に専念させていただきたいと思います。

展示会への出展は控えめですが、その代わり雑誌記事などでの露出が多めです。

最近の雑誌記事
ヘッドホンアンプDCHP-100
オーディオアクセサリー2011年秋142号p193

オーディオベーシック2011年秋60号p168

会社への取材記事
オーディオベーシック2011年秋60号p212,p213,p214,p215
出ました、じゃーん。会社といいますか私の製品に対するコンセプトなどを紹介してもらっています。記事の冒頭の写真が大変偉そうに写っていて恐縮です(ほんとはとっても謙虚な人なのに??!)。話している内容も偉そうですみません(怒られる前に謝っておきます)。
本人が読むといろいろとさらけ出されているようで、随所で(勝手に)ドキドキしてしまいます。記事を書いていただいた長濱さんはやはり引き出すのが上手で凄腕だと思いました。また編集担当の方にもいろいろとご尽力頂きました、ありがとうございました。

今後の記事掲載予定
管球王国(2011年10月発売)/プリアンプ+パワーアンプ
なんで真空管アンプの記事に弊社のアンプが入るかというと、「3極管の様な半導体アンプ」という様な特集で選んでいただいたからです。そう言えば弊社のアンプは中高音に透明感があって伸びているので直熱3極管みたいな音かも知れませんね。

無線と実験11月号(10月10日発売)
現在ヘッドホンアンプを評価してもらっています。

というわけでオーディオ誌には結構いろいろご紹介いただいています。

あなたのスピーカー何cm?の続き −シミュレーションで考える−

前編ではスピーカーの周波数特性について実測特性を元に壁からの反射による影響を 調べてみました。今回は周波数特性にどの壁がどのくらい影響を与えているのか考察してみたしと思います。

壁からの反射の影響を計算するソフトにstndwave2という便利なフリーソフトがあります。通常現実に得られた周波数特性があまりに複雑でシミュレーションで再現させることは非常に難しいのですが、今回なんとか似たようなシミュレーション結果が得られました。

stndwave2というソフトは定在波解析ソフトの様な名称をしていますが、実際には鏡像を使用した干渉効果のシミュレーターだと思います(その多重干渉の結果が定在波効果です)。またこのシュミレーターでは反射率の周波数特性依存性とスピーカーの指向性、音の回折効果は考慮されていないと思います。ですのでそのへんを念頭においてシミュレーションする必要があります。

まず距離3mで測定したJBL4429の周波数特性を再度掲載します。
4429-room.jpg現在の事務所での周波数特性(JBL4429、Lch、3m)
またシミュレーションで求めた周波数特性がこちらです。

sim-1.jpg周波数特性のシミュレーション結果(20Hz-500Hz)

多少のズレはありますが、かなり雰囲気が出ていると思います。60-70Hzの谷、150Hz近辺の比較的広い谷、42Hzのピーク、最低域の40Hz近辺が中域に比べて10dB程度上昇する等がほぼ再現されています。

シミュレーションの条件に興味がある方ははこちらの図をクリックして下さい。

sim-1r2.jpgシミュレーション条件は左の図をクリック

シミュレーションの条件でポイントがあるとするとスピーカー背面壁(シミュレーターでは「前面」と表記されている)との距離です。実際は35cmのところシミュレーションでは60cmにしています。実際にはウーハーから出た音波はバッフル面をたどってから後壁に到達するので、その分実測の距離よりも多めに設定しないと計算が合わないようです。
ちなみに現在の事務所のレイアウトはこんな感じです。

layoutnew.jpg現在の事務所のレイアウト(事務所の1辺が8.4m)

さて、およそシミュレーションで周波数特性が再現できているとして、次に書く壁の影響を調べてみたいと思います。

計算時各壁の反射率はえいやで0.8程度にしてあります。 ここでひとつの壁だけの反射率を0.8程度にして他の壁の反射率を0にするとひとつの壁の影響を個別に知ることができます(これがシミュレーションの良い所)。
実際の周波数特性は振幅だけでなく位相も考慮しなければならないのですが、その辺はとりあえずここでは考えないことにします。
例えばスピーカー背面の壁だけの影響を計算した図がこちら。

sim-haimens.jpg スピーカー背面壁からの反射の影響

この結果から150Hz近辺の幅広の谷はスピーカー背面の壁の影響が大きいことがわかります。

次に天井の影響を見てみましょう。天井のみ反射があるとして計算した図がこちら。
sim-seals.jpg 天井からの反射の影響

やはり120Hz付近に大きな谷ができました。実測周波数特性に見えた150Hz近辺の広い谷は天井とSP後ろの壁のダブルパンチの影響だった様です。 150Hz近辺というのは聴感上低域の量感に影響する一番大事なところで、これを改善するには後ろ壁と天井との距離を何とかしなければいけないことがわかりました。

以外に影響が出なかったのが床からの反射の影響です。低域に影響は有りませんでした。ひょっとすると400Hzあたりの谷はこの影響かも知れません。よくスピーカーシステムのカタログに床の影響を避けるためにウーハーを高くしましたという文言が乗っていますが、床からウーハーを離すと直接波と反射波の距離差が大きくなって、かえって床の影響を強く受けるようになります。実際には天井の影響度が少なくなりましたということかも知れません。

sim-floors.jpg 床からの反射の影響

もう一つ大きいのは右側の壁の影響で180Hz、60Hzに谷ができます。
sim-rights.jpg右側の壁からの反射の影響

左壁の影響は距離が離れているため小さくなります。

sim-lefts.jpg 左の壁からの反射の影響

スピーカー対向面(リスナーの後ろ壁)の影響も距離が離れているため小さく出ます。
sim-backs.jpg スピーカー対向面の壁の影響

以上スピーカーシステムの周波数特性に与える影響を壁ごとに計算してみました。スピーカー背面と以外にも天井の影響が大きいことがわかりました。左右壁はスピーカーとの距離が1-2mだと大きな影響がでます。逆に周波数特性を平坦にするにはこれらの壁の影響を軽減する工夫が必要となります。

DAコンバーター試聴会の報告

先週8/27(土)に青山で開催されたフジヤエービック主催DAコンバーター試聴会に出展してきました。
この試聴会は16社のDAコンバーターを比較試聴出来るというおもしろい試聴会です。機器構成はDAC比較用標準構成として

共通HiRes音源(96/192KHz、24bit)+ノートPC+USB・DDコンバーター(同軸出力)+各社DAC+ヘッドホンアンプP-1U(ラックスマン)
という構成を準備しています。つまり(ノートPCの依存性がないとすると)DACだけが各社で異なるため、自前のヘッドホンを持ち歩くとDACそのものの比較試聴になるという仕掛けです。

DDコンバーターはHiFaceというもので、192KHzまで安定して出力することができます。試聴会当日は全社に貸してくれたのですが、価格も安く、使い勝手も音も良いので、私はそのまま購入させてもらいました。

ヘッドホンアンプはラックスマンさんが全社に貸してくださったのですが(16台も凄い)、こちらに提供されたものはなんと新品でした(太っ腹)。

この比較用標準構成の他にヘッドホンアンプを弊社製にしたものと2系統用意しました。

DAC試聴会ブースの様子
右が比較用構成、左がオリジナル構成になります(左に見えているのはナスペックさんの方です)

開催中はこんな感じになります。
弊社ブースでの試聴中の様子

ラックスマンのヘッドホンアンプも良かったです。ラックスマンさんのブースはヘッドホン祭りの時はお隣で、音を聞かせてもらったこともあったのですが、今回の方がずっと良かった様に思いました。弦の音などがかなり綺麗に聞こえます。解像度とか音のキレみなたいなものを狙ったのものではないと思いますが、いわゆるラックストーンというか柔らかい感じで、大変心地よい音でした。

弊社DACの評判もかなりよかったと思います。力強いとか音に厚みがあるとかそういった声が多かったように思います。弊社ブースで2系統のシステムの差を聞いてくれた方も多かったのですが、手前味噌ながら弊社のヘッドホンアンプの方が好みだという方が多かったです。

この試聴会は機材も少なく車1台で1日で行って帰ってこれるので弊社の様な小さな会社でも、参加しやすいところがありがたいです。

お隣がノーススターデザインを扱うナスペックさんで、その隣がウルトラゾーンのヘッドホンを扱うタイムロードさんでした。後半タイムロードの方がウルトラトーンのヘッドホンを幾つか貸してくれたのですが、その中にものすごくいいと思えるものがありました。Pro900というモデルです。ヘッドホンマニアの方はedition*というモデルをお持ちになる方が多いのですが、私はむしろ密閉モデルのPro900の方が気に入りました。これの低音素晴らしいです。ヘッドホンの低音は締まっていて普通ですが、加えて重厚感(がありながらどんよりしていない)があって、低音がやや多めでズシッと響きます。こんな気持のいい低音を聞いたことがありません。残念なのは高音で、私にはいくら何でも多すぎで、何を聞いてもチャリンとオツリが来るような音です。例えるならドンシャリではなくズシン・チャリンと言う感じです。ただそれを差っ引いてもこの低音は魅力で(高音の出過ぎはなんとか処理できると思う)、そのうち購入して楽しんでみたいと思いました。

ということで出展社としても有意義な1日でした。