ディナウディオでの試聴会の報告

先週12/4(土)に開催したディナウディオでの試聴会の様子を報告します。

試聴会は2回に分けて各10名程度で行いました。
時間は約2時間弱、スピーカーはC1とConsequenceの2種類でした。
本当はC4、ContourS5.4などの聞き比べをしたかったのですが、諸事情により上記の2種になってしまいました。

  試聴会の様子はこんな感じでした。(前で話されているのはディナウディオJapanの試聴室の方です)

DynaudioのSPを鳴らすのは初めてではありません。今年の春のハイエンドショでもC1をお借りして鳴らしてみましたし、音元出版のブースでも弊社のパワーアンプとC1を組み合わせて井上先生が鳴らしていただいたりしていました。

ただハイエンドショーの様な会場では広すぎて低音が出にくく(特に春の場所はそうだった)普通の広さで鳴らしたときのバランスとは異なるので、今回の試聴会が事実上の初めての組み合わせといえるでしょう。

Dynaudioの音

誤解していましたが、DynaudioのSPは中高音を非常にはっきり聞かせるSPだなと思いました。シルクドームだからおとなしい感じでなると思っていたのですが、大きな誤解でした。決して変な音が出るのではないのですが、中高音のレベルも大きいというか、おそらく周波数特性を取ったら試聴位置でもほぼフラットになっているのではないかと思いました。それでは丁度いいじゃないかと思われるかもしれませんが、私は試聴位置では1KHz以上が自然とだら下がりになっている位がバランスがいいと思っているので。
 中高音は大き目には出ていましたが、ひずんだり、きつい音とかいう訳ではなく、逆に何を鳴らしても澄んだ音でガツンと聞かせる感じですで。レベル調整など一切できませんが、本当はもう少し広めの部屋でやや離れて聴く様にできているのかもしれません。

C1とConsequenceの音
C1とConsequenceは値段も10倍くらい違いますし、大きさもまったく異なるのですが、その割には似たような音がしていると思いました。音の傾向はほぼ同じです。Consequenceは5WAY6SPで、中高音はたくさんのSPを繋げていますが、これがまたスムーズにつながっていてまるで一つのSPが鳴っているかのようにスムーズでした。-6dBで繋いでいるので、完全にフラットにできるのでしょう。
C1とConsequenceの一番の違いは低音でConsequenceの方はスーと30Hzくらいまで延びている感じの低音で、演奏してる場の空気感見たいなものも表現します。この低音は独特で大きいだけの事はあります。一方のC1は超低域自体はでないもののおそらく40-50Hz位まではでていて低域の音量レベル自体は若干こちらの方が大きく聴こえてきます。超低域が出ない分バスレフを若干強く出している感じバランスを取っているのでしょう。
どちらがいいかといえば、やはり音質的にはConsequenceですが価格や大きさを考えると(Consequenceはペアで660万円)C1の方がはるかに現実的です(C1も高価ですが)。

どちらのSPにもいえるのですが、DynaudioのSPの低音は独特の良さがあります。とにかく、どれだけパワーが入っても、低音の質が悪化するそぶりも見せません。歪もしなければ余計な動きもしないというか歯切れも抜群によいのです。すっきりと力強いというか独特のなり方で、この低音がかなり心地よいです。

参加者の皆さんの反応
後でアンケートを送ってもらいましたが、皆さん音質、内容に満足されていらっしゃたのでよかったです。お一人だけ音質ががっかりとおっしゃった方もいらっしゃったのですが、その方はすでに弊社のプリ+パワーをお持ちで自宅でSP等を十分調整されていらっしゃる方でしたので、厳しい評価だっただのだと思います。

今回鳴らしてみて気づいた事

試聴会前日に弊社のアンプ類を持ち込んで接続したのですが、この日は特にC1がなりませんでした。もっと低音の出るSPではなかったかなと思っていたですが、翌日の試聴会では結構低音も出るようになりました。後から聴いたのですが、C1は直前に寒いところから戻ってきたそうで、こういう事(移動直後に低音が出にくい)はよくあるそうです。エッジのゴムか何かが硬化して戻るのに時間がかかるのでしょうか(タイヤじゃないのに・・・・)。
Dynaudioの様に高音がガツンと出るタイプは低音も負けないくらいたくさんでないとバランスが取れません。低音が十分出るセッティングがまず必要だとおもいました。
C1のスタンドはカーンと鳴きます。その方が音質的に好ましいとの事でしたが、弊社のアンプの様に情報量が多いアンプと組み合わせるときは、やはり制振されたタイプの方がいいのでは?と思いました。

Dynaudioの鳴らし方
DynaudioのSPはインピーダンスが4Ωです。それだけならいいのですが、かつ能率が低いのです。通常のSPと比べて半分位の音しか出ません。インピーダンスのために2倍、能率のせいでさらに2倍の電流が流れると思っていいでしょう。通常1Aで済むところ、4-5A位は直ぐに流れてしまうのです。こうなるとアンプの方が大変です。アンプのボロがさらけ出されてしまいます。
え?弊社のアンプはどうかって?….弊社のアンプは基本性能がいいのが売りの一つなので、むしろアンプの素性がむき出しにされるSPの方がアンプ間の差が出ていいのです(また自慢してしまった)。
能率が低いので80W+80Wでは足りないのでは?と心配されるかもしれませんが、4Ω負荷の場合は約2倍のパワーが出るはずですのでこの点は心配有りません。

Consequenceは大変です
見た目に大きいConsequenceですが、実はC1より能率が低いのです。Consequenceを鳴らすときはほぼフルパワー(100W以上)出ていたのではと思います。試聴会の前にConsequenceを鳴らせないアンプもあるとDynaudioの方が言っていたので、なんでだろと不思議だったのですが、鳴らしてみてわかりました。これだけ能率低く、4Ωのインピーダンスだと、もうアンプの試験をしている様なところもありますから。

Dynaudioのスピーカーを使うときはアンプを吟味しないといけません。

 使用した機材はこんな感じです。
パワーアンプDCPW-100
プリアンプDCP-EF-105ATT
DAコンバーターDAC-FA0
オーディオPC PCA-1

アンケート結果
試聴会の後メールでアンケートを取らせていただきました。せっかっくいただいたフィードバックなので参考のため載せておきます。(回答率は半分くらい)

———————-アンケート結果————————-

試聴会の時間
短い 丁度良い 長い
0    9   0
・丁度良いくらいでしたが、更にもう少し長くても私にとってはOKです。
・第2部は少し時間が遅かったかも。午前・午後部の方がよかったです
・時間配分も丁度良かったと思います。 

試聴会の内容
良い 普通  悪い  
8    1    0
・私個人の独断・我儘を言えば、音の加工の少ないクラシック系ソースが更に多ければ更に良いのですが
・試聴者参加型の進行で、質問に丁寧に答えていただけたことが良かったです・私もCDを持って行けば良かった、アナログレコードを聴いてみたかったです。

音質
良い 普通  悪い
7   1    1
・良い組み合わせで、楽しめました。部屋(天井の高さの問題でしょうか?)やセッティングを詰める時間などに更に恵まれていたら更に良い音を聴かせて頂けたかとも思いますが。
・両社最高の機材だったと思うので当たり前ですかね
・ショップで視聴すると ショップによって音の癖のような物がある様に思われ、視聴した機器の本来の音の傾向がよくわからない場合もあるような気がしますが、今回の試聴会は そのような癖が全く感じられませんでた。

試聴会で良かった事
・昨今のCDを始めとするデジタルソースの忠実性を決定付けるのはDACとプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーなど含めた全体的なバランスで好みの音質(味付け)が決定されると思っています。そういう前提で考えて貴社のDAC、プリアンプは魅力的で気になっている製品です。
・コンシークエンスを鳴らしきる28万円台パワーアンプの実力!「参考にならない値付け」とは言え、やっぱり凄いです。価格を度外視しても、癖の強い超高価格の「名機」?の類よりも、実力の単純比較で勝っていると思います。
・人数が多くなかったので質問などが気軽にできた。説明していただいた方を含め、皆さんなんとなく和気藹々な感じがよかった。かなり突っ込んだ質問にも答えていただけたのがよかった。自分のCDを高級な機材で聴けたのはよかった。家との違いが実感できました。
・ふだんなかなか視聴出来ない機器を現物で見たり聞いたりすることができた
・人数が少なかったのでよく聞けたこと。
・試聴室の広さが自宅で聴いている広さと近かったのでイメージし易かったです。自分が日常使っているアンプで、DYNAUDIOの音が聞けたこと。 
・御社の D/A コンバーターが視聴出来た事

試聴会で改善すべき事
・conseqenceは、確かにすばらしかったですが、やはりもう少し現実味のあるスピーカー同士で比較をしたかったです。
・強いて申し上げれば、上手く時間をやりくりして、来場者持込CDもリッピング取込して最良の条件で再生してみて頂けましたら...
・今回試聴したスピーカーは、私の中ではかなり高級な部類になり現実感がないので、もう少し低価格のスピーカーで試聴したかった。
・オーディデザインイチオシのハイレゾ音源が手に入ったら、プログラムにいれて欲しい第2回、第3回と続けて欲しい
・普段のリファレンスアンプでの音も聞きたかった。

オーディオデザイン/ディナウディオへのご意見・ご要望など
・拙宅システムにも不満が無い状況ですので、近々のオーディオデザイン社製品購入にはまだ至らないかと思いますが、拙宅システム老朽化更新が必要になった場 合にはオーディオデザインが第1候補だと思っておりますので、何卒末永く頑張って下さい。拙宅のローテル製アンプ群は既に18年~17年経過しております ので、そう遠くない将来のことかも知れません。
・オーディオデザインさんの製品はよいのですが、私には少々高いかも。もう少し低価格帯(10万円代前半)の製品があれば購入検討の対象になると思います。”
・真の原音再生をこれからも追求し続けてほしい
・リーズナブルな価格で高品質な製品を今後もよろしくお願いします。
・今後も独自性のある製品を供給してください。 


その他ご感想などありましたらご自由にご記入下さい

・実演に慣れ親しんだ日本人テノール歌手の村上敏明さんのCDと、太鼓も大活躍のオケと合唱にオルガンも加わる多彩な内容で録音の良い「威風堂々」で試聴させて頂き、特にコンシークエンスを貴社アンプで駆動した際の低音に感動してしまいました。
・オーディオsショウなとのイベントの中での試聴と違ってひとつのブランドのみの試聴会は初めてだったのですが、なかなかゆっくりと試聴できたのでよかったと思います。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
・ラインセレクタを使って他社比較とかプライベート試聴会だからできそうな企画があると面白そうです。
———————-アンケート結果(ここまで)————————-

最後に
まとめというわけではないのですが、アンケートをまとめていて後からいくつか思い出したので書きとめておきます。

・C4を聴きたかったのに残念・・・という事を複数の方から言われました。内容でご不満があるとすればこの点でした。この点は今回お詫びするしかありません。

・途中参加者の方が持ってこられたCDを聴いたのですが、一部に(サンタナとか)の音質の悪いものがあった。今回のでもに限らずお客様がお持ちになる愛聴版の音質は良くないものも結構あります。デモの企画としては良くないので次回からは考えた方が良いかもしれない。

・コンセクエンスがよく鳴っていたので、今度コンセクエンスを試聴に来られた方に薦めて見たいとDhinaudio試聴室担当の方も特にパワーアンプに興味津々の様でした(回路・内部の事などいろいろ聞かれました)。

・B1の試聴室は今回縦長に使用しましたが、本当は横長に使用したほうが(長辺方向にSPを並べた方が)C1などは音質は良いそうです(この部屋の場合は)。既にコンセクエンスが縦長方向の試聴位置に設置してあり、これは重くておいそれと動かせないので、今回の試聴会はこの設定で行いましたが、本当はもう少しセッティングを詰めた方が良かったのかもしれません。

CDプレーヤーの音質と特性(2)…..家政婦は考えた…

前回、さまざまなCDPの信号波形を見てもらいましたがさらに考察してみましょう。

(1)高周波ノイズは音質に影響を与えるか?
まずこれを調べてみましょう。調べるには高周波を除去して音を聞いてみるのが手っ取り早いでしょう。

そこで作ってみたのがこれ、パッシブフィルターです。
pfiltercir.bmp

カットオフ28KHz、バターワース型3次ローパスフィルター

実際のフィルターの写真はこれ

lpf320.jpg

フィルターインピーダンスは3KΩとして設計しました。

このフィルターを通すと、ソニーの名器CDP-555ESDの信号波形(1KHz、-15dB)、

これが
555-di1khzsign.jpg

あら不思議(不思議でもなんでもないが)、こうなります。
555-lpf-1khzsign.jpg

肝心の音質ですが、このフィルターをCDPの後(プリの前)に入れるとソニーのCDP-555ESDにあったデジタルくさい音の硬さがほとんど取れます。その音は現在でも最高級品として聴けるほどです。音は全体におとなしくなり、欲をいえばもっと高解像になってもいいかなという感じです。もう何十年も経っているので音が多少引っ込んで聞こえるのはしょうがないと思います(アンプでもそうですから)。

このフィルターは現代の50万円のCDPにも効果があります。入れてみるとうるささの3割くらいは改善されます。この場合はなぜかまだうるささというか、付帯音のようなものは完全には払拭されません。一度内部で発振している様な状態だと、後からフィルターをかけても可聴帯域まで侵食されたものは元に戻らないのかもしれません。ソニーのCDPで劇的に効果があったのは、それだけひどい高周波が乗っていたから?・・・・。すべてのつじつまが合うわけではないのですが、デジタルはそういうものなのでご容赦下さい。

またなぜかわからないのですが(ちょっとは思い当たる節もあるのですが)、エソテリックのX-30にはほとんど効果がありませんでした。
このパッシブフィルターを使用する際の欠点は音量が半分になってしまうことです。フィルター有り無しで比較するときに、同時に音量も調節する必要が有ります。

ついでですが、CDが出始めの頃よく信号系統に1:1のアイソレーショントランスを入れて音質が改善したなんて話がよくありましたが、それは現代でも通じる話という事になってしまいます。

またDACの最終段に真空管バッファを付けて音が良くなったという例は現代でも多いようですが、それもこの高周波の影響と考えることができます(真空管を使用すると自動的に数十KHzのローパスいフィルターになりますので)。

さらに拡張すると、こういう高周波ノイズはどこでも伝播しやすいので、電源ケーブルを通じて伝播したり、はたまたCDPやアンプケースが信号すると高周波がケースの浮遊容量による変調のされ方が変わるので、ケースの剛性を上げたら音が良くなったとか、さまざまな不思議のヒントになる、といったらいいすぎでしょうか?
(2)高周波ノイズが発見されにくい理由

これだけ高周波ノイズが発生していれば普通わかるでしょう、と思われるかもしれませんが、結構そうでもないのです。一般に高周波ノイズを発見しやすいのはアナログオシロですが(帯域も広いので)、高周波ノイズのレベルが比較的低いので、輝線(波形の線)が少し太くなるだけです。アナログオシロにはCRTの焼きつきが禁物なので線が太くなると直ぐに輝度を落として波形の線を細くするのが常識なのです。なので高周波が重畳しているかどうかは、そう思って見ないと発見できないのです。

加えて、DAC部の発振は比較的低レベル(-40-50dB)でかつ安定的に発振しているので、なおさら見つけにくいのです。アンプなどが発振する場合は非常に不安定でしかもピーとかギャーとか言うので比較的簡単に見つかるのですが、DACは静かに安定に発振するのであると思って見ないと見つかりません。

デジタルオシロを使えば見つけやすいといえばそうですが、デジタルオシロはもともとノイズレベルが高いですし、分解能もせいぜい10bit位しかないのでこの場合も結構見つけにくいのです。

まあ高周波ノイズが出ている事はこれまでにも結構言われていた事はあるのですが、定量的に示した例はほとんど見つかりませんでした。
(3)発振はかなり一般的です

DAC部の発振は特異な例かというとそうではないと思います。あるメジャーなDACチップメーカーの使用例の通りに作るとまず間違いなく発振すると思います。高周波のパスコン、ベタアースなど指定されている基本事項はすべて守っても、私が作った数例ではすべて発振していました。これはDACチップが悪いわけではなく、また参考回路が悪いわけでは有りません。基板設計、回路設計をする人は十分な発振防止対策をする(実力がある)という前提で参考回路が掲載されているのだと思います。
(4)アースだけでも伝播します

パッシブフィルターで高周波ノイズが取れましたと言いましたが、ひどいときにはフィルターを入れてもだめで、何をやっても取れないときもありました。 通常、信号というのは2本の線がつながって初めて伝播するのですが(低周波では)、高周波になるとアースがつながっているだけで伝播していきますから、かなりたちが悪いのです。ひどいときはアースがつながっていなくとも空中を飛んでいきますから。DAコンバーターによくマスタークロックの入力ができるものがありますが、いくらシールド線を使って内部に導いたとしても、基板の接続部あたりから周囲に飛び回っている可能性もあります。マスタークロックは10MHzでも矩形波なので3次,5次,7次,・・・(30MHz,50MHz,70MHz・・・)の成分も乗っていますから、電波となってよく飛ぶでしょう。精度の良いマスタークロックを導入したつもりが、実は中で高周波を飛ばしただけだったなんて話もありえないわけでもないのです。マスタークロックは必要だとしても、基板上の占有面積を最小にして、かつ周りをベタアース+パスコンでガードすることがもっとも重要だと思います。

JBL4429は使ってみてこんな感じです

今年の春にJBLの4429を購入して、現在おもにこれで聴いています。
JBLを実際に使用してみて気づいた事をまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

全体の音質
前にも同じ事を言ったかもしれませんが、音はおとなしいです。JBLと聴くと昔の4343の様な音響レンズの付いたタイプのイメージで、ドスーンと来てシャリーンという音を思い浮かべてしまうのですが(私は)、今のJBLはいわゆるホーンくささはまったくありません(これって常識なのでしょうか?)。音色的にはむしろ昔のコーン紙(カーボンでもケプラーでもない)みたいな音色です。
どの会社もそうだと思うのですが、特徴ある製品をつくるとヒットした分だけその欠点も多くの人に指摘されて、今度はその欠点を徹底的につぶした製品を創ったのではないかと思うのです。つまりJBLの音響レンズっぽいホーンくささを徹底的につぶしたのではないかと勝手に想像しています。
コーン紙みたいな音といいましたが、ただの平凡なSPではないので、とってもいいです。特徴を列挙すると
・低音の締りがすばらしい。
・このサイズでも普通の部屋で上手にセッティングすると30Hzくらいまでは延びるので十分に思える
・中高音はめちゃくちゃ定位が良い。ホーン型って過度特性がいいので歯切れが良い音になると思っていたですが、そういうエッジのたった様な音ではなく自然な音です。
・ラジアルホーンなので上下に音が広がらないので、余計な反射の影響を受けないため、MID/HIGHの周波数特性はどこに置いても素直になりますし、その結果定位も良くなるのだと思います。
・普通のSPが50cm単位で楽器が定位するところ、このSPは10cm単位で定位する(ちょっと大げさか)様に聞こえる。
・中音、高音にアッテネータが付いているので、組み合わせるシステムや好みに合わせてレベルが調整できるので便利。
・見た目より重いです。男一人で持ち上げる重さの限界だと思います(公称32.3Kg)。
・クラシックからJazzまで何でもこいです。メインでこれを使っています。
・仕上げの良さはあまり気にしないほうがいいかも(よく見ると雑なところもあるが音質に関係ないので問題なし)
・四角いので壁にぴたっとくっつけられる。セッティング上これは便利です。
・アッテネーターはなんと無音になるまで絞れる。抵抗をかませて0~-10dB位にした方がいいのではないか?その方ががりがり言わないと思うし。音質がいいので別にいいですけど。

4428との比較
以前に中古の4428を同じこの場所で聞いてみる機会があったのですが、音質は条件付で同じに聴こえます。4428は2,3日しか聞いていませんでしたので、ほんとに同じかどうかわかりませんが、現在は少なくとも音質の特徴は同じといえます。

エージング
条件付といったのには訳があります。実は4429を新品で購入して最初に音出ししてビックリしたのですが、とにかく最初は音が悪いのです。どういう音かというと、選挙カーみたいな音がしました。これホントです。好みの問題ではなく妙にキンキンカンカンしたおとで、間違いなくネットワークか何かの不良じゃないかと思いました。私はそもそもアンプとかのエージングなどはあまり騒がない方で、その私が言うのですから間違いありません。1週間くらい結構鳴らしたのですがあまり変化は無く、4429を買って失敗したーと正直思いました(中古の4428にして置けばよかったと)。その頃はMID,HIGHをNormalから-6dB位落として使用していました(それでもうるさいくらいの音)。約1ヶ月して春のハイエンドショーに持って行ったのですが、この開場は広いので実際は100Wくらいパワーが入ります。ショー3日目でだいぶ良くなったと感じました。やはり長い期間鳴らすよりも短時間でもがんがん鳴らしたほうが効果があるみたいです。その後ずっと使い続けて現在に至るのですが、いまではMID,HIGHともにATT位置はNormal位置で丁度いいくらいのバランスになりました。4428と同じバランスというか、(チョイ聴きだった4428と)差がわからないくらい似た音質になりました。妙な「うるささ」というのがまったく無くなり、逆にもうちょっとパンチを聴かしてもいいのかなと思うくらいです。

スピーカーのエージングというのは(エッジのダンプ材がなじむとかで)ウーハーのF0が下がることで進むものかと思っていましたが、そういうものでなないようです。

よく4429の雑誌のレビューで振動版がプラスティックから金属板になり高解像になったとありますが、このSPの場合あまりにエージングの影響が大きいので、単にSP初期の音がそうだったということなのではないかと思います。

セッティングについて
セッティングについてはこちらを参照してください。いわゆる”セッティングの定説”にとらわれずいろいろ試してみる事をお薦めします。私の場合はこちらに解説しています。

スピーカー台について

JBL専用SPスタンドJS-350A

一緒に純正SP台を購入しました。これも一癖あります。支柱はサンド入りとかで鳴きが無いのはもちろんですが、上下の板も鳴きません。上下の板はただの1cm厚位の鉄板だと思うのですがこれもたたいてもびくともしない。
ただし驚く事が一つ、M8のボルトの頭が底にそのまま出てしまうので、床には直接置けません、ジャーン。厚手のじゅうたんなどでしたら問題ないと思いますが・・・・。家に厚手のじゅうたんがしいてある豪邸に住んでいる方が使用するものなので、床がフローリングの人は使ってはいけません。

オリジナルの接地部分パーツ

実際はこの様なスパイクとスパイク受けが付属しているので、先にスパイク受けを正確に設置して、それからSPスタンドをその上に置けば問題ないのです。

でもSPスタンドの重さが29Kgあるのでそんな事できるわけないのです。このスタンドも本当に重く一人でやっと持ち上がるくらいの重さです。付属のスパイクとスパイク受けは実際の所使い道がありません。

仕方が無いのでネットでM8のアジャスターを探してこれを購入して見ました。
シリコンゴムのついた足(TM-237-1)

上のSPスタンドの写真はこれを装着した物です。?栃木屋さんのものでMONOTAROとかで売っています。1個300円位です。

これで初めてSPスタンドを置く事ができます。これはこれで問題ないのですが、不便な事が一つ。シリコンゴムが付いているのでフローリング上を滑らせることができません。位置を微調整する際は、まず上のSPをよいしょと降ろし(これが又重い)、そしてさらによいしょとSPスタンド(29Kg)を持ち上げた状態で位置をずらします。横にずらそうとするとゴムがすぐ取れるので、そういう調整方法は取れません。
SPセッティングで重量挙げのトレーニングも兼ねたいという人には最適です(私の場合は1週間腰痛が続き、マッサージに行く事になります)。

ハイエンドショウの般出入の際に、運送会社の人がずりずりやってゴムが一つなくなった状態で帰ってきました。そこで今度はもっと使いやすいものをという事で探したのがコレ(右側の白いの)。
接地面がプラスチックのものを買ってみた(左は参考用、右が新しく買ったアジャスター スガツネ工業MN-25 M8)

今度は設置面がプラスティックなので横にずらしやすいと思っています。今度腰の調子がいい時に試してみる事にします。

裏はこんな感じ

———————————————————————————————————————音質劣化の無いオーディオセレクターHASシリーズ
セレクター
スピーカーセレクター
ラインセレクター
バランスラインセレクター
 

おすすめのオーディオ本

ƒI[ƒfƒBƒI_ƒJƒo[

オーディオデザイン社の社長が書いたオーディオの本です。ホームページのブログ、コラムに掲載したトピックの中から50を厳選。オーディオの常識の落とし穴をエンジニアリング的に解説しています。アマゾンのページはこちら オーディオデザインの機器設計のコンセプトを知る上でも役に立つ一冊です。———————————————————————————————————————

秋のヘッドホン祭2010に出展してきました

10/30(土)に青山で開催された秋のヘッドホン祭2010に出展してきました。

ヘッドホン関連製品は無いのに何故?かというと、ヘッドホン祭はヘッドホンだけでなくDACなども範疇に入っていて、春のハイエンドショーに出展していたときに主催者のフジヤエービックさんに「出ない?」と誘われて今回出展させていただきました。

ヘッドホンアンプは時々作らないのか?と聴かれる事があるのですが、普段ヘッドホンを使用しない私としては特に情熱が沸いてこないので(問題意識も無いので)具体的な予定はありませんといつもお答えしてきました。

ヘッドホン祭2010の感想
実際に参加してみて、ヘッドホン祭の特徴はこんなです、
・来場者の方は若い方が多い
・意外とコミュニケーションがとれる
・自前のヘッドホン、ソフトを持参して来る人がいるので、出展装置の判断がしやすい
・即売もできる(弊社はやっていませんが)
・参加者の方に横の繋がりがあって情報が横に広まっていく
・出展しやすい、出展社の負担が少ない(いろいろな意味で)

会場は混むとこんな感じになる

弊社の出展ブース
ヘッドホンアンプが無いのでパワーアンプの出力に抵抗を入れてヘッドホン用のジャックを付けたアダプターを製作して望みました。
PCA-1(オーディオPC) —> DAC-FA0(DAC)—> PPA-2(パッシブプリ) —> DCPW-100(パワーアンプ) —> ヘッドホンアダプター(自社用) —> ヘッドホン
といった構成になります。

弊社のブースの様子

展示用に置いておいたヘッドホンはとりあえず展示会用に購入したソニーとAKGの3000-5000円のヘッドホンでした。ヘッドホンは安物でも結構高解像なのでとりあえずこれでいいだろうと思っていたのですが、聴かれたお客様皆さんに、
・この装置にこのヘッドホンでは装置がかわいそう
・このヘッドホンでよくこれだけの音が出るな
等といわれました。ヘッドホンが安すぎたのです。例えればハイエンドショーでミニコンポのスピーカーを鳴らしているような組み合わせでしょうか?

ヘッドホンの使用者の方は、
・3-5000円のヘッドホンの型番を見ただけで安物とわかる(全機種のラインナップが頭に入っているのかも)
・2,3万円のヘッドホンは安物と呼ぶ(それって最上位機種じゃないの?)
・10-20万円のヘッドホンを使用している人が多い(それでもスピーカーに比べれば安いからメインに使用するには当然なのかも)
のです。

ただ装置のグレードの高さはお分かりいただけた様で皆さんにほめていただきました(まあ悪くても面と向かって悪いって言う人もいないと思いますが…)。

たくさんの人を集めて音を聞いてもらうのではなく、1対1での対応になるので、お客様の好みや、現状装置の不満点等が直接聴けて参考になりました。

こんな感じで応対する事が多い

また、弊社の事を気に入ってくれている方が知り合いの方をたくさん紹介してくれたので(あそこの聴いてみろと)、結構たくさんの人が聴きに来てくれました。

それと今回いろいろなヘッドホン愛聴者の方に話を聞いてわかったのですが、
・一般的には高音域の解像度を重視する人が多い(だからヘッドホンを愛用してらっしゃるわけで・・・)
・スピーカー再生に比べると明らかに高域が強く聴こえる(方を好む)
・とはいえ帯域バランスの様なものは、結構人それぞれで高域重視のひとから低域重視のひと、微細な音もすべて聴きたい人からゆったり聴きたい人まで結構幅広い。ヘッドホンのバランスも高解像系から低域重視系まで幅広い。再生装置側から見ると、どのヘッドホンにあわせてどういう音にすればいいのか、方向性・音質評価が悩ましい。
・ただ考えてみるとスピーカーシステムと違って部屋やセッティングの影響は受けないので、ヘッドホンが決まれば音質の傾向も大体決まり、通常のSP駆動のアンプよりやり易い面もある。

最後に自身がお客としていくつかのブースで試聴をさせてもらいましたが、聴いた中で良かったのはbeyerdynamicのDT 990 E/32やゼンハイザーのHD-800です。HD800は高すぎるので今の私にはちょっと買う気がしませんが。

それと10-20万円のヘッドホンアンプもいくつか聴いてきましたが、確かに音質的にはもうちょっとよくなりそうな気がします(たいしたことなかったと言っては失礼か?)。弊社に”ヘッドホンアンプを作ってくれ”という依頼が来る理由がわかりました。

ヘッドホンアンプはアンプの設計から見ると30Ω駆動で1Wもあれば
十分なので、どのアンプでも差が出にくいのではと思っていましたが、スピーカーよりも微細な違いがわかってしまうのでアンプの実力が反映されるのかもしれません。

普段とちょっと違う展示会に参加させていただいて大変勉強になりました。

CDプレーヤーの音質と特性(1)…..家政婦は見てしまった…

最近DAコンバーターをようやく製品化しました。DAコンバータ(あるいはCDプレーヤー)の音質にはどの様な特性が影響しているのでしょうか?オーディオデザインなりのDAコンバーターに対する考え方を紹介したいと思います。

まず最初に所有しているCDプレーヤー(CDP)の基本特性について紹介します。

一般にCDプレーヤーあるいはDAコンバーターの基本特性を見ても面白くないですよね、皆同じ様なものですから。私が最も音質に強い相関があると思っているのは、実は高周波ノイズです。今回は私が考えるCDPの音質の肝、その辺を紹介することになります。

高周波ノイズはオーディオ帯域の信号を再生し、デジタルオシロで見ると観測できます。無線と実験誌が行っているのは0dBの信号観測ですが、それでは見えません。今回-15dBの1Khzのサイン波形を再生しデジタルオシロ(200MHz)で観測した波形を紹介します。(波形の線の太さに着目してくださいね)

CDプレーヤー 信号波形 音質評価
CDP-555ESD

(ソニー)

555-Di1KHzSign ソニーがオーディオに力を入れていた頃(20年前?)のすごいCDPです。15万円で当時の最高峰でした。私がオーディオに興味を持っていた末期に購入したものです。このCDPは(当時のCDPとしては皆そうなのですが)いわゆるデジタルくさい音がします。硬いというか高音がきついというか、ぷつぷつした音というかそんな感じです。ただ低音の剛性感というかゴリゴリした音がして非常に気持ちいい部分もあります。波形は凄いですね、高周波ノイズがこれだけ乗っているのは珍しいです。もっともこの波形を見たので高周波ノイズが乗っていると気づいたのですが。
この中高音のデジタルくさい音はLPFを入れると見事に取れます(波形はAV-600並みになります)。そうすると、すばらしい音になります。
ただ残念な事は何しろ年数が経っているのでCDの1割位はトレースしなくなっている事です。
X-30

(エソテリック)

X30-1KSign320 エソテリックの波形は悪くありません。音質は力強くやはり低音がゴリゴリ気持ちいいです。ただこのCDPは高音が結構強く聴こえます。決して耳障りではないのですが例えていうならトーンコントロールでトレブルを2,3dB上げた感じに聴こえます。なのでシステム全体のバランスによって合う場合と合わない場合があるかもしれません。1KHzの波形には癖はないのですが、10KHzの波形が結構すごい事になっています。
DV-600AV

(パイオニア)

AV600-Sign1KHZ 有名なパイオニアのDVDプレーヤーです。恐ろしく綺麗な波形です。内部構成は何の変哲もないミドルクラスのDACチップ(PCM1742と4580OPアンプ)を使用した回路です。このDVDPの音質は帯域バランスがすばらしいです。低音が非常にもりもり聞こえ、まるで良質のアナログレコードを再生した様なバランスです。JAZZなんかは聴いていて気持ちいいです。高音は分解能が無いので音が団子になっているというか、濁るという感じです。(だから低音が良く聴こえるのかもしれません)SACDも再生できるのですが、これはおまけです。濁ってしまってまるでカセットテープの様な音質です。SACDはおまけですね。

50万円CDP

(国産)

SA1-Di-1KHzSin 数年前までxxグランプリとかで常に1位だったCDPです。購入当時はいいと思って使用していましたが、次第に中高音に独特の付帯音(キーンとかカーンとか)が付いているようで気になって仕方がなくなりました。よく言えば余計に響きが付くので、これを綺麗な音がするという人もいると思います。チョイ聴きでは受けるでしょう。ボーカルでは子音・サ行がきつく聴こえます(他の良質なCDPを聴かなければわからないのですが)
また低音が弱いですね。がーンと来ないです。
波形を見ると高周波ノイズが乗っていますね。パッシブのLPFを入れると高周波ノイズが とれ、付帯音の様なものも軽減されます。このCDPは重いです。いわゆるオーディオ界の定説みたいなものはてんこ盛りです。でもそれがまったく音質に効いてないって事ではないでしょうか?このCDP、ほぼ定価で購入しましたが、いい勉強になりました。
5万円CDP(国産) SA8400-Di-1KhzSign 安物のCDPです。ESD-555しか持っていないときにSACDを聞きたくて購入しました。音も安物です。波形は綺麗です、音も綺麗なのですが、なぜか感動できません。このCDPはDACチップのすぐ後(IVコンバーターの前)にパッシブのLCRフィルターを入れています。そうすると高周波ノイズは抑制できるかもしれませんが、周波数の高い領域でインピーダンスが上昇するのでDACが理想的な動作をしなくなってしまいます。回路的に気になる回路を使用していますね(悪い意味で)。

上記のCDPの中でそれぞれ特徴はありますが、ほぼ音質のいい順に並べています。ただしESD-555はパッシブLPFを入れるという条件付です。上の3つは特に順位が付くというものではなくそれぞれいいという感じでしょうか。下2つは、高い方は特に価格も考慮すると、とてもお勧めできるものではありません(持っている方ごめんなさい)。ただCDPの場合はいい、悪いといっても結構微妙な差ですから(SPほどは変わらないので)、その様に読み取ってください。