パワーアンプDCPW-100/概要
オーディオデザインのパワーアンプのコンセプト
音質に関係する電気特性を徹底的に磨き上げたパワーアンプです。周波数特性、歪率特性、SN比、過度応答特性等、特性のすべてが一般のパワーアンプに比較して一桁程度改善されています。もちろん重要なのは特性ではなく音質です。クラシックではオーケストラの各楽器がそれぞれ綺麗に再生され、ホールの余韻まで心地よく響きます。ジャズではリアルに楽器が浮かび上がり、引き締まった低音はバスドラムのペダルの踏み方まで見えるかのようです。またスピーカーシステムのポテンシャルも最大限に引き出しますので再生装置全体のクオリティーが上がった様に感じられる製品です。
こんな方にお薦めします
・現状低音の締まり方に満足できない
・オーケストラで全体的に音が濁る、音が団子になるのを改善したい
・SNの良いパワーアンプが欲しい(SPの能率が高いので)
・音量をかなり絞って聞くが、絞ると音質が劣化する(音が痩せる)のを改善したい
・現状、大音量で音像が崩れてしまう気がする
・もっとリアルな音にしたい
・低音の音階がわかるようにしたい
受賞歴
音元出版ビジュアルグランプリサマー2009
無線と実験誌・Technology of the Year(2009)
パワーアンプDCPW-100/製品詳細
ずば抜けて優れた基本性能
・周波数特性
周波数特性の実測値
周波数特性にこだわるのには理由があります。周波数帯域が数百KHzの場合、高域のNFB量が大幅に少なくなり可聴帯域内の高調波歪率特性も悪化します。その結果、音質がきつくなったり、耳障りになってしまいます。20KHzまで十分にNFBをかけるためには、最低でもMHz帯までの周波数特性が必要です。オーディオデザインのアンプは回路設計の検討はもちろん、高周波領域の概念を用いてプリント基板のパターン最適化を徹底的に行いました。その結果、周波数帯域をMHz帯まで安定に伸ばす事に成功しています。
・歪率特性
パワーアンプの高調波歪率特性(8Ω)
音響用のアンプにおいて必要な全高調波歪率の基準は一般に0.1%以下と言われていますが、ハイエンドオーディオ用途としては0.01%以下が望ましいといえます。たとえば、0.05%の歪率を示すAVアンプは音が痩せて、ギスギスしたひどい音を出します。一般のオーディオ用の良く出来たパワーアンプでも歪率は全帯域でみると0.01%程度で、けっして歪率特性が十分というわけではありません。オーディオデザインのアンプの歪率は20-20KHzで0.002%以下(@1W)と歪率が小さく余裕をもった設計です。実際の使用状況ではこれらの歪率が悪化することがありますので、これだけの歪率特性を達成して初めて、歪から開放されたといえるのです。
・4Ω負荷で160Wの最大出力
4Ω負荷におけるパワーアンプの高調波歪率特性
DCPW-100は8Ω負荷での最大出力が80Wですが、4Ω負荷の場合の2倍の160Wの出力が得られます。公称4Ωのスピーカーでもらくらくドライブすることができます。また4Ω負荷に対する歪率も非常に低歪です。
・過度応答特性
100KHz矩形波応答波形
(上:入力波形 下:応答波形 8Ω負荷)
歪率特性、周波数特性に加えて音質を左右する要素に過度応答特性があります。 「過度応答が良い」とは矩形波を入力した際に出力がオーバーシュートやリンギングがないことで、超高域まで周波数特性にピークがなく素直に伸びているとことと等価です。過度応答特性が悪いとどぎつい音、ぎすぎすした音になって、聴いていても疲れるようになります。 過度応答を良くするには、適切な位相補正を施す事はもちろん、高周波特性を考慮した適切な部品の選択、パターンレイアウトの最適化等ノウハウ的な要素が非常に重要となってきます。オーディオデザインのアンプは100KHz矩形波を完璧に再現します。この過度応答特性は一般のパワーアンプと比較して群を抜いて優れたものです。
・SN比
パワーアンプでは大電流の配線があるので、配線のノウハウが大きく性能に影響します。配線の引き回しが適切でないと、あるいはレイアウト上問題があるとSN比は110dB程度どまりです。オーディオデザインのパワーアンプはレイアウト・配線の最適化を徹底的に行いましたので残留ノイズ7uV、SN比は130dBという驚異的な値を達成しています。
・ダンピングファクター
ダンピングファクター(DF)が大きいことはパワーアンプの出力インピーダンスが小さいことを意味しています。DFが大きいパワーアンプはスピーカーからの逆起電力を抑制する力が大きい事を意味しており、ダンピングの効いた低音が期待できます。オーディオデザインのパワーアンプのDF値はなんと1500。通常の大型パワーアンプよりも一桁大きい値を達成しています。
パワーアンプの理想を追求した先進のディスクリート回路構成
回路構成は高性能を得るために必要な技術を十分に吟味して盛り込んでいます。初段:デュアルFETカスコードブートストラップ回路/2段目:カスコード接続、カレントミラー/最終段:3段ダーリントン接続という回路を採用しています。これらは高域まで十分に延びた周波数特性と低歪率化に無くてはならない回路です。またブートストラップ回路は入力にパッシブプリアンプ等の様に高インピーダンスで信号を送り出す機器を接続しても歪率が悪化しない様にするために必要な回路を備えています。さらにアイドリング電流は0.4Aと通常の10倍程度流しています。1.3Wまでは純A級動作ですので、大型スピーカーシステムで御使用の場合はほとんどA級アンプとして動作するといえるでしょう。
高剛性基板と厚膜銅パターン
パワーアンプのプリント基板は通常の1.5倍の2.5mm厚のガラスエポキを使用しています。 この厚さになると基板のしなりが無くなり、まるで基板と言うより部品のブロックといったほうがいいくらいです。また配線用の銅パターンには通常の3倍の105um厚を採用し、低抵抗化を行っています。
最高級部品を採用
オーディオ用電解コンデンサ/金属箔抵抗/ディップマイカコン/オーディオ用カーボン抵抗
使用部品にももちろん最高のものを投入しています。初段にはデュアルFET、出力段には金属箔エミッタ抵抗、位相補正には銀マイカコンデンサ、抵抗にもオーディオ用に開発されたカーボン抵抗を使用しています。また電源用のコンデンサはオーディオ用に開発された低インピーダンス品を採用しています。
安全性を高める新開発・高性能保護回路を搭載
パワーアンプの回路だけでなく保護回路にも先進の機能を搭載しています。接続ミスなど不慮の事故の際にもスピーカーシステムへのダメージを最小限にするように、規定の出力を超えた場合は瞬時に出力を遮断するようになっています。もちろん、電源投入時のミューティング機能と電源OFF時には瞬時遮断を行います。また出力端子を短絡したりするなど定格を超える使用方法になった場合には電子回路内に設けた保護回路が働き、過大電流を防止しパワートランジスタの破損を防止する機能があり、アンプ回路の保護という観点からも万全を期しています。
シャーシー構造
パワーアンプのシャーシー構造は電源部を下部に、アンプ回路を上段に配置した、オールアルミ製タワー型シャーシーを開発しました。電源出力、パワートランジスタ、スピーカー端子を最短で結び、高性能を引き出すことができる合理的なレイアウトです。また電源部には合計240,000μF以上の大容量コンデンサを投入し、瞬時の大電流の供給に対応しています。また信号処理部と電源部が上下に分離されているためSN比の向上にも貢献しています。
信頼の検査データ付き
オーディオデザインのパワーアンプは単に高性能を謳うだけではなく、すべての製品について実測データをお付けしています。謳っている高性能が単なるお題目ではないこと、製品の品質に自信があることの証です。
パワーアンプDCPW-100/仕様
パワーアンプDCPW-100/仕様
入力部
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入力
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RCAピン(アンバランス)
XLR(バランス) |
出力
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スピーカーケーブル接続端子(バナナ端子/Yラグ接続可能)
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アンプ部
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利得
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26dB
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最大出力
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80Wx2(8Ω)
160Wx2(4Ω) |
適合スピーカーインピーダンス
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公称4-16Ωのスピーカー等
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入力インピーダンス
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47KΩ
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ダンピングファクター
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1500 (8Ω負荷,20-20KHz)
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歪率特性
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0.002%(@1W/20-20KHz,Typ.)
0.0005%(@80W/1KHz,Typ.) |
周波数特性
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DC-1MHZ(-3dB,Typ.)
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SN比
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130dB(@80W,A補正)
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外形・その他
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寸法
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260 (W) x 290 (H) x 360 (D) mm(突起部含まず)
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重量
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15Kg
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出力端子
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Yラグ端子(又幅8mm以上)又は撚り線(6mmΦ以下)/バナナ端子併用可
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消費電力
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89W(無信号時) 290W/370VA(2CH定格出力時)
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通電時温度
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放熱器部40℃, 天板部34℃(無信号時)いずれも最大温度部,室温23℃にて測定
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付属品
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ACコード、使用説明書(保証書付)、試験成績書
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保証期間
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1年間
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・仕様は予告無く変更されることがあります。
パワーアンプDCPW-100/外観
・スピーカー端子形状
Yラグ端子(又幅8mm)又は撚り線(5mmΦ以下)/バナナ端子併用可
パワーアンプDCPW-100/雑誌掲載記事
・オーディオアクセサリー
No.133「注目製品」p.130
"非常に静かな再現性に引き込まれ、
特性のよさがそのまま音に反映される"
No.134「話題の注目モデル」p.92-p.93
"音楽的バランスと解像度が高度なレベルで両立"
・無線と実験
No.1038「MJズームアップ」p.14-p.17
"徹底して広帯域、低歪率を実現" "超低域まで高い解像度を確保"
・ステレオサウンド
No.170「話題の新製品を聴く」p403
"抜群のトランジェント感。楽器や声の質感がリアル"
・オーディオベーシック
2010年vol.56「注目新製品レポート」p.140
"基本性能と音質が徹底追求された充実の作りだ"