プリアンプDCP-105シリーズ/概要
プリアンプとしての理想を根本から考えて設計・製作いたしました。音量調節には国内セイデン社製のLパッド型アッテネーターと音響用カーボン抵抗を使用し、アンプ部はすべてディスクリート部品で構成しています。 安定化電源も徹底的に高速化、低インピーダンス化を図り、基本特性を徹底的に磨き上げました。基本性能も格段に良いのですが、一番の特徴はもちろんその音質です。 透明で伸びのある高音、締まった低音、驚くほどの情報量の多さで、これまでのプリアンプとの違いに驚かれる方が多いのです。 これまでパワーアンプに直結で接続された方も、このプリアンプを入れた方が逆に音質が良くなるとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。 単なる音量調節器でしかないと思われがちなプリアンプの存在意義を教えてくれる一品です。
特にこんな方にお薦めします
・音質で最高のプリアンプを使用したい
・透明感があり、伸びのある音質のプリを使用したい
・コンサートホールの残響を綺麗に聴きたい
・再生系の解像度を上げたい、情報量をもっと増やしたい
・現在のプリアンプで音質が劣化している気がする
・全体的に音が濁っている、引っ込んでいるのを改善したい
・SN(感)の良いプリアンプが欲しい
・音量をかなり絞って聞くが、絞ると音質が劣化している気がする
・良質のアッテネーターを搭載したプリが欲しい
受賞歴
音元出版オーディオアクセサリー誌・銘機賞プリアンプ部門(2010)
無線と実験誌・Technology of the Year(2009)
プリアンプDCP-105シリーズ/特性と製品詳細
ずば抜けて優れた基本性能
周波数特性
周波数特性の概念図
まず5MHz(=5000KHz)という周波数特性に驚かれた方もいらっしゃると思います。これだけ周波数特性を良くしたのには明確な理由があります。 周波数帯域が数百KHZの場合、高域のNFB量が大幅に少なくなり可聴帯域内の高調波歪率特性も悪化します。その結果、音質がきつくなったり、耳障りになってしまいます。 20KHzに十分にNFBをかけるためには、最低でもMHz対までの周波数特性が必要です。 オーディオデザイン社のアンプはアンプ全段でミラー効果を解消する回路構成を採用するなどの正攻法によって、周波数特性を5MHz程度まで安定に伸ばしています。
歪率特性
プリアンプの高調波歪率特性
音響用のアンプにおいて必要な全高調波歪率の基準は一般に0.1%以下と言われていますが、ハイエンドオーディオ用途としては0.01%以下が必要です。 一例を挙げれば、0.05%の歪率を示すAVアンプは音が痩せて、ギスギスしたひどい音を出します。一般のオーディオ用の良く出来たプリアンプでも歪率は全帯域でみると0.01%程度で、けっして歪率特性が十分というわけではありません。オーディオデザインのアンプの歪率は20-20KHzで0.001%程度と、歪率特性も他のピュアオーディオアンプと比較して一桁程小さく、余裕をもった設計です。実際の使用状況ではこれらの歪率が悪化することがありますので、これだけの歪率特性を達成して初めて、歪から開放されたといえるのです。
過度応答特性
100KHz矩形波応答波形
(上(緑):入力波形 下(青):応答波形)
歪率特性、周波数特性に加えて音質を左右する要素に過度応答特性があります。 「過度応答が良い」とは矩形波を入力した際に出力がオーバーシュートやリンギングがないことで、超高域まで周波数特性にピークがなく素直に伸びているとことと等価です。 過度応答特性が悪いとどぎつい音、ぎすぎすした音になって、聴いていても疲れるようになります。 過度応答を良くするには、適切な位相補正を施す事はもちん、高周波特性を考慮した適切な部品の選択、パターンレイアウトの最適化等ノウハウ的な要素が非常に重要となってきます。 オーディオデザインのアンプは100KHz矩形波を完璧に再現します。 この過度応答特性は一般のオーディオアンプと比較して郡を抜いて優れたものです。
SN比
半導体アンプではレコード用のイコライザアンプなどは別にすれば、ノイズが聞こえないのがあたりまえですが、実際にはノイズが目立つアンプも多数存在しているようです。オーディオデザインのアンプはSN比も非常に優れているとお客様によく言われるのです。 それだけ他のアンプはSN比の実力が無い物も多いということでしょう。SN比は定義(測定条件)によってどうにでも数値が変わりますのでカタログスペックを比べる際には注意も必要です。
またSN比はアンプの内部配線、アース配線の引き回し、などの要素が影響しますので、ノウハウ的な技術・知識・経験が必要になります。SN比も良いというのは、本当に実力の有る高性能アンプが見せるひとつの側面といえるでしょう。
理想を追求したディスクリート回路構成
プリアンプの要となるフラットアンプは、初段はデュアルFET+カスコード回路、2段目にはフォールデッドカスコード回路とカレントミラー回路を組み合わせた回路。最終段はコンプリメンタリーSEPP出力です。全段でミラー効果をなくして高域特性を改善しています。
電源の理想を追求した高速・低インピーダンス安定化電源回路
安定化電源のインピーダンス特性
プリアンプの電源には新開発の超高速低インピーダンスの安定化電源回路を搭載しています。 出力インピーダンスは約10mΩと小さく、通常のアンプで用いられるツェナーダイオードによる簡易安定化電源の100倍の安定度を誇ります。 しかも20KHzにおいてもこの性能に変化はありません。実際のアンプにおける使用状況下での電源電圧変動が1uVと、ノイズレベル以下を実現しています。この安定化電源の採用により、圧倒的な高解像度と優れたSN比などに貢献していると考えられます。
オーディオ専用部品を惜しみなく投入
アンプの部品には独自にパーツの電気特性を測定・解析することにより、最適なものを選択して用いています。たとえばコンデンサについては高周波領域のインピーダンス特性を測定し、電気的な裏づけを元に選別したものをアンプ、あるいは電源回路に採用し、さらに電気特性を測定して最適なものを選ぶという作業を繰りかえして検討を重ねています。抵抗、カップリングコンデンサ、電源用バイパスコンデンサなど、各要所に最適化された高級部品を惜しみなく、効率的に投入しているのも特長のひとつです。
安全性を高める新開発・高性能保護回路
プリアンプの回路だけでなく保護回路にも先進の機能を搭載しています。 接続ミスなど不慮の事故の際にもパワーアンプ、スピーカーシステムへのダメージを最小限にするように、規定の出力を超えた場合は瞬時に出力を遮断するようになっています。 もちろん、電源投入時のミューティング機能と電源OFF時の瞬時遮断の機能もありますので、仮にパワーアンプをONのままプリアンプの電源をON-OFFしてもノイズは発生しませんし、誤って電源コードを引き抜いた場合でも瞬時に出力を遮断するなど高価なオーディオシステムへのリスクを最小限にする配慮がなされています。
内部配線
プリアンプの入出力端子部およびアンプ基板間の配線には、音質劣化の要因になるプリント基板配線を用いずに、あえて手間のかかるシールド線又は金メッキOFC単線による配線を行っています。 さらに配線長が最短になるように入力切替スイッチを後部に設ける工夫がしてあります。
アッテネーター(オプション設定)
音量調節器には良質のボリューム(アルプス製27型ボリューム)を標準としていますが、オプションとしてセイデン社製の34接点アッテネーターを搭載することができます。 このセイデン社製のアッテネーターはLパッド方式(常に抵抗2本を選択する方式)で、使用抵抗はオーディオ用に開発されたカーボン抵抗です。 スイッチ部もすべて非磁性体からなる高剛性構造で非常に信頼性の高いものです。
イコライザアンプ
イコライザアンプはアンプ回路の音質が最も影響しやすいデリケートな部分です。本イコライザアンプの音質はレコードから全ての情報を引き出し、楽器の音が綺麗に分離されます。また過度応答が良いためスクラッチノイズが目立たなくなったという声も頂戴しています。 MMカートリッジのみの対応となりますが、MCカートリッジを使用される場合は適切なヘッドトランス又はヘッドアンプを用いればもちろんご使用していただけます。
また正確なRIAA特性を得るために、シミュレーションを重ねて回路定数を決定し、使用するコンデンサも容量を測定して偏差1%以内のものを選択しています。 結果RIAA偏差は実測で0.15dB以内に収まる実力を有しています。
5mm厚アルミフロントパネルを使用したシルバー基調のデザイン
フロントパネルには5mm厚のアルミを使用し、ヘアライン加工、シルバーアルマイトを施しています。 またツマミにもアルミの削り出しを使用し、操作感を高めると共にシルバー基調の落ち着いたデザインに仕上げております。 またケース天板はブルーメタリックの焼付け塗装仕上げにより、落ち着いたモダンな色調となっております。
信頼の検査データ付き
オーディオデザインのプリアンプは単に高性能を謳うだけではなく、すべての製品について実測データをお付けしています。 謳っている高性能が単なるお題目ではないこと、製品の品質に自信があることの証です。
(2010年受注分より添付特性検査表の内容を変更いたします。特性が非常に安定しているため、例示のスポットデータのみの添付となります)
プリアンプDCP-105シリーズ/仕様
入出力部 | |
入力 | Line 3ch(x2)RCAピン(アンバランス) Phono 1ch(x2)RCAピン(アンバランス)(DCP-EF105) |
出力 | 2ch同時出力(x2)RCAピン(アンバランス) |
フラットアンプ部 | |
利得 | 16dB |
最大出力電圧 | 20V(10KΩ負荷) |
入力インピーダンス | 47KΩ |
出力インピーダンス | 50Ω |
歪率特性 | 0.001%(20-20KHZ,Typ.)/保証値0.002% |
周波数特性 | 5MHZ(-3dB,Typ.) |
SN比 | 112dB(@2V出力,IHF-Aフィルター) |
イコライザアンプ部(DCP-EF105) | |
利得 | 37.5dB @1KHz (75倍) |
最大出力電圧 | 20V(10KΩ負荷) |
入力インピーダンス | 47KΩ |
出力インピーダンス | 50Ω |
適合入力 | MM型カートリッジ(MC型カートリッジにはヘッドトランス又はヘッドアンプが必要です) |
歪率特性 | 0.005%(Typ. @1KHz,@5V) |
RIAA偏差 | +-0.15dB(typ.), +-0.3dB(保証値) |
SN比 | 93dB (IHF-A, @2V出力) |
外形・その他 | |
寸法 | 436 (W) x 112 (H) x 305 (D) mm |
重量 | 6.6Kg |
付属品 | ACコード、使用説明書(保証書付)、試験成績書 |
保証期間 | 1年間 |
・電気特性は平均値です
・現モデルに天板のスリット穴はありません
外観
DCP-105シリーズ/製品ラインナップ
音量調節がボリュームのプリアンプ
DCP-F105VR 168,000円 (イコライザアンプ無し)
DCP-F105VR 218,000円 (イコライザアンプ有り)
音量調節がアッテネーター仕様のプリアンプ
DCP-F105(ATT) 224,000円(イコライザアンプ無し)
DCP-EF105(ATT) 274,000円(イコライザアンプ有り)
プリアンプDCP-105シリーズ/お客様の声・よくある質問
ご購入いただいたお客様の声を紹介します
A様
特に再生のむずかしいクラッシックのCDのホルンやバスーン等の再生周波数帯がビリつかないで点で良好(このアンプで聴くまではCDソースのビリつきだと思っていた)。 デバイスの使いこなしかバランス的に優れている点、低域の明るみが良かった
弊社コメント これまで西ドイツ製の定価40万円代のプリを御使用になられていました。今回弊社プリアンプと他社(海外製2種50万円クラス)とご自宅にて比較試聴された上でご購入いただきました。ありがとうございました。
B様
従来使用のプリ(海外J社)よりはるかに上品質。低域~中域~高域、すべて高分解能。 CDの音が昔のカセットテープからツートラ38に変えた位の音質変化!100万円以上するメーカー品でもこのプリには負ける。
弊社コメント 圧倒的な高分解能は弊社プリアンプの特長のひとつです。実際にお聞きになられて「驚いた」といわれることが多いです。お買い上げありがとうございました。
その他
・以前使用のL社プリよりもクラッシック全般音楽が楽しめます。
・ボリュームを絞っても音が痩せない
・低域のボンボンがぶんぶんに変わり、4348の欠点が改善しました。アナログレコードがこんなにいい音を出すことに今さらながら感心しました。
・高解像、歪率の少なさがとてもいいです。最近はなめらかさも増しているようです。
・圧倒的な高解像度。なめらかでクリアー。どこにも付帯音が感じられない透明な音。
よくあるご質問
Q:VR式のプリアンプを後からアッテネーターに変更できますか?
A:VRを後からアッテネータに変更することは可能です。アッテネーターオプションの料金+若干の工賃を頂戴します。
Q:VRとアッテネーターの音質差はどのくらいでしょうか?
A:VRとアッテネーターの音質差に関しては表現が難しいところがあります。一般にヘッドホンあるいは高能率SP(100dB/W位)をお使いの方はかなり違うとおっしゃいますし、差は少ないとおっしゃる方もいらっしゃいます。私自身の見解としてはVRの方が微かに音の厚みが失われるように思います。瞬時切り替え比較でかろうじてわかる程度で、部品を交換した前後で明確にわかるというレベルではないと思います。少しでもいいものをという場合にはアッテネーターをお勧めしますが、VRもそんなに悪いものではありません。ただお客様の満足度という点では(思い入れもあってか)アッテネーターで購入された方のほうがより高いというのも事実です。
Q:入力数を増やすことはできますか?
A:可能です。イコライザアンプ無しの場合はPhono入力用のピンジャック位置をライン入力として全部で4入力とするのが簡単です。イコライザアンプ有りの場合もライン入力を計4系統にすることができます。詳細はお問い合わせ下さい。
プリアンプDCP-105シリーズ/FAQ・関連トピック
オーディオ誌での評価
・オーディオアクセサリー誌,2009年秋No.134,「話題の注目モデル」p92-p93
・無線と実験2009年8月号,N01038,p14「MJズームアップ」(p14,15,16,17)
・オーディオアクセサリー誌,2008年秋号No.130,173頁,「話題のモデル集中試聴レポート」
・オーディオアクセサリー誌2009年夏No.133,p130「注目製品」
プリアンプ参考情報
プリアンプに関してお客様からのフィードバックです。ご検討の参考にしていただければと思います。
パッシブプリとDCプリアンプの位置づけ
弊社パッシブプリアンプ、DCプリアンプともに従来のプリアンプと入れ換えていただければほとんどの場合、音質は向上します。
DCプリアンプとパッシブプリの差はそれに比較すると小さいのですが、しいて言えば以下の点でDCプリアンプの方が優れています。
・DCプリアンプの場合出力インピーダンスが低いので、パワーアンプに依存せずに聴感上いい結果が得られる。(パッシブプリの場合出力インピーダンスが高いという性質上、パワーアンプによっては(パワーアンプが)高域で歪を発生する事があります)
・音に躍動感が出る。音楽の感動がDCプリアンプの方がなぜか深い(様な気がする)。
・DCプリアンプの方が全帯域で音にピシッと制動がかかったように聴こえる。
・ラインケーブルによる音質変化がなくなる。パッシブプリアンプを使用した場合ラインケーブルの音質差がわかる場合がありますが、DCプリアンプではラインケーブルの音質差を検知できたことがありません。
これまでパッシブプリかDCプリアンプかお迷いの方にはパッシブプリでいいのではと言う様なご案内を差し上げていましたが、長期間に渡り入れ替え試聴をしてきた結果、やはりDCプリの方が良いようです。 瞬時切り替え比較ではそんなに差が無いように聴こえるのですが、パッシブプリを長期に使用していて、DCプリに変えるとやはり少し音質のグレードが上がったように聴こえます。
バランスプリアンプとこのプリアンプのどちらを選べばいいのでしょうか
・バランス入出力が必須ではない方はこちらのプリアンプをお薦めします
・バランスプリアンプもこのプリアンプも音質的には(他社のプリアンプに比較すれば)同傾向の音質になっています
・バランスプリとこのプリアンプの比較では微かにこちらのプリアンプの方が音が伸び、響きは多く聴こえます。
・バランスプリの方が調整範囲が広いので(RCA/XLRの選択など)音質のバランスも取りやすいのに対して、このプリアンプでは他の装置DAC、パワーアンプ、SPにも相応の品質が求められます(ごまかしが効きません)。
弊社プリアンプの効果/良さが出にくい場合
残念ながら音質向上をあまり実感できない場合もあるかと思います。そういう試聴結果をいただくこともまれにあるのですが、次の様なケースです。
・再生装置に非常に癖のあるものを含む場合、又はプリアンプで音質調整をしている場合・再生装置のクオリティー上、メリットが小さい場合(10万円クラスのプリメインアンプのプリ部を入れ替えるなど)