プリアンプDCP-210/概要
バランス入出力に対応したプリアンプです。 バランス入力、出力に対応しているのはもちろんですが、新開発のアンバランスからバランスへの高精度変換回路を搭載していますので、高音質を保ったままの信号変換が自由自在です。また音量調節には新開発のアドバンスドLパッドアッテネーターを搭載しています。バランスを含めたあらゆる機器を自在に接続してオーディオを楽しみたいという方に絶好の1台です。
特長
1.バランスとアンバランスが混在するオーディオシステムで自由な組み合わせが可能。
・高精度なバランス・アンバランス変換回路を搭載しています
・RCA2系統出力なのでバイアンプ駆動が直ぐにできます
2.音質のチューニング範囲が広い
・フラットアンプをスルーするパッシブプリモード
・フラットアンプをバッファアンプとするモード
・高周波ノイズ除去モード
3.基本特性に優れている
・新開発アドバンスト・Lパッド型アッテネーター搭載(0-74dB, 1dBステップ)
・低歪率(0.0008%)、広帯域(8MHz)、高SN比(113dB)の超高性能
・こだわりのオールディスクリート構成(信号部)
・高速・低インピーダンス・低ノイズ安定化電源搭載
受賞歴
オーディオアクセサリー2013オーディオ銘機賞(プリアンプ部門)
ステレオサウンド2013年 ベストバイコンポーネント プリアンプ部門 50万円未満
プリアンプDCP-210/製品詳細
バランス入力、バランス出力を自由自在に組み合わせられるプリアンプ
・バランス・アンバランスのすべての組み合わせを最高の音質でお使いいただけます
バランス・アンバランスが混在しても大丈夫です。高精度で理想的な変換アンプを搭載していますのでバランスからアンバランス、アンバランスからバランスへの変換などあらゆる組み合わせが可能です。
お手持ちのオーディオ機器のすべての組み合わせが楽しめる非常に贅沢なプリアンプです。
また様々な組み合わせ試すことができますので音質調整の幅も広がり、より満足度の高いオーディオシステムの構築のお役立ていただけます。
触る機会の多いボリューム、操作性と音質の両立が大切です
・機能、操作性、音質を両立する同軸アッテネーター
プリアンプの大切な機能として音量調節があります。音質的にはボリュームよりもアッテネーターが有利なことはわかっていますが、これまでのアッテネーターでは広範囲に渡って細かく音量を調節することができませんでした。
オーディオデザインはこの矛盾を解決するために粗調整、微調整の2段からなる同軸アッテネーターを開発しました。0~-74dBという広範囲を1dBステップで調整できる贅沢なアッテネーターです。
また大きく絞った際のスイッチの接触抵抗の影響が従来のアッテネーターの1/10になる機構を有していますので音質的にもこれまでのアッテネーターよりも良い物になっています。
同軸アッテネーターの操作ダイアル 同軸アッテネーターの外観
微妙なチューニングが広範囲に行えます
・パッシブプリとして、あるいはフラットアンプをバッファアンプに
DCP-210は単にアンバランス・バランスの組み合わせが自在なだけでなく、アンプをスルーしてパッシブプリとして使用したり、フラットアンプをゲイン0dBのバッファアンプに変更する事ができます。様々な構成を試して自分に一番しっくりくる組み合わせを探す、これこそオーディオの醍醐味ではないでしょうか。
DCP-210でできる組み合わせはこれだけあります。その変更は例えばフロントパネルのスイッチひとつで出来ますし、音楽を聞きながら切り替えて頂くこともできます。
DCP-210で出来るアンプ構成
・お好み(preference)スイッチ搭載
バッファアンプの高域はMHz帯まで伸びていますのでCDプレーヤー/DAコンバーターの出力に高周波ノイズが含まれていると(含まれている場合がほとんどです)再生系において音を濁したりきつい音になる原因となります。 そこで有害な高周波帯のみを効果的に除去する"preferenceスイッチ"を搭載しました。
preferenceスイッチによる波形変化
左:straight
右:purified
(入力:CDプレーヤー,1KHz,-15dB)
・purified側に設定すると高周波ノイズが除去されます(波形線が細く見えます)
・上図の波形変化は比較的高周波ノイズが大きいCDPで測定したものです。この位高周波が出ているものですと音質も変わります(高音のキツさが改善されます)。
・purified/straightの音質差は良質なCDP/DACを使用した場合は非常に微妙なものです(ほとんどありません)。この設定で音質が大きく変わる場合は逆に入力側に改善の余地があることを示唆しています。
基本特性は一番の自慢です
・歪率特性
プリアンプでフラットアンプに相当するアンバランス・バランス変換回路部の歪率はゲインが0dB時で0.0008%、15dB時で0.002%と非常に優れた特性を示しています。
・ノイズ特性
SN比は0dB時で113dB、15dBゲイン時に110dB(2V出力A補正)と非常に良好です。
・過度応答特性
一般に測定系はアンバランスですのでバランスプリアンプと逆の基本構成でアンバランス-->バランス-->アンバランスというアンプを構成し、バランスプリアンプトータルでの過度応答特性を調べてみました。
結果は次の通りで、理想的な特性を示しています。
100KHz 1MHz
矩形波信号の出力波形
・高性能安定化電源搭載
DCアダプターとして市販しているDCA-5V/DCA-9V/DCA12Vはお陰さまで高音質な直流電源装置として定評を得ております。DCP-210ではこの定評ある高速、低ノイズ安定化電源を搭載しています。一般に電源に使用されている3端子レギュレータなどと比較してノイズが1/10レベル、10倍以上の高速応答性など優れた電源が高音質を支えています。
アンプ部の基本回路
アッテネーターの次段にはアンバランス信号をバランス信号に変換する回路がフラットアンプとして用いられています。この回路には以下のような特徴があります。
・アンプの回路には一般に2つの種類があります
一般にアンプに使用される増幅回路は次の二種類に分類されます。非反転回路は高性能が得られやすいためほとんどのステレオアンプにこの回路が用いられています。一方の反転回路は2信号を混ぜて同時に出力出来るのはこの回路方式だけであるため、ミキサーなどで用いられています。
非反転回路 反転回路
・今回使用したアンバランス・バランス変換回路
今回使用した回路は第3の回路方式とも呼べるもので、まず反転、非反転出力を同時に出力する回路を構成し、その反転出力から入力に負帰還をかける方式です。この回路は対称な+(Hot)-(Cold)の信号を生成するだけでなく、回路的に美しい回路で信号処理に無理がありません。

この回路方式は全くの新規回路ということではなく、これまでにも使用されている例はありました。ただ反転と非反転出力を同時に得るために多少複雑なNFBをかけますので、技術的には難しく、この回路方式を用いたからといって必ずしも良い特性が得られるわけではありません。回路ではなくその特性の完成度をもって良否を判断できるといえる回路です。
さらにこの回路は入力部の抵抗値を変えることによって容易にゲインを変えることが出来るという特徴を有しています。本機のゲイン切り替えはその特徴を活かして、0/15dBのゲイン切り替えを行っています。
・プリアンプ・ブロック図
入力部はRCAピン(アンバランス)入力3系統、XLR(バランス)入力2系統の入力端子を有しています。
出力部はRCA(アンバランス)2系統とXLR(バランス)1系統の同時出力になります。
すべての入力信号は一旦アンバランス信号に変換されアッテネーターに入力されます。アッテネーターからの信号出力はフラットアンプを経て出力されます。
プリアンプDCP-210/仕様・価格
プリアンプDCP-210/仕様
項目
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仕様
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入力
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RCA(アンバランス)3系統
XLR(バランス)2系統 |
出力端子
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RCA(アンバランス)2系統
XLR(バランス)1系統 並列同時出力 |
音量調節 (アッテネーター)
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0-75dB,1dBステップ アドバンスドLパッド方式
粗調整0,-6,-18,-36,-54dB微調整 0~-21dB/-∞、1dB step |
周波数特性
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1Hz-8MHz(straight)/1Hz-30KHz(purified) アンプゲイン0dB時
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全高調波歪率(THD+N)
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0.002% (gain 15dB, 2V出力)、 0.0008% (gain 0dB, 2V出力)
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利得
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0dB / 15dB
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SN比
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110dB(gain15dB)/113dB(gain0dB)@2V出力時 @1KHz, A補正
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大きさ
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355x86x243mm(WxHxD)、突起部ふくまず
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重量
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3.6Kg
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消費電力
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15W
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価格
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285,000円(税抜)
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付属品
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ACコード、取り扱い説明書(保証書付)
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保証期間
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1年間
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性能・仕様は断りなく変更されることがあります
プリアンプDCP-210/外観

外観

背面
プリアンプDCP-210/価格
285,000円 (税抜)
オーディオ雑誌での評価記事一覧
・無線と実験 2013年7月号 p13-p15「MJズームアップ」
2013年春号No.186,p370「話題の新製品を聴く」
"音のよさと使いこなしがいのある趣味性の高い設計におおいに感心"
2013年春号No.02,p73「注目新製品リポート」
"弱音部の微細な音や微かな残響成分も濁りがなく、とても澄みきっている"
2013年冬No.148,p154「話題のモデル集中試聴レポート」
"とにかく抜けが良く情報をそのまま出す印象"