ヘッドホンの歪率特性を計ってみました

先のブログの続きです。今度は歪率を計ってみましょう。
同じ計測系で音源をサイン波にします。周波数が高い方が差が出やすいので5KHzにしてみました。

以下結果を示します。

オーディオテクニカ
ATH-A700

ゼンハイザー
HD-595

AKG
K-702

Ultrazone
Pro750

AKGが飛び抜けて良いように見えますが、AKGのインピーダンスは62Ωと他のヘッドホンに比べて大きいので、アンプ(パソコン)からみて駆動が楽なため、良い結果になっている可能性もあります(結果的に音圧レベルの低い所で測定しています)。

きちんとしたヘッドホンアンプを使用して、音圧レベルを揃えて測定しないと本当はヘッドホン間の測定としては正しくありませんが、今回の測定はあくまで取っ掛かりとして見ていただければと思います。きちんと環境を揃えれば歪率特性も比較できそうだという程度で。

ヘッドホン祭当日の測定サービスは
・Rch周波数特性のみで歪率はなしで(歪率測定は設定変更のため混乱する可能性があるので)
・簡単なアンケートの記入(使用装置、現状の音質の感想など、個人情報は必要ありません)をお願いします
・結果は小型感熱プリンタに出力してお渡しします
という感じで考えていますので、ご協力お願いいたします。

ヘッドホンの装着時の周波数特性を計ってみました

以前コラムでにヘッドホンを頭に装着した状態での周波数特性を紹介しました。その方法は実際にヘッドホンを頭に装着した状態で各周波数の音を聞きながらアッテネータで音量を調節して一定音量に聴こえる様に調節し、アッテネーターの減衰値から周波数特性を逆算するというもので、聴感上正確である反面、測定の手間が大変でした。

ネットを見ていたら、もっと手軽に周波数特性を測定出来る、バイノーラル録音用のイヤホンマイクでヘッドホンのしている例があったので、今回これを試してみました。使用するのはこのバイノーラルマイクです。
ローランドのバイノーラル・イヤホンマイク CS-10EM
カナル型のイヤホンの上にマイクがついています。
仕様の説明ではプラグインパワー式マイクのためパソコンでは使用出来ませんとのことでしたが、実際にはRCHのみパソコンでもマイクが使用できました。

今回測定に使用したパソコンはモバイルのラップトップPCで内蔵のサウンド機能を使用しました。ヘッドホンアンプやサウンドカードは使用していません。

測定にはフリーソフトの音源(WaveGene)とスペアナソフト(Wavespectra)を使用しました。
いろいろと改良されていて以前よりも実用性が向上されていました。
FFTの解析点数は  で、100回の平均値を使用しています。最初のATH-A700の周波数特性のみサイン音源で他はホワイトノイズを使用して測定しました。(ホワイトノイズとサイン波の測定結果ははほぼ同じでした)
後でついでにTHDも計ってみたのですがこの時は5KHZのサイン波を使用しています。

測定は簡単なので、手持ちのヘッドホン(PureAudio用ではないものも含み)を片っ端から測定してみました。
結果はこんな感じです。

オーディオテクニカ
ATH-A700

高域がやや高めで聴感上の結果と一致しています。

ゼンハイザー
HD-595

なかなかいい特性です。3-8KHzがやや落ち込んでいますが、逆にこれが聴きやすい音になっているのでしょう

AKG
K-702

これも見事な特性です。高域が微かに落ち込むものの、ピークがほとんどありません。30Hz以下のピークは測定系による乱れでしょう。50Hzのピークも測定系のノイズ(ハム)です。

Sony MDR-XB300

これはほとんどおまけですが、エクストラバスと言っているだけあって低音の持ち上げ方が凄いです。このヘッドホンはパッドの部分に大量の吸音材が詰まっていて本当はエクストラバスではなくミニマム・トレブルなんですけどね。

Ultrazone
Pro750
これも特徴的な特性です。なんといっても15KHzあたりのピークが強烈です。耳に突き刺さる様な音の原因はこれだったのかも。低音域の200-300Hzあたりにやや落ち込みがあります。高域のピークと低域の落ち込みを補正したら、クセが消えて物凄くいい音になりそうな気がします。

以上ヘッドホンの周波数特性をバイノーラルマイクを使用して測定してみました。THDも測定してみましたが長くなりましたので、次のブログで紹介させて頂きます。

尚、今回使用した測定系を5月のヘッドホン祭りに持って行って希望者の方にはその場で測定できるようにしたいと考えています。
興味のある方は是非弊社ブース(905)にお立ち寄りください。

ヘッドホンアンプ試聴会(フジヤエービック主催)の報告

1/29に青山スタジアムプレイスで行われたフジヤエービックさん主催ヘッドホンアンプ試聴会について簡単に報告します。

試聴会概要
この会はヘッドホン祭りよりも規模的には小さく大きめの一部屋で行われています。
10時半開場で午後5時までほぼずっと人が着ていました。午後4時過ぎはさすがに人が少なくなりましたが、朝からずっといる人もいて精力的です。

評判
弊社のヘッドホンアンプDCHP-100は昨年秋のヘッドホン祭りに出展しているので、製品に対する評価も同じですが、(聞いた中で)これが一番いいといってくれる人も必ずいらっしゃるので、評判はいいのだと思います。
特に今回良かったのがHIFIMANのヘッドホンを持っている人。このヘッドホンは感度が低いのでヘッドホンアンプの差が相当出るらしいです。

感想
これ言っていいんでしょうか?
ヘッドホン祭りもDAコンバーター試聴会も来場者の方は同じ人が多いんです。ですので販売的には大きなインパクトはないかも。でもいつも貴重な意見を多くもらうのでやっぱり有意義、密度の濃い一日でした。

今回の発見
HIFIMANのヘッドホンを使用している人が増えていた。今まではウルトラゾーンの人が多かったのですが、今回HIFIMANを使用している人がちらほら。
今回弊社のブースでずっと聴いているお客様にHIFIMANのヘッドホンをちょっと聞かせてもらいましたが、「これは凄くいいです」。ウルトラゾーンの様なズシッと来る低音に加え、なめらかな中高音(ここがUZとの違い)、非の打ちどころがありません、素晴らしいです。ただこのHPは能率が低いのでアンプは選ぶそうです。確かに弊社のHPアンプでも私が通常使用するレベルより10dBは高かったような気がします。このヘッドホンは欲しくなりますね、どれか一つHPを選べといわれたらこれかもしれません。ただお値段がちょっと(とはいえ弊社のヘッドホンアンプより安いのですが)。ヘッドホンメインの人にはどうってことない値段かもしれません。

アクセサリー
今回新しく作って持っていったアダプターは事務所で試しているときはいいと思いましたが、会場の様なちょっとうるさい所では逆に高音がうるさいくらいの方がアピールするので、ちょっと不評でした。ヘッドホンを常用している人はどれだけ中高音がはっきり聴こえるかが重要な人も多いようです。

持参の曲
皆さんがもってくるCDはアニメの様なものがプリントされていて、曲もきたことがないような物ばかりアニソンとか声優の歌とかゲームの曲とかだそうです。Jazzとかクラシックなんて聴いている人は殆どいないのでは?というかんじでした。デモに使用したの曲をずっと聞き入ってこの曲何ですか?っていう人もいました。若い人もJazz等に普段は縁がないだけで聞けば結構気にいるみたいでした。

お客様は15歳
弊社に立ち寄っていただいたお客様(男性)の中で、話をしていたら高1(高校1年生)だという人がいて驚きました。話がはずんで、いつのまにか人生のアドバイスをしていました。

写真を取っておいたのですが、フラッシュメモリが壊れて読めなくなりました。ということで画像はありません(スミマセン)。

ヌード撮られちゃいました

無銭と実験(MJ)というオーディオ雑誌がありますが、これは定期購読しています。
今月、そのMJの11月が送られてきたので、封を開けてみたらびっくり、なんと弊社のヘッドホンアンプが表紙を飾っているではありませんんか、それもヌード(フタを開けた状態)で・・・中も丸見えです。

評価用デモ機を出していたわけですから、記事にしてもらえることはわかっていました。いつも最初のカラーのページで詳しく取り上げていただけるので、ありがたいと同時にこちらとしてはドキドキなのです。いつもページを開く際にはある種、決心してから開くのですが、今回はページをめくるまえに驚いてしまいました。今回はデモ機の返却にいつもより時間がかかっていたので、何かいつもと違うなーとは思っていたのですが・・・・。

でもやはりプロの撮影は綺麗です。照明のあて方、アングル、右端カットしているところなどさすが素人とは違います。記事の写真も弊社のホームページよりも詳細でおそれいります。記事は今回角田先生に書いていただいていますが、正確にかつ好意的に書いていただいていてありがたい限りです。

ヘッドホンアンプについて一言
音質は記事の通りで、ソースの音がそのままストレートに出ます。スピーカーに比べてヘッドホンは非常に細かな音まで聞こえ、低音もすっと伸びた感じに聞こえます。弊社のヘッドホンアンプはそのヘッドホンアンプの音がさらにヘッドホンぽくなったといいますか、より細かな音まで聞こえてしまいます。音の静寂感みたいなものも増します。

相性の合うヘッドホンとしてはもともと低域に量感のあるタイプだと思います。モデルにもよりますがデノン、ゼンハイザーみたいな方向が合うと思います(AKGもいいですけどね)。逆にもともとシャカシャカ聞こえているものはかえってうるさくなってしまうかも知れません。

フジヤエービックさんにデモ機がありますので試聴して頂くのがよろしいかと思います。

それと今月29日はヘッドホンショーですのでそちらでも聞けます。今回場所が以前と異なり8FホールBですのでよろしくお願いします。

ヘッドホンアンプの解説

ヘッドホンアンプDCHP-100の解説をしたいと思います。

6/24(金)のフジヤエービックさんのフジヤTV(月1度のストリーミング動画)に出演させていただきました。

今回撮影機器のトラブルでPCの内蔵カメラで生放送しています。当然ZOOMもできませんしカメラアングルを変えることもできず、多少見づらい点もあるかと思いますがご容赦下さい。

ヘッドホンアンプの紹介をパネルを使用して説明させていただきましたが、分かりづらい点もあったかと思いますので、ここで改めて説明します。

スライド1
(クリックで拡大します)
ヘッドホンアンプの特徴は
1.アッテネーター
2.ヘッドホン駆動アンプ回路
3.電源

ということになります。

スライド2

DCHP-100はアッテネーターを採用しています。アッテネーターにもいろいろ有りますが、常に2本の抵抗を選択するL-Pad型というものが一番高級とされています。L-pad型は抵抗の数も多く、またスイッチの回路数も多くなりますので構造的、コスト的には大変大掛かりなものになります。今回DCHP-100に搭載したアッテネーターはL-pad型をさらに進化させたものです。音量の可変範囲が大きく、調整間隔も小さいのが特徴です。加えて音量を絞った際にスイッチの接触抵抗の影響を(-40dB時で約1/10に)低減できるのが特徴で絞れば絞るほど違いが出てきます。

内側のツマミで使用領域を設定し、外側のツマミで微調整を行うという2段階になっています。従来のボリュームがゴーカートのアクセルとすれば今回のアッテネーター5段変速付きのアクセルと例えることができます。

スライド3

ヘッドホンを駆動するアンプ回路は専用にバッファ回路を設けています。ヘッドホンは丁度アンプとスピーカーの中間程度の負荷の重さといえます。一般に負荷が重いほど音質は低下しやすく、ヘッドホンアンプはプリアンプとパワーアンプの音質的には中間に位置すると考えていいでしょう。ただヘッドホンは音質変化に敏感なので僅かな音質劣化もなくしたいところです。

そこでアンプ回路よりもより性能が出やすいバッファアンプを専用設計して搭載しました。このばバッファアンプはアンプというより伝達回路でゲインはありませんが、歪、SN比の点で通常のアンプ回路よりも優れているものです。

ヘッドホンアンプには信号を増幅するフラットアンプも備えてあり、ゲインが足りない場合はフラットアンプを経由して聞くことも可能です。

それとスライドにはしませんでしたが、電源には高速、低ノイズ、低インピーダンスの安定化電源を採用しています。この電源は通常アンプに使用される電源よりも一桁向上している優れもので、DCアダプターとして別売しているくらいです。

以上ヘッドホンアンプの3つの特徴を説明させていただきました。