ハイエンドショウ東京2012の出展内容はこんな感じです

10/5(金)から開催されるハイエンドショウ東京に出展します。
場所は有楽町交通会館12FのCルームになります。ハイエンドショウは2010年秋の以来の出展になります。毎回の出展はいたしませんので、この機会に是非聴きにいらしていただければと思います。

今回考えている出展内容をご紹介させて頂きます。

出展内容

前回の様子
ちなみに前回の出展は2010年の秋のハイエンドショウでその時はこんな感じでした。

使用スピーカーシステム
今回JBLを2種類準備しました。
通常の部屋では4429でも十分ですが、ハイエンドショウの会場は壁が遠く低音が抜けてしまうので、38cm級スピーカーシステムもご用意しました。
別にJBLでなければいけないということでは無いのですが、今回はこういう取り合せということで。
JBL4429     JBL4700

展示機種
展示・使用する弊社製品は今回結構盛り沢山です。

イコライザアンプ
DCEQ-100(新製品)

(アナログレコードでの音出しは機材の関係で行わない予定です)

プリアンプ
DCP-200

パワーアンプ
DCPW-100

DAコンバーター
DAC-FA0

ヘッドホンアンプ
DCHP-80
DCHP-100

ヘッドホンアンプはデモ時間以外でも試聴可能です。今回秋のヘッドホン祭には参加しませんのでヘッドホンアンプに興味が有る方は是非こちらの展示会をご利用いただければと思います。

他に新製品としてプリアンプDCP-210、パワーアンプDCPW-200の2機種を展示いたします。
いづれもバランス対応のアンプで、展示するものはプロトタイプになります。
これらの機種では音出しはせず展示のみとなります。

尚、当日の展示内容に変更がある場合もございますのでご了承下さい。

直前になりましたらより詳細な情報もお知らせできるかと思います。

ご来場の際は是非弊社ブースにもお立ち寄りいただき、声をかけて下さい。
一同、皆様のご来場を楽しみにしております。

半導体メーカーに勝手に送るエール

オーディオ雑誌に紹介される際に半導体のプロが作ったアンプとか言って紹介される事がありますが、私が以前していた仕事はメモリーなどの微細加工技術の開発で、オーディオアンプはもちろん電子回路とはまったく関係ありませんでした。ですのでアンプの知識などは業務としてではなく独学(趣味の延長)で習得してきました。もっとも電子工学を専攻したのは中高生の頃にステレオを作っていたからなので、オーディオの影響があった事は間違いありませんが。

ところで最近日本の半導体デバイスメーカーは非常に苦戦していますが、ニュースの記事などで報じられている原因はちょっと違うのではないかと思います。
、この辺にコメントさせて頂いて、同時にこの業界の人に勝手にエールを送りたいと思います。
(すでに半導体メーカーをやめて8年になりますので、ずれている点もあるかもしれませんがその点はご容赦下さい)

半導体メーカーが苦戦しているのは、もちろん
1. 世界的不況
2. 歴史的円高
3. 日本企業の経営者の質
にあることは間違いありません。ただ日本の半導体メーカーの苦戦に関してはこれ以外に本質的な理由があると思います。

それは
4. 開発した技術を囲い込みできなかった(その必要も無かった)こと
半導体を製造するのは半導体メーカーですが、それには半導体装置とそれに使用する材料(化学薬品、原料)が必要です。半導体デバイスの装置(装置メーカー)、材料(化学メーカー)は3,4年の世代毎に新しいものが開発されており、これらの最新装置・材料を使用すると、より高性能で安価なデバイスが作れるようになります。これらの装置、材料の開発は半導体メーカーと共同で行うので、本来であれば開発した装置・材料は関わった半導体メーカーも知財権を権利化したいところなのですが、特定の半導体メーカーが装置の特許に入ると装置メーカーが他の半導体メーカーに販売できなくなるのでこれを嫌って、装置の知財権は、装置メーカーだけが握っていました。半導体メーカーは最先端の装置を真っ先に納品してもらうというメリットを受けることで良しとしてきました。それで十分業界の優位性がとれたので、それはそれでよかったのです。少なくとも当時は。

もう一点、苦戦の理由は
5. 物理的に限界に来たので技術開発で優位性をとれなくなった
という点があると思います。

これまで半導体産業は超先端技術を開発してきてきました。これほど難しいことをやってのけてきた産業は他に類を見ないほどだと思います。
例えば微細加工技術で言えば30年前のメモリーの配線幅は3ミクロン程度でしたが現在では0.1-0.05ミクロン程度で1/50位になっています。1世代で0.7倍の縮小化を3,4年毎にこれまで続けてきたのです。
この分野では常に革新的な技術開発がされ、
例えば露光波長でいえば

1.水銀灯g線(436nm)
2.水銀灯i線(365nm)
3.エキシマレーザー(クリプトン・フロライド・ガス)KrF(248nm)
4.エキシマレーザー(アルゴンフロライドガス)ArF(193nm)
5.エキシマレーザー F2(153nm)
6.EUV(13.5nm)

と進歩してきました。

3のレーザー光などは機械加工でも用いられるレーザーですが、レンズも材料が限られるためガラス材料から開発し、難しい収差補正もしなければなりません。さらにレジストと呼ばれる感光性化学材料も専用のものを業界を揚げて開発しました。鉄が切れるほどの短波長ですから透過する有機材料を探すだけでも至難の業でした。原理はプリント基板を作るのと同じですがプリント基板の配線数万分の1の配線幅を形成するためにウルトラC 級の技術がいくつも開発され続けてきたのです。
また波長だけでなく露光に用いるマスクもその振幅と位相を制御するなどして微細なパターンを作れるようにしてきたのです。

この辺の開発は「もうこれが限界だ」と思われてもいつもあれよあれよという間に新しい技術が現れて、進化を止めることは無かったのです。その最先端装置・材料を使用すればより高性能なデバイスができるので日本の半導体メーカーは技術的な(+経営的)優位性を持っていました。

ところが、いよいよもってつまづいたのが5のF2でこれが約10年前の出来事でした。それでも他の技術の進歩で微細化は進んで来たとは思いますが、ケチの付き始めはその辺でした。今ではひとつ飛んで6のEUVが研究されているのかもしれませんが、これは別名軟X線で一筋ならでは行かないのです。

微細化が行き詰まると、他のどちらかというと汎用デバイスを作ってきた半導体メーカーと作れるものの差がなくなってきてしまいます。台湾、韓国の方がコスト的にははるかに競争力がありますから、そうなってくると日本の半導体メーカーは非常に苦しくなってくると思います。もともと台湾、韓国(今では違うと思いますが)は自国で開発はせず、装置や材料を日本から買ってデバイスを作って来ました。(ちなみに装置メーカー・材料メーカーというのは台湾韓国にはありあせん。)ただ装置や材料があっても製造のノウハウが無いと作れないので、昔は日本の技術者をそっと呼んで何とかしてきたのだそうです。20年くらい前(相当の金額を積まれて)週末に海外に呼ばれていくエンジニアがいるという話はありました。
当時は日本がぶっちぎりだったのでそういった技術の流出にはだれも問題視しなかったのだと思います。

こうして見ると日本の半導体メーカーが苦しくなってきたのは、原理的にそうなるメカニズムがあり、いわば金鉱脈は掘り尽くしてしまったと見ることもできます。今考えればあの時こうしておけばという事は言えますが、当時そんなことはわかるわけがありませんし、わかっても対応の取れる人材(経営者)はいませんでした。
今となっては何十年間も産業として成り立ってきたことに感謝するべきなのかもしれません。

そうはいっても半導体産業がなくなるわけではないのでやり方によっては儲かるようになるかもしれません。
日本のメーカー(メーカーにかぎらず)はこういった転換点にたった時、何もできないのは国技みたいなものなので、しばらくは苦戦すると思いますが、また形を変えてスタートラインにたてば、ぶっちぎりの強さを見せるようになるかもしれません。

会社が外資系になってかえって効率的に業務が進んでやりやすくなったりすこともあるでしょうし、またこの機会に転職された方は新しい分野できっと活躍されることと思いますし、
辞めたばかりの方はしばらくゆっくりされるのもいいと思います。
一度大企業に入ると、実際問題としては辞めることは非常に難しいのですが、今回辞められた方は一つの良い機会をもらったと見ることもできます。

ヨーイドンで何かを始めれば日本の企業は計り知れない強さを持っているので、また何らかの形でぶっちぎりの姿を見せてもらいたいと思っています。

最近のオーディオデザイン

残暑お見舞い申し上げます。

本当に暑い日が続きますね。外で仕事をする方などは本当に大変だと思います。

ブログでの近況報告もとんとご無沙汰しているので、近況とイベントなど紹介したいと思います。

7月あたりはボーナス時期の影響か、お陰様でアンプ類の注文がどっと来まして、これまでてんてこ舞いでしたが、ようやくほとんどが出荷できて通常の状態にもどった所です。

これからのイベント

ハイエンドショウ東京
10/5-10/7に有楽町で開催されるハイエンドショウ東京に出展します。2010年の秋以来の出展となります。この展示会には1年おき位の頻度での出展を考えていますので、弊社のアンプの音をお聞きになりたい方、実物を見てみたい方、ちょっと聞きたいことがある方など是非この機会をご利用下さい。私も皆さんの声を聞けることを楽しみにしています。
2010年秋のハイエンドショウの展示の様子

2010年秋のハイエンドショウの様子

ヘッドホン祭り
今年秋のヘッドホン祭りはいったんお休みさせて頂きます。今週末のDAC祭りも遠慮しておきました。ハイエンドショウは準備も含めると弊社にとっては大変なエベントで、今回からヘッドホン祭りが土日の2日間になったこともあり、ハイエンドショウ1本に絞りました。弊社の場合イベント時には会社勤めの家族もかり出しているので、1ヶ月に2週のイベントというのはちょっと無理なのです。

今年のイベントはこんなところです。

ヨーロッパのコンサートホールのまとめ

今回ヨーロッパのコンサートホールの音質を聴いて来ましたが(たった3つですが)、ここでそれらををまとめてみたいと思います。普通コンサートを聞く際は演奏と指揮者について注目して鑑賞することが多いのですが、この場合は聴こえてきた音をコンサートホールの特徴として捉えています。まとめるとこんな感じになります。

コンサートホール/音響効果の評価一覧

ホール音色音量帯域バランス音響効果の総合評価
スメタナホール4.5555
ベルリン・フィルハーモニーCH33.533
ゴールデンホール(楽友協会)54.555
日本で音が良いとされる六本木のホール2212
評価基準楽器の音色がどう聞こえるか観客席で聴こえる音の大きさ高音・低音の音のバランス左3つを勘案した総合評価

今回聴いた中で音の良いコンサートホールは単純な直方体の形をしたホールで、反対に演奏者の後ろに壁が無いホールは音質的にはいいところがありません。単純な直方体のホールの中でもゴールデンホールは楽器の音色がほんとにいい音で聴こえるのですが、何故そうなるのかホールの形状からはわかりませんでした。

その他思ったこと

1.積極的に売らないと駄目なのでは?
コンサートホールの音響効果と直接関係ないのですが、ウィーンでは音楽を観光産業として考えているように思います。コンサートホールの前には日本のダフ屋みたいな感じの人がモーツアルト時代の格好をして「お兄さんチケット買わない?」って日本語で言ってきますから。この人達は違法な販売員ではなく、どうどうとチケットを勧誘・販売しているのです(おそらく主催者側が営業の一環としてやっているのでは)。
日本の場合はクラッシックの場合はプライドが高いからか特に営業活動をしないで(少なくとも普通の人には届いていない)、売れない売れないといっているように思えます。音楽の都ウィーンですら積極的に営業活動をしているのですから、日本ではそれ以上に売る努力をしないと売れなくても当たり前なのではないでしょうか?(同様の状況のオーディオ業界のお前が言うなって声も聴こえますが・・・)

2.ホールが良ければクラシックファンも増えます

それと、今回非常に印象に残ったのは、スメタナホールやゴールデンホールなどはホールの音質が非常にいいので、音楽に興味の無い普通の人でも一度行けば「ああいい音だった、また行きたい」と思えることです。クラッシックでは特に演奏家と指揮者が着目されてホールのことは2の次3の次ですが、私に言わせてもらうと音質的には一番重要なので、ホールとはあるいは聴衆に実際にどの様な音が届いているかということにもっと着目してもらいたいと思います。この点(ホールの音質)が日本とヨーロッパでは環境がまったく異なると思うのです。日本のクラシックコンサートで正直音自体にに感銘を受けたことはほとんどありません。家でCDを聞いていたほうがいいくらいです。(以前ブログでそう言ったら、お前はクラシックを知らないからで、もっと音楽を勉強しろって言われましたけど・・・)。やはりコンサートホールの影響というのが非常に大きいと思います。スメタナホールやゴールデンホール並の音がでるホールが東京にあれば、クラッシックファンは何もしなくても自然に10倍以上に増えるのではないかと思います。まあサントリーホールの音質が良いとかいう人が多い(?)現状のままでは音質の良いコンサートホールは日本には出現しないと思いますが。

3. アンコールは必要ないのでは?
基本的にヨーロッパのコンサートではアンコールはほとんどありませんでした。実はもうひとつ観光客向けのコンサートにウィーンで行ったのですが、そこは演奏もホールもそして観客マナー(ほとんどが観光客)も今ひとつだったのですが、そこではスタンディングオベーションでした。要するに普段聴かない人が余興として聴くとそうするのが礼儀みたいに勘違いしているのではないでしょうか?
日本のコンサートでもアンコールを5,6曲やっていることもありますが、これはまったく必要ないというかやらない方が(そういう習慣は無くした方が)いいと思います。いい映画をみて感動した後にもう「一本ショートストーリー上映して」とか、コースの料理を食べた後で「おいしかったのでもう一品出して」とか言ってるようなものでまったくもって変な話です。交響曲などはそれだけで完成されているので終わったあとに余計な音は聞きたくありません。日本ではアンコールをしてもらうのが礼儀みないな雰囲気がありますが(検索するとクラッシック鑑賞のマナーみたいに書いてあります)、これはまったくおかしな話だと改めて思いました。まあ私一人が思ったところで変わるわけはないのですけどね。

ヨーロッパのコンサートホールで音楽を聴いてみた(3) -ウィーン楽友協会(ゴールデンホール)-

3つ目のコンサートホールはオーストリアのウィーン楽友協会(ゴールデンホール)です。
ここは音質が良いコンサートホールとして知られているようです。ほんとなのでしょうか?(それを自分の耳で確かめるのが今回の目的です。)

<日時・場所・曲目>
7/2(月)ウィーン楽友協会(ゴールデンホール)
演奏:ウィーン・モーツァルト・オーケストラ

曲目:
モーツアルト KV527、622,588,525,331、492、550、621、620
チケット代:89ユーロ(約9000円)
シート:9列目(前方の真ん中辺)
構成:
ベース1本チェロ3本バイオリン10くらい他と比較的小編成です。ほんとはフルオーケストラのものを聴きたかったのですが、日程の都合もありますので・・・。

観客:
40%くらいは中国人観光客(ツアーバスでやって来ています)、正装した人はほとんどいません、というよりほとんどが観光客です。冷房があまり効いていないので暑いです。

<ホールについて>
外観はヨーロッパの典型的な建築物という感じで重みがあります。
ウィーン楽友協会の外観

中に入ると、ほんとにゴールデン。日本で言うと金閣寺みたいなものか(もっと派手ですけど)。

前方を見るとこんな感じ(金ピカ)

天井も金におまけに絵まで書いてあります。バチカン宮殿程ではないにしても演奏会場にここまでする必要があるのかなって思うのは平民の考え方なのでしょうね。貴族の発想はわかりません。

天井もゴールデン

後ろも金

横も金、おまけに柱に必ず像がくっついています

各ホールのマイクセッティングも興味があったのですが、ヨーロッパでは前方位置の上方にケーブルを横にはわせて、小型のマイクを垂れ下げるのが普通みたいですね。
ホール前方の上方には横方向にケーブルがはられていてマイクが垂れ下がっています

観客が入ってくるとこんな感じです

<ホールの音質>
バイオリンの音が柔らかい。ふわ~とした感じで音が出てきます。こういう音の出方は聴いたことがありません。音量はスメタナホールほどは取れていないものの、大きい方に入ると思います。弦楽器の音色がとにかく心地よい。繊細さと柔らかさが両立している様な音。この音色は強いて言えば高嶋ちさ子さんの「around world」の音色に似ているかもしれません(あれは確かプラハの元レストランで収録したと思います)。ある条件が揃うとこういう音になるのかもしれません。こういうフワーとした音はオーディオ的には迫力がないという人もいるかも知れませんが、私は非常に心地よいいい音だと感じました。
それにピチカートがやはり非常にいいです。ズンズンと力強い、厚みのある音がします。

途中ソプラノ歌手の歌声もあったのですが素晴らしく声が通ります、歌手がうまいのかホールがいいのかわかりませんが、おそらく両方でしょう。ただどんなうまい人でもこういう音の響き方は他のホールでは無いのではないでしょうか。

やはりこのホールで感心したのは、スメタナホールと同様に木管楽器でクラリネットが素晴らしい。ソロで吹いているパートがありましたがクラリネットネットのソロで十分聴かせる事ができます。音そのものも大きいですし、音色の良さ力強さもあるんですね、感心しました。

音量自体はスメタナホールの方が大きかったのですが(編成が違うことを差っ引いても)、楽器の音色がいいのはこのホールです。

残響はやや長めで残響成分が聴こえます。演奏中にシャンデリアが綺麗です。モーツアルトの曲は単調で飽きることが多いのですが、ここでは楽器の音色そのものが素晴らしいので十分最後まで飽きずに楽しめます。

もう一度言いますが、とにかく弦楽器が一斉に弾きだしたときのふわ~とした音の出だしが物凄くいい、音色に酔える。こういう音を聴くと誰でも「あークラシックっていいな~」と思うと思います。
もう少し音量がとれれば言うことなしですね。

#44でコントラバス1本の演奏がありましたがピチカートが1本なのに十分大きな音を出します。全体的に低音と高音のバランスが素晴らしいです。太鼓は結構ビシビシ響きます。

観客マナー
ただひとつ残念な事は観客のマナーが悪いこと。何しろ演奏中に携帯で写真を撮るのでピカー、シャッタ音が「ちろりん」、とうるさくて音楽に集中できません。まあこの演奏は観光客向けの演奏会だったようで、これを選んだのがいけなかったのかもしれません。

インターネットで楽友協会ホールを検索すると上位にこのモーツアルト楽団のページに来ますので皆さんも注意して下さい。