オーディオデザイン現在の装置構成

これまでもブログなどでこまごまとお知らせしてはいますが、現在使用している装置構成をまとめて説明したいと思います。

現在の構成はこんな感じです。

システム全景(フォノイコは雑誌取材で貸し出し中)

SPはDynaudioのConfidenceC4を手放して、中小型スピーカーを置いています。この大きさはダンボール箱の梱包で車に積みやすいサイズです。さすがにC4の様なオーケストラのスケール感は出ないので、将来的には30Hz以下の増強をしたいと考えています。804D3は多少エージングが進んでだいぶ聞ける音になって来ました。足元のスタンド設計して追加すればもっと立派になると思います。

スピーカーはPL-200と804D3

他にElacの330CEもあります。

アンプ類は当然自社製でDACはDCDAC-180とDCADC-200になります。200の方は実験的に中を相当いじっています。CDプレーヤーは東芝のSD-9500というDVDプレーヤーです。ハイレゾやHDCDをDVDaudioに焼いてハイレゾフォーマット(最大192kHz24bit)でSPDIF出力できる様になっています。

ファイル音源の再生にはAudirvana(MAC)を使用iPadAirで遠隔操作も可能

MACはNAS音源をWIFI経由で再生できている(と思う)

DACのUSB端子にはMACbookAirを接続しています。windowsはドライバーが必要であったり、更新に時間がかかるのでMACの方が手間をかけずに安定的に再生できます。MACに使用している再生ソフトはAudirvabaPlusというもので、Plusが付くと有償(74USD)ですがそれほど高くないのでお薦めです。Audirvanaは音質的にも優れていますし、プラグインで緻密にコントロールできるパラメトリックイコライザなどもあって便利です。音源はNASに保存されていてWifiでMAC接続されています。またipadAir(第5世代でAudirvanaの再生制御ができますので、選曲はソファでipadで行うことができます。

レコードプレーヤーはパイオニアのPL-50LⅡ(サブ)とヤマハのGT-2000になります。カートリッジは別のブログでも紹介していますが、現状一番手はGOLDRINGのEthosになります。

レコードの洗浄機はiqualのCleanMateとKirmuss Audio KA-RC-1を使い分けています。

左の超音波洗浄機KA-RC-1が一番汚れが取れます。手軽な洗浄はCleanMate

以上ざっと現在のシステムを紹介しました。

コロナ感染者数の対数グラフは語る   -爆発的増加ではなく、一定の倍率で増減してるだけ-

オーディオには関係ないのですが、最近気になることがあるので書いてみました。

コロナの感染者数が増えています。ニュースなどでは爆発的に増加しているので云々と連日報道されています。増えているのは間違いないのですが、ただ爆発的かというとそうではないと思うのです。

下のグラフは厚労省が発表している日本のコロナ感染者数の推移です。通常と異なるところは縦軸を対数スケールにしていることです。対数を取るということは何倍になっているかというスケールで示していることを意味します。また対数を取るという作業は工学では極めて一般的な手法です。

グラフは散布図でプロットし、近似線は指数関数です。第一波の場合1日で1.076倍(=e0.0733)に増えています。これは1週間で1.67倍、1か月で9倍に相当します。ちなみに現在の第3波では1日当たり1.039倍(=e0.0265)、1週間で1.3倍、1か月で3.1倍に増えています。緊急事態宣言などの事象は適当に過去の記事から拾って追加していますので、多少の間違いがあるかもしれません。
    (グラフは自由に(勝手に)引用していただいて構いません。)

グラフ化してみると明確なのですが、結果として対数を取ると感染者数の推移が増加の場合も減少の場合も直線になっているということです。これは感染者数の推移が常に一定の倍率で増減しているということを意味しています。

直線で表現されるということは、つまり今後の予想も簡単にできるということです。年末年始に特に増えたという報道がされていますが、そうでもないのです。直線より少し上に来ている部分もあるのでそういう要素も全くないわけではないのですが、全体から見れば一定の割合で増えているだけです。

また第1波と第2波の増加率(傾き)はほぼ同じなのに対して、第3波の傾きは半減しています。つまり増加率は半分なのです。絶対数が多いのでリニアのグラフでは爆発的という感じに見えますが、実際には従来の半分のスピードです。複利で増加するので急激に見えますが、あくまで一定の倍率で増加ということです。

第3波の傾きが半減している理由ですが、実際にコロナの感染スピードが落ちることはないので、おそらく全国に分散して時間的に離散的に発生しているので見かけ上傾きが半減しているだけだと思います。

さらに、感染者数が減少している期間がありましたので、この期間をもう少し長くすればもっと下のところ(例えば一桁下)で推移させることもできました。一言でいうと減少している抑制期間が短すぎるために増加を抑制できていないのです。対数グラフで見れば、抑制の期間と減少幅も明らかなので、是非この手法を活用してほしいと思います。

医療の専門家も意外と工学的な処理に疎いのかもしれません。こういった対数グラフを使えば今後の予想も、傾向の分析ももっと的確にできますし、対策の説得力も出てくると思います。報道なども単に煽るのではなく、工学的にまともな報道をして欲しいと感じでいます。

B&W 804D3を導入しました それでどうなの?

DynaudioのC4を手放して、B&Wの804D3を導入しました。大きさ的にずいぶんと小さくなりましたが、それが目的ですので・・・。C4の音は良かったのですが、自分で鑑賞するにはいいものの、展示会に持っていくとなるとえらいことになるということと、出た音がアンプのせいかSPのせいか聴いている人に良くわからないということで手放したのでした。

あたらしく導入するSPは、一人で持てる(30kGくらいまで)で、皆さんが(一番)良く知っているSPということになります。となると自動的にこれになります。アンプ製作のレファレンスSPという観点からは役不足と思う方もいらっしゃるかもしれませんが(私はそうは考えていませんが)、置く場所も限られれていますので・・・。

聴いてみた感想

まだ新品で鳴らし始めたばかりなので断定はできないのですが、現時点でのおよその感想を綴ってみます。

D3シリーズは出版社の試聴室や他の方のオーディオルームで800D3、802D3などを聞く機会は結構ありました。そこに設置されているアンプ類と弊社のアンプを入れ替えて試聴しますので、大体の傾向は把握しているつもりでした。その際はこのシリーズは(以前もそうですが)優等生的で癖のない音と感じでいました。ただ(小型ながら)このシリーズを事務所で聞いてみると結構印象が異なります。

804D3の中高域

このSP、一見癖が無いように見えて中高域に結構色付けしているなーと感じます。高域がほんの少しですがエッジを効かせてコントラストを強くしているような感じです。大きいSP(800,802)の時はあまり感じなかったのですがこのクラスだと低域の主張がないので、余計にそう感じられます。弦楽器の音がはっきりしていて、非常に乾いたような、粒立ち感の強い音です。ただ嫌味な感じではなく、あ、いいかもというところでとどまっているので非常に良い表現力とも言えます。写真でいえば、コントラストをフォトショップで嫌味の無い程度に強調して、きれいな写真に仕上がっているという感じです。時々聞きなれた楽曲でもハッとするほど(ちょっと色付けされてはいますが)リアル感があって、これは!と思う時があります。それと高域が解像度があるにもかかわらず、重みの様なものも感じられてハイハット?がチンチンではなくジンジンという感じで厚みのある点も美点です。高域の繊細さだけでいえばPL-200のハイルドライバーの方が上だと思いますが、PL-200の高域はいかにも薄い膜が振動しているという感じが否めないのです。

低域

低域は非常に過度特性が良く、たるみとかゆるみというものが全くありません。C4では低域は小気味よくスポンスポン出ていて、それが気持ち良かったのですが、こちらの低域は出ているんだけど、過度特性が良すぎて、まるで出ていないように感じる低域です。これはこれで気持ちいいのですが、いかんせん現時点では量と超低域への伸びが足りていません。聴感上40Hzでスパっと切れているような感じです。PL-200の方は低域の伸びは同程度でも、バスレフを結構効かせてパンチを入れているのでバランスが取れているのですが、こちらの804は低域が単になくなっちゃったという感じです。カタログスペックでは24Hz まで+-3dBといっていますが、ちょっとそれはどうかと思います。バスレフポートを2本にして、もっと低域の量感を増した方が良かったのではと思います。こちらの試聴スペースは18畳くらいのスペースですが、6-12畳程度の部屋なら丁度良いかもしれません。しばらくはツイーターのレベルを1-2dB落として使用してみようかと考えています。

フレーム

こちらではSPをちょくちょく移動する必要があるので、現時点ではスパイクを使用していません。付属スパイクにゴム状のものがあったのでとりあえずこれを使用しています。底面積が小さく足の取り付け部が内側にあるので現状非常に不安定です。PL-200は立派なフレームが付いているので安定しているのですが、804D3はフラフラです。150万円という価格を考えると、フレームが無いのはどうかと思います。そのうちに自分でフレームを作ろうかと思います。

最後に

難癖は付けましたが、最初からこの音というのは立派で、人気があるのもわかります。

展示会には(いつになるかわかりませんが)こちらを使用する予定ですので、その時に聴いていただければと思います。

その後の感想(2/6/21追記)

以上の話は導入直後の感想でした。その後強制的なエージングを行ったら印象が変わりましたので報告します。

エージングの方法

B&Wのスピーカーはこれが3台目です。エージングは普通に音楽を聴いているだけでは非常に時間がかかるので(10年かかることもある)、強制的にエージングしました。とはいえ大音量で行うと苦情が来るといけないので、ツイーターのエージングが肝心と狙いを定めて高域だけ頂戴音量にしました。スピーカー端子のHIGHだけつないでもいいのですが、それも面倒なので再生ソフトのAudirvanaのパラメトリックイコライザを使用して3kHz以上だけ再生して、通常の大音量試聴のさらに2-4倍の音量で音楽を1日かけ続けました。また高域の音量を下げるためにSPにクッションを被せておきました。

エージング後の感想

昼間1日ループで再生しておいてから普通に試聴状態に戻しました。するとだいぶ印象が変わりました。このスピーカーの固有音というか独特の硬質な癖が消えて、良いところだけが残った様に聞こえます。同時に高域の癖が取れたせいか、低域の量感も豊かに聴こえます。

このSPの高域はきちんと正確になる上に、楽器の鳴り物の厚みまで再現するような素晴らしさがあります。普通はチンチンと聞こえる音がジンジンと鳴っている真鍮の厚さがわかるような鳴り方です。繊細さ、強さ、清涼感といったものが両立(三立?)していて、これまでのドームスピーカーとは次元の違いを見せつけます。ダイヤモンドというのは伊達ではないかもしれません。ダイヤモンドといってもどうせなんちゃってダイヤと思っていましたが、調べてみるとCVDダイヤというのは共有結合のカーボンで天然ダイヤと同じ性質でした。ただ成膜速度が遅いので宝石などには向かない製法というだけでした。

ダイヤのツイーターとしては他にライド―の数百万円のスピーカーを聴かせてもらったことがありますが、こちらの音も高次元の音で類似していたかもしれません。

ということで、804D3は音質的には素晴らしいといえそうです。ただこの値段はそれでも高価ですし、台座が付属していないという欠点はありますが・・・。

また、状況・感想が変わりましたら報告させていただきます。

再度その後の感想 

フレームとして12mm厚アルミ板を底に固定してスパイクを設置したら見違えりました(3/29/21)

その後アルミ板をボルトで底に固定してスパイクで設置したところ、音が激変しました。低域が豊かになりその結果、高域の強い癖”あくが”目立たなくなった気がします。低域不足で迫力がなかったのが、それが全く気にならなくなり、鳴りっぷりも立派なものになりました。はきはきとした傾向はありますが、それはいい意味での癖となり、立派なバランス・音質になりました。今では低音の量感はむしろ十分すぎます。

ただ30Hz近辺の最低域が出ているかというと、そんなことはな

く、この辺を求めるには大型の機種が必要でしょう。

オーディオ機器開発にアナライザーのスペクトルを印刷したい、これが結構むずかしい!

オーディオ機器を開発する上で測定は欠かせません。最近の測定はオーディオアナライザーを使用してスペクトルを見ることが多くなりましたが、困るのはそのデータの印刷・保存です。

もちろんオーディオアナライザーから出力してパソコンに画像を取り込むことはできるのですが、その画像をさらにPCで印刷するのは大変ですし、後でどれがどの画像かわからなくなったりして、結局使わなくなりました。

次にその場でスマホで撮影し、WIFI経由でインクジェットプリンターから写真用紙に印刷してみました。これだとすぐに画像が撮れてノートに貼れます。ただこれだとノートがデコボコして書き込みにくくなり、やはり実用性はありませんでした。

一番手っ取り早いのが手書きでコピーすること。ただこれだといかんせん情報量が少ないです。(これを後で見て何がわかるの?)

もう一つの方法はスマホで撮影してWIFI経由でサーマルプリンターに印刷する方法。手持ちのブラザーのサーマルプリンターで印刷してみました。

一応スペクトルは見えますがいかんせん解像度が不足です。(目のテストでもしているのか?)

使用したサーマルプリンター、ブラザーQL-550.

これでも300dpiのプリンターなんだそうです。

ただ最近のサーマルプリンターを見てみると、解像度が良さそうです。そこでこのサーマルプリンターを購入して試してみました。このプリンターは乾電池駆動でwifi経由で印刷できます。それに印刷(通信時間)もかなり速いです。価格は8千円位。

その結果がこちらで、スペックはブラザー同じ300dpiなのですが、かなり鮮明になりました。これなら記録として使えそうです。このプリンター用紙にはシール式のものもあってさらに好都合です。

もちろん同様にオシロスコープの画面も記録できます。

ということで最近は製品開発のノートがこんな風にエレガントになりました。

ここ数年悩んでいた課題が解決できて、めでたしめでたし。

オーディオデザインの近況は出川です・・・

今年は新製品が間に合わなかった

今年も年末の各種グランプリの季節となりました。今年のオーディオデザインの新製品ですが、残念ながら新製品のリリースが間に合いませんでした。

今年はフォノイコライザーアンプをエントリーする予定でしたが、これが期限までに完成しなかったため、エントリーできませんでした。したがってオーディオアクセサリー誌の銘記賞、無線と実験誌のテクノロジーオブザイヤー、どれも新製品の入賞はなくなりました、残念。

フォノイコは難しい

新製品となるはずだったイコライザーアンプは7月の試聴会で試作機をお披露目し、その後製品のリリースに向けて開発を進めてまいりました。試作機ではアンバランス仕様でしたが、製品版ではバランス出力のフォノイコとするべく開発を進めてきました。単純に2チャンネルのものを4チャンネル化するだけですので簡単にできると思っていたのですが、これがなかなかどうして色々引っかかってしまって結局完成には至りませんでした。現状でも音はちゃんと出ていますし、音質も非常に良いです。ただスペック的にもう少し向上させたい部分もございまして現在も改良を続けているという状況です。

遅くとも年内には製品の仕様決めて最初の製品を出すくらいには持ってきたいと思っています。また製品が完成しましたら、コロナが蔓延していなければ製品発表会として試聴会を開催したいと考えていますのでもうしばらくお待ちください。

またフォノイコの開発経緯、概要についてもまとめて説明したいと思います。

テスト中のフォノイコ、音は抜群なのだが・・・
一歩進んで二歩下がる

心境として

という訳で新製品リリースが遅れて、「やばいよ、やばいよ」という状況ではあるのですが、逆に期限に間に合わなかったということで、今はあきらめがついて特に焦ってはいないのです。まあこういう年もあってもいいかと・・・それだけの(技術的な)実りはあったので。

他にもいろいろと開発を進めていますので、来年はその分たくさんの新製品を出したいと思いっています。