ヘッドホンショウ2011春のアンケート結果

ヘッドホンショウではアンケート用紙を(控えめに10枚くらい)用意してあったので、デモ開始から聞いてもらった人に感想を書いてもらいました。ご記入いただいた方、ありがとうございました。アンケートは午前中にすぐに無くなってしまいました。

アンケートの項目は
・音質
・デザイン
・機能/操作
の三項目で
大変良い/良い/普通/悪い
の4段階評価をしてもらうと同時に、コメントをご記入いただきました。
アンケートのサンプル数が少ないので、これだけで統計的に判断するのは危険なのですが、勝手にこちらが予想するよりははるかに正確なので、あくまで参考までに御覧ください。

結果は以下の通りです。
音質

音質の評価はこのとおり非常によかったのです。ここが一番肝心なところなのでほっと一安心です。

コメントとしては以下のとおりです(+は高評価、-はマイナス評価、+-はどちらでもないものを表しています)
+前回のパワーアンプの方が好みではあるが、現在市販されている他メーカーの製品よりよい。自宅の静かな環境でもう一度聞いてみたい
+耳障りな音がしなく音楽と素直に向き合える
+アタック感が非常に好印象です
+低音の豊かさ、空間の広がりがある
+-低音の質感はたいへん良い。高音は刺さる
+-音質としてもう少し硬い音の方が好みでした
+-上品すぎるかも知れない

ヘッドホンアンプの音質については非常に良い点数を貰っているのですが、その音質が硬いのか柔かいのか評価が2つに割れているのでよくわかりません。

デザイン

デザインは好みによって2つに分かれました。大変良いという人と普通という人、出展したものはまだ外観が不完全で印刷文字もなかったので仕方ないと思います。表面の仕上げなども製品版では微妙に良くなる予定です。少なくともこの表で0.5列分くらい山を右に動かしたいですね。もう少し頑張ってみます。

機能/操作

機能/操作に関しては皆さん音量調節のところにコメントしていただきましたが、全体としておもしろい、良いという方向にかたまっているので良かったのではないかと思います。
以下アンケートに記入されてコメントです。

+2段になっているアッテネーターは使いやすい。会場がうるさいためボリュームを上げぎみだったのでステップの細かさは十分に感じたが、静かなところで小音量で使ったときにステップが十分細かいと良い
+ボリュームが良い
+独特で良いです
+ボリュームがおもしろい
+-ボリュームが興味深い。もう少しじっくり聞き込んでみたい
+非常にボリュームダイアルの工夫が良いですGood!
+ボリュームが調整しやすい
-普通のすむーずに音量変化するVOLがよい
-D5000だしボリューム調整しずらい

それから、これも聞きたかった事項なのですが(お客様が聴きたいだけではなく、こちらも伺いたいのです)価格です。希望価格といって聞くと安くされてしまうので、逆に発売価格を予想してもらいました。
その結果がこちらです。

2山に分かれました。一つ目は15万円前後、2つ目が20-25万円程度。15万円というのは、ヘッドホンアンプの高級機が通常十数万円の物が多いのでこうなったのだと思います。もうひとつ20-25万円の山は、今回ノーヒントでご回答いただいたので弊社の製品価格帯から考えてこの位では?というのと、ヘッドホンアンプの最高額品はこの辺の物が多いのでこうなったのだと思います。

発売価格についてはこれらの結果も参考にしてじっくり考えてみたいと思います。

ご回答いただいた方、ご多忙のところ大変ありがとうございました。

ヘッドホン祭春2011出展しました

5/7(土)に開催されたヘッドホン祭春2011に出展して来ました。

全体の感じ
今年は昨年秋にも増して盛況でした。来場者数が3000人ということでしたが、ブースがたくさん出ているのですれ違うのが大変なくらいの混雑ぶりで、まるで縁日の様な人手でした。

開場前に撮った弊社ブース
右がオーディオPC、真ん中がDAC(下)とヘッドホンアンプ(上)

弊社出展ブース
今年はたくさんの方に弊社ブースにお立ち寄りいただきました。ご来訪の皆様には、混在の中お越しいただき本当にありがとうございました、心から御礼申し上げます。

今年の目玉はヘッドホンアンプでした。まだプロットタイプでしたが事前にアナウンスしていたこともあってたくさんの人に試聴してもらいました。

ヘッドホンアンプの一つの特徴はアッテネーターです、外観・操作方法も従来の物と変わっているので、ここの反応が一番気になるところでした。この部分の評価は最初戸惑って恐る恐る回してみるのですが、直ぐに慣れて「へエ~っ」ていう感じで大変好評でした。

聴いて貰った感想は2,3に分かれました。
[:びっくり:]聴いてしばらくの間固まってしまう。
聴き始めて3分間くらいじっと固まって動かなくなってしまいます。3分というのはデモの時間では長く感じます。デモ用の曲も編集してあるので2,3曲聞いている事になります。その後「これいいですねー」といってくれる人。これはうれしい評価です。、こんな感じで非常に良い評価をくれた人が結構いたので良かったです。

[:豚:]もう一つの反響は「これは他のとまったく違う」、「凄くまじめに作ってある」、or「性能がものすごくいいでしょ」、という微妙な言い回しの反響です。決してネガティブに感じているわけではないのですが、その場で結論付けられないという感じでしょうか?

その外、前回のパワーアンプの方がよかったという感想もないことはなかったのですが、全体的に高評価でした。

誌聴中の様子はこんな感じ

別の角度から

それと全体の傾向として午前中に(弊社を一つの目当てとして)来られた方よりも、午後にふらっと立ち寄って聴いていただいた方(弊社ノーマークだった方)の方がよりよい評価だったと思います。(期待がふくらんで来られた方はやはり評価もやや厳しいのでしょうか)。

デモの手際などについて
展示は2回目なので要領もわかっていたつもりでしたが、抜けていたのが持参してもらったCDの試聴方法。PCのCD-RWに乗せてでDVD再生ソフトで聴いてもらいましたが、普段はHDD,メモリーの音源を再生しているのでCDのリアルタイム再生はまったくチェックしていませんでした。PCを通常のCDPの様に使用した際は音源の音質がどうだったかよくわかりません。

ウルトラゾーンはほんとにウルトラなゾーンにいました。
今回非常に多かったのがウルトラゾーン(UZ)のヘッドホンを持って試聴にこられた方。しかも必ずケーブルがバランス仕様で、会場の試聴のために通常のPhone変換プラグをつけています(そうしないとほとんどのアンプが聴けないので)。前回はほとんどうちのブースにはいらっしゃらなかったと思います。今回は1/3もしくは午後に限ればHP持参の方の半分以上はUZ製だったかも知れません。
しかも(後から知ったのですが)edition7(?)とかいうもう売って無いけど40万円のものだそうで、通りがかった人が「あ、xxだ」って声をかけていくというしろものでした。
 UZでも人によっていろいろなモデルを使われていた様ですが、その中でedition9(だそうです)をちょっと聞かせてもらいましたが、これは他社の3万円くらいのHPと比較しても別格というくらいの音がしていました。何がいいかって言うと中低音で、締まっていて切れがあるのに温かみ、まろやかさ、厚みのようなものを同時に持っていて、こんな気持ちの良い低音はまず聞いた事がありません。
これだけで確かに何十万円だしても欲しくなっても不思議はありません。高音はどうかというと、私の好みからするともう少しおとなしくして欲しい。高音が悪いという事ではないのですが、高域までフラットに聞かせている感じで、スピーカーの近くで聴いているような帯域バランスでした。ただHPユーザーの方はどちらかというと高音をはっきり聞かせるタイプを好むので、これが普通なのかもしれません。UZの中低音で、高域がだら下がりかもう少しレベルが下がって聴こえるモデルがあったら個人的には理想です(そういうのがあったら教えてください)。
まあただこのヘッドホンはほんとにいい音だったので、こちらの趣味(感覚)をこのヘッドホンに合わせ様かなと思うくらい良かったですね(このドレスとってもいいけどサイズが合わない、着れるように痩せてみようみたいな・・・)。

ただHPメインではないのでこの価格では買えません。HPユーザーの人に言わせるとスピーカーはいいのは数百万円するので数十万円は高くないのだそうです。そういわれればそうなのですが。

余談ですが、普段スピーカーで音楽を聴いている人のことを「スピーカーの人」という呼び方をするので、あーなるほどナー「ヘッドホンの人」からみるとスピーカーで聴いている人の方が別の分類なんだなーって変な所に感心してしまいました。

ヘッドホン祭2011春に出展します

フジヤエービックさん主催の春のヘッドホン祭20115/7(土)に出展します。

ヘッドホンアンプ
今年はなんとヘッドホンアンプを展示予定です。今頑張って仕上げてますが、完成品とまでは行かずプロットタイプになります。

外観はこんな感じです。


出展予定のヘッドホンアンプ(プロットタイプ)
(文字印刷は間に合いません)

真ん中のボリュームのあたりが変わってますね、アップにするとこんな感じです。

なんだコリャと思われるかもしれませんが、新作です。0から-74dBの全範囲を1dBステップで変えられます。電子式ボリュームありません。L-Pad型アッテネーターをさらに進化させたものです。

写真が綺麗に取れすぎてますが実物はまだちょっと粗もあります。

肝心の音ですが、結構これがいいんですねー。ヘッドホンの緻密な音が正確に出るという特徴がますます発揮されます。
ヘッドホンは細かい音が正確に聴こえる反面、再生装置のボロまでわかってしまうとい事もあり、下手な再生装置だとそっちのボロの方がかえって気になってしまうということもあるのですが、これはかなりいけると思っています。ヘッドホンの場合はアンプの差が結構はっきり出るので(しかもスピーカーの様にセッティングに依存しないので)、アンプの作り甲斐もあるというものです。

現在ヘッドホンアンプは他のケースに組み込んであって、それぞれをこのケースに集合させる作業を行っています。大きなトラブルが無ければヘッドホン祭で聴いていただけると思いますので、こうご期待という事で。

ヘッドホンは前回お叱りを受けたので、今回まじめなものを持って行きます。

ゼンハイザーHD595
AKG K702
SONY MDR-Z1000

です。

ヘッドホンをお使いの方は是非聴きに来て下さい。

DCアダプターも展示(一部販売)します


それからDCアダプター(DCA-5V/12V)も展示します。
その場で販売もしようと思っていますが、在庫が少なくなりましたのでDCA-5Vのみ販売用もご用意できる見込みです。こちらの方もよろしくお願いします。

CDの録音って結構悪いんです -でもこんな事できます-

最近はハイリゾ音源とか言っていろいろな形で進化しつつあるように見えますけど・・・・これって結構すぐ飽きますよね。なぜかというと理由は簡単で好きな演奏者のものでは無いので、1,2回聞くともう飽きてしまうからです。あるいは一見(一聴)良さそうなので、頑張ってアルバム全曲(96Khz、24bit)を3000円も出してダウンロードしてみたけど、結局大してよくなくてそのまま聞かなくなるとか(CDと違って転売もできない)。
なんだかんだ言っても一番選択肢の多い普通のCD音源に戻ってきてしまいます。

ただCD音源は(結構音質がいいんじゃ?思っていたものでも)録音が残念なものが多いです。

今回はCD音源の音質をソフトの側から(音源の側から)よくしてみましょうという話です。

1.振り切れてしまっている録音
最初に凄い波形をお見せします。以前にEraというグループを紹介しました。こグループの「Mass」という曲、結構いいなと思っていたのですが、CD音源の波形を見てもうびっくり、というのもこんな感じだからです。

EraのMassという曲の波形(クリックすると多少見やすくなります)

波形の解析にはWavosaurというフリーソフトを使用しました。PCに保存したWAVファイルが簡単に解析・加工できる優れものです。これを見ていただけると直感的にわかると思いますが、もうほとんど振り切れた状態になっています。局所的に拡大したのがこちら。

振り切れてクリップしている箇所がたくさん

CDのWAVファイルはご存知の通りPCM音源で数字で最大値がきまっていますから、これはヴォリューム設定云々の話ではなく、録音時に既に振り切れて締まっていること言うことです。CDに振り切れているものがあるという話はどこかのホームページで見たことがありますが、てっきりJ-POPとか音質の悪いものばかりかと思っていたらJAZZ系統のものでも結構あるんです。他にも録音が良いといって紹介したケルティックウーマンでさえ局所的に振り切れているものがありました。

基本的に振り切れて締まった場合に、簡単に処理する方法はありません(知りません)。理論的にはこういった波形も復元処理するアルゴリズムはあり、測定器の解析技術などに実用化されているのでできないわけではないと思いますが・・・(今回はどうにもならないって事であきらめましょう)。

2.録音レベルが小さすぎるもの
もう一つの残念なモードは録音音量が小さすぎる場合です。クラッシック音源に多いです。クラシックはダイナミックレンジが大きいからそうなっているのでは?と思われるかもしれませんが、例えば交響曲全体をみわたしても録音レベルに6dB位余裕のあるものも多く、これは単に録音が適当なだけです。ただしこの場合は救いようがあります。実例を示しましょう。

これは以前にも紹介したことのあるジャック・ルーシェのデジタルプレイバッハです。全体的に録音レベルにまだ余裕があります。最大値で-4dB位です。これを処理してみましょう。

ジャックルーシェ・デジタルプレイバッハの1曲目

WavsaurにはNormalize機能があり、好きなレベルまで音量を拡大できます。ここでは次の様に処理してみました。

1.ディザを加えて24bit化
2.最大値が-0.3dBになる様に規格化

単純に拡大すると最小ビットあたりが怪しいので、一応ディザをかけて24bit化してから音量を拡大しました。その結果がこちらです。CDに焼く場合は16bitに戻してもいいのですが、普段PC音源で聞いているのでこのまま24bitにしてあります。

録音レベルを修正するとこんな感じになる、音質も良くなってGood!

聴いた感じ音質そのものもちょっとよくなった感じがします。何よりこういったCD音源は他のCDの後にかけると音量が小さくなって、結果的に音質的に聴き劣りしていた事が解消し、その都度音量調節する必要がないというメリットもあります。

オーディオ装置を改善する事もいいのですが、こういった音源側の工夫も結構効きますという事で。

先に紹介したクリッピングも将来何とかしたいなと考えています。

【追記】
その後Wavosaurにも使用できるVSTプラグインソフト(VSTというのはプラグインの共通規格のことです)の中にもクリッピングを補正できるものや、いわゆるDAWソフトにはクリッピング補正できるのが普通なのがわかりました(この辺まだ初心者なのですみません)。試用版で試したものもあるのですが、今のところどの程度クリッピングが補正できているのか不明です(効果がいまいちに見える)。
この辺も満足できる結果が出たらお知らせしたいと思います。

ヘッドホンの基本特性 -結構奥深いものなのね-

以前にスピーカーシステムに関してすばらしい本としてスピーカー・システム(ラジオ技術社)を紹介しました(ただしもう絶版なのでどうしても見たい方は図書館等を検索してください)。
この中にヘッドホンの動作に関しても一章さかれているので、その中からいくつかトピックを紹介します。

ヘッドホンの周波数特性
ヘッドホンの実測周波数特性はたまに雑誌などでも見る事がありますが、ヘッドホンの周波数特性は基本的にはこんな感じになってしまうそうです。
ヘッドホンの周波数特性は基本的にこうなります。

この測定ではマイクロホンを逆にイヤホンとして使用し、プローブチューブマイクロホンというものを人間の外耳道の入り口に挿入して測定しています。

低域が下がっているのは、なんと肌の弾性によってだそうです。年を取って張りが無くなった肌ほど低域が聞こえなくなるって事でしょうか(そりゃまずい)。高域の山谷は外耳道の共振によるものだそうです。

耳を近似したものとしてIEC標準の人口耳があり、測定にも使用されていると思いますが、単純な円筒形カプラーで測定した場合にヘッドホンに要求される周波数特性としては、次の様な特性が必要だそうです。

ヘッドホンに要求される周波数特性

低域を多く、高域を少なく、こういう周波数特性が必要という事はわかりました。でもヘッドホンでそんな事ができるのでしょうか?これ結構難しいですよね。この本ではさらに低域を盛り上げる方法として密閉型のチャンバーを利用する方法など理論的に記述されていました。他にも高域の下げ方もいくつか記述がありました。構造が単純なだけに周波数特性を調整するのに一苦労(というより苦労しても完全にはならないのかもしれない)ですね。

ヘッドホンって簡単な様で実は大変な世界なんですね。
イヤー、ホンと。