ロンドンでクラッシックを聞いてきた(その2)

9月にロンドンに行ってきましたが、ロイヤル・アルバート・ホールとバービカンホールでもコンサートを聴いてきました。

ロイヤルアルバートホール

こちらはコンサートホールというよりも、多目的ホールと行ったほうが良いかもしれません。日本でいうと武道館みたいな感じでしょうか。この季節はBBC PROMSといってヨーロッパ中で音楽祭をやっているのです。ロイヤル・アルバート・ホールでは連日クラシックコンサートを開催しています。

 

このホールの特徴

中心部が平らな土間?になっていて、テニスの試合もできるそうです。PROMSの期間はこの土間スペースが安く開放されていて1000円位の当日券で入れます。

そして驚いたことに、アルコールを飲みながら鑑賞できるのです。この土間スペースは椅子がなく

立ち見です。このホールは天井がドーム型で球状の音響への悪影響を避けるために拡散板がたくさん吊るされています。

気分はマフィア

この周りは普通の席で、更に壁際はほぼ全周がバルコニー席になっています。よく映画でマフィアが襲われる様なシチュエーションにあるような席です。このバルコニーの席でもアルコールつまみが自由に楽しめます。

 

 

ウィグモアホール

ロンドンの一番にぎやかな通りの一つ裏にある小ホールです。収容人員は500名程度というところでしょうか?小ホールなのでオーケストラは到底無理で、ピアノ、弦楽4重奏などの小曲がメインです。

プログラム

当日はベートーベンフェスティバルの最中で、まずホルンとピアノという変わった組み合わせでした。このホールはステージの天井が半球状の形状で天井も円弧の様になっています。このせいか非常に響きが美しく弦楽器、ピアノなどの音が綺麗です。

ピアノとホルンという組み合わせも、初めて聞きましたがうまいせいも有って結構いなと思いました。

このホールはやや高齢の方が多く、服装もちゃんとしている方が多い気がしました。

 

 

 

 

コベントガーデン

最後にクラシックではないのですが、コベントガーデンと呼ばれるエリアの夜がなかなか素敵でした。コベントガーデンは新宿の歌舞伎町を健全にして、規模を数10倍にしたような雰囲気で、いろんな興行をやっています。googleで高評価のロニースコッツのJazzクラブに入ってみたのですが、これがとてもいい感じで、お客様がコンサー

ロニースコッツのクラブでパチリ

トホールよりもお上品でした。生演奏もすこぶるうまくて感激、お値段は高いのですが、高いだけのことはありました。

コベントガーデンはオカマも多くてエルトン・ジョンみたいな感じの人がうじゃうじゃいました。よるブラブラするとワクワクの楽しい場所でした(ひょっとしたら危ない場所だったのかも・・・)。

ロンドンシンフォニー本拠地のバービカンホールでクラシックを聴いてきた

何故ロンドンに?

9月にロンドンに行ってクラッシックを聴いてきました。今回何故ロンドンかというと、クラッシックのCD・レコードで良い録音のものにロンドンシンフォニーのものが多かったからです。それに、イギリスには行ったことがなかったので、今年は一度”紳士の国?”に行ってみようかという動機からでした。

ロンドンの印象

007,KINGSMANの映画を見て、なんとなく紳士の国と思っていたが、大間違い。実際には移民の国、不良の街と思った方が当たっている。

イギリス人もどちらかと言うと紳士ではない、低俗というか品の悪い人が多い(ロンドンの市街地では)

ロンドンの良いところ

残念ながらロンドンには(他のヨーロッパの国と違って)良いところは殆どありませんでした。車の交通を重視するので、車で動く人には優しい、ビールが美味しいというところ位でしょうか。肝心のバービカンホールとロンドンシンフォニーは良かった。

悪いところは他全部

空気が悪い、至るところでタバコを吸っている、香辛料の様な超臭い香水をたっぷりかけた(付けたではなく)人がたくさんいます。鼻水が止まらなくなったので常時花粉症の薬を飲んでました。

食べ物は素材は悪くないのですが、中には味付けをしていないのでは?という店もあります。最低でもそこに塩がないと食べるのに苦労するくらい。イギリス人は味覚と嗅覚が異常ににぶく、料理に味をつけるというカルチャーが無いのだと思います。

天国が一番近い国

歩くのに苦労します。道を渡るのに歩行者用の信号は10秒青で90秒は赤、必然的に信号無視して渡ることも多く、轢かれそうになります。ロンドン市街の目貫道りですらこれなので、店を2,3件回るだけで疲れます。不思議なことに統計的には車の事故が少ないようですが・・・。

バービカンホールについて

バービカンホールは住商統合地区であるバービカンセンターの一施設で,道の案内などにもバービカンホールとは明示されてなく、たどり着くまでにちょっと戸惑います(イギリスクオリティー)。バービカン駅を降りてトンネルの様な道をくぐって7分ほど歩くと、たどり着きます。

戸惑うと言えば、イギリスのコインには数字がほとんど印字していないので、初めてコインを見る人にとっては、どれが1か20ペニーなのか全くわかりません(小さい字でtwentyとか書いてあるのですが汚れて読めない)。

バービカンセンターは2000人規模の音楽ホールで規模的にはサントリーホールと同じです。1982年にできた様です。

ホールは基本的に扇型の形をしていています。座席は演奏者に非常に近いところから始まって後ろに行くほど雛壇状に高くなっています。

この扇状のホールというのは日本では上野の東京文化会館に似ています。コンサートホールとしては音圧を取り安く、帯域のバランスが良くなることが多い優れた形状です。

席に座ってまず気づくのはコントラバスの位置です。なんと一番後ろの壁にへばりついています。さらにティンパニの位置も左の壁ギリギリにあります。

おそらくベースの音を大きくするため、あるいは低域が逃げて線が細くならない様に意図して配置しているのだとおもいます。

ここの壁はコンクリートで細かな凹凸をつけるためにエアーチッパーで削った様です。これでは効果が不十分だったのか、さらに実際にはその上に木の凹凸を被せているような構造になっています。

観客とマナー

観客はウィグモアホール の時とは大きく異なり、若い人もいますし、ほとんどがラフな格好をしています。中には半ズボンで来ている人がいるくらいです。服装に限らず、このホールの観客はマナーが悪く、演奏中にペーっとボトルをプシューッと開けて飲んだり、携帯で写真を撮ったりしていました(演奏中の撮影はもちろん禁止と放送されていましたが)。それと咳をする人がやたらと多く、演奏中にも四六時中咳が聞こえるという有様でした。

 

演奏について

1曲目 ブラームス ピアノ協奏曲#2 OP83

サイモンラトル指揮、ロンドンシンフォニーオーケストラ

ピアノ Emanuel Ax

試聴メモ
(演奏中に書いたメモをそのまま転記しましたので、ややまとまりがなくただの羅列になっていますがご容赦下さい)

フルート・弦のハーモニーが最高に美しい。ピアノの響きが高音まで綺麗で伸びがある、ピアノが低域までよくでていて響きが豊か。これまでで一番ピアノの音がいい。

低域の膨らみ豊かさが最高、弦のハーモニーが綺麗、ホルンの音色も綺麗。音の厚みが最高レベル弦楽器の低音が豊かで各楽器が一つ大きくなった様に聞こえる(チェロがコントラバスに)

ピチカートの重心の低さが最高。

ただし、ピアノの演奏がちょっととろい、高齢なピアニストなのでこれ以上早く、強く弾けないという感じ、(サイモンラトルの知り合いのピアニストなのだろうか)ちょっと迫力が足りない。荒っぽくていいので、若い力強い演奏者の方が良かったのではないでしょうか?弦楽器に負けいています。

ピチカートがまるで専用の別の楽器があるかのごとく力強く聴こえる。ティンパニの音が大太鼓の様に聴こえる。低域の豊かさはダントツでNo.1

管楽器は少ないチェロ10人バイオリン30人位。

感想

このホールはコンサートホールのお手本となるホールでした。こういうホールがあるのは幸せだと思います。

 

2曲目 ラフマニノフ #2

サイモン・ラトル指揮 ロンドンシンフォニーオーケストラ

試聴メモ

第1楽章

音の厚みがすごい。 ドラマティックなメロディー

46時中観客がうるさい、演奏中に咳をしてはいけないということを知らないのでしょう。服装がラフでGパンも多い。

2楽章

有名なメロディー、素晴らしい演奏、隣の客が写真を撮り始めた。

ティンパニの音がリズムを作る、音の大きさ、太さが他にはない音

2楽章最後の音は私のコンサート試聴史上過去最大の音圧

イギリス人はバカが多いのか、途中でチュッとキスしたりペットボトルをシュパッと開けて飲んでいる奴がいます。

3楽章

サイモンラトルの楽器配置の功もあると思うが、ロンドンシンフォニーオーケストラの音は指揮者、楽団が作っていると言うよりもこのホールの功績なのではないだろうか?

弦楽器はストラリバリウスに特有な心地よい唸りを出しているものが多い、バイオリンでもチェロでもそうである。ホールの音響がいいので余計にそう聴こえるのかもしれない。

演奏が終わって

拍手がいつまでも続いていましたが、アンコールはありません。それが本当なのでしょう、大曲のあとに小曲などは聞きたくありませんし、ラフマニノフにも失礼です。

最後に

以上、とっても良い演奏、最高のホールでした。この演奏だけはわざわざロンドンに聴きに行った甲斐があるというものでした。

この扇型形状のホールは席に届く音圧が大きく、帯域バランスも低域がしっかりとした重量感ある音で、ティンパニが大太鼓の様に力強く、チェロがコントラバスの様に聞こえるほど重心が下がっていました。さらに弦楽器の音色もピカイチで言うことありません。素晴らしいホールでした(観客はペケですが)。

今回ロンドンに来たのは持っているクラッシックのCDで音質の良いものがロンドンフィルが多かったからなのですが、それは本拠地のホールの音響が良かったからなのでした。

 

オランダ・コンセルトヘボウで音楽を聞いてきました -音質は一番?-

音の良いコンサートホールとして有名なコンセルトヘボウに行って、その音質を確かめてきました。コンセルトヘボウ管弦楽団が奏でる音質は、弦楽器の音色、フワッと広がる音場、音の柔らかさなど通常のコンサートとは異次元の音質と言って良いものでした。

始めに

オランダのコンサートホールであるコンセルトヘボウは音質のいいホールとして有名です。今回このホールの音質を確かめる為に実際に行って聴いてきました。今回聴いた聞いたプログラムは次のとおりです。

9/14(Fri)指揮者 THOMAS HENGELBROCK
ピアノ Evgeny Kissin コンセルトヘボウ管弦楽団
Hector Berlioz, ROMAN CARNIVAL, OUVERTURE, Franz Liszt /PIANO CONCERTO NO. 1
Gioachino Rossini, OUVERTURE FROM ‘IL BARBIERE DI SIVIGLIA’, Felix Mendelssohn SYMPHONY NO. 4
Giuseppe Verdi, BALLET MUSIC FROM ‘OTELLO’

ホールの印象など

アムステルダムの中央駅から路面電車で20分くらいのところに美術館などが集まっている所があって、コンセルトヘボウもその一角に位置します。日本で言うと上野の様な感じでしょうか。外観はいかにも昔の音楽ホールと言った感じで風格は有りますが、かといってスメタナホールのような高尚さはなく、横にある入口などの造りは結構あっさりとしています。

ホールの中にはいると写真で見るよりも小さく感じるます。特に前後は以外と短かく、これで2000人収容出来る様には見えません。

形はほぼ直方体なのですが、特徴的なのは普通はステージの演奏者側がひな壇のように徐々に上がって言っている事で、客席側は平坦なのですが、後の演奏者も見える様になります。それと後ろの角がRになっています。ひな壇型とこのRで演奏側の立体角が絞られていることになります。

ドレスコードはブラックタイ って何?

これは撮影のサービス

よくコンセルトヘボウの解説に服装は自由みたいな事が書いてありますが、この日のコンサートはドレスコードが指定されていて、”BLACK TIE”でした。当初ダークスーツでも着ていけばいいのかななどと考えていましたが、何度もドレスコードを念を押すメールが来たので調べてみると、なんとタキシード着用でした。ブラックタイと言うのは蝶ネクタイの事だったのです。

皇室行事などで燕尾服着用が一番フォーマルだそうですが、これを除いて事実上もっともフォーマルな服装指定だそうです。

ホワイエの雰囲気

この日はドレスコードだけではなく、チケットの価格も高くて約4万円でした。演奏の前に食事(walking dinner)が付いていて、6時からディナー、8時から演奏と言うスケジュールでした。私は値段から考えてホテルのバフェの様なものかと思っていましたが、そうではなくもっと簡素なものでした。ホワイエと呼ばれる廊下のような所にbarがあり、好きなだけアルコール類が呑めます。

ただホールの廊下ですがら、参加者全員揃うともう満員状態でそこに時どき小皿料理を持ったウェイターが現れるという程度です。この状態で2時間立ったまま過ごすのですから、むしろ辛いのです。

前菜、メイン、デザートなどが小皿で

オランダ人同士は知り合いも多いらしくあっちで盛り上がり、こっちで盛り上がりしているのですが、まあ日本で言う居酒屋状態ですね。オランダ人は人と話しをするのが大好きなようで、ここに限らずずっと喋っている人が多い気がします。

音質はどうか

席は22列の18番でやや後方の列で、ほぼ中央です。ステージまでの距離は32歩でした。昔造られたので椅子のサイズは比較的小さくて、昔の映画館の座席程度です。オランダの人が座るとひざがほぼ前の座席にとどきます。

ここの音は流石、評判がいいだけの事はあります。中低域が豊かでふっくらとステージ全体を包み込むような雰囲気です。それと楽器の音色が今までに聴いてきた音と次元が違います。たとえばホルン、トランペットとの音色が澄みきっていて、しかも金管なのにやわらかい音で突き刺すような感じが全くしません。まるで木管楽器の様です。このホールは特にコントラバスやチェロなど低域の楽器の音がとてもいい感じになります。ふくよかで、まろやか、しかも艶があってホール全体を包見込みます。

ホールの残響はやや長めですが、非常に自然に聞こえます。

弦楽器は暖かみがありふくよかで心地良い音です。今までに聴いたどのホールとも違いますし、オーディオ装置、録音からもこのような音、音色は聞いた事がありません。

まあ強いて例えればソナスファベールの出す音に似ているかもしれません。(ソナスに似ていると言うよりも、こういった音になるようにソナスが音造りをしているといった方が良いのかもしれませんが)

演奏の音の大きさはこれまで聴いた最大級ではありませんが、充分な音圧は取れていると思います。

演奏はもちろん上手で金管も外す気配もないので安心して聴いていられます。各楽器のパートもバッチリ揃っていて、楽器を弾けない私のレベルからすれば完璧な演奏でした。

ただ一つ気になる所があったとすれば、このホールは残響が長めなので音が切れる前に次の音が始ります。大袈裟に言うならピアノのダンパーを使わない演奏みたいなものでしょうか。また演奏した曲はどれも良い曲だと思いますが、良いとこだけハイライト的に構成したせいでしょうか?、非常に感動したと言う感じにはなりませんでした。

各演奏が終わる毎に観客はスタンディングオベーションでアンコールなどもしていました。ただ私が感じた限りではオランダ人は音楽・芸術を堪能すると言うよりもこういったイベント自体を楽しんでいるのではないかと思いました。Opening Night ということでしたので、前夜祭、余興的要素が強いのかもしません。次の日の演奏はこの日とうって変わってやっとこさの演奏だったのですが、それも全てスタンディングオベーションでしたら。彼らにとってはすべてが最高というか、音楽自体はあまり深くは追求しないのではないでしょうか?そう言えばオランダ人の作曲家とかで有名な人はいなかった様な…。

曲の印象

(以下は聞きながらメモなので、まとまっていません)

リストのピアノ組曲

ピアノの迫力がすごい 低域が力強くて今まで聞いたピアノで一番きれいな音
またここまできれいな弦楽器もきいた事がない
ピアノと弦楽器の掛け合いの気持ちよさがまったくの異次元でした。
ロッシーニになって右にいた4本のコントラバスが中央に移動。
弦の美しさ特に低域が良い
ホルンの力強さもとても良い。ヒステリックな所が全くない。金管が安定している。トランペットが柔らかい。バイオリンよりもチェロ、ベースが美しい音。ソナスファーベルの音場で中高域を思いっきりクリアにしたような音。

メンデルスゾーン

金管が居ないのではないかと思うくらい柔らかい音。強いて言えばもう少し弦のキレが欲しい。
良い曲を少しだけかじるよりも全曲通して演奏したほうが良いのでは?

ベルディー

演奏の人数が増えて大迫力。華やか大音量、叙述的、情景が浮かぶ様。
一つ一つは良いが全体の曲の構成が今ひとつに感じました。
全てスタンディングオベーション。それとピチカートが弱かった。妻によると弦を指で弾かずに、弓で演奏していたとのこと(そういう奏法もあるそうです)。

次の日、9月15日(土)のコンサート

Nederlands Philharmonisch Orkest
conductor Marc Albrecht, piano Dejan Lazić

こちらはドレスコードの指定も無くそういう意味では普通の演奏会です。奏者もコンセルトヘボウ楽団ではありません。そのせいか値段も約8000円とこれまた普通です。ただ曲がいいのです。この値段でもホワイエのアルコールを含むドリンクは全て無料です。

(以下は聞きながらメモなので、まとまっていません)

ヤナセック シンフォニエッタ, JW 6/18

バス8本の構成(昨日はバス4本)、金管楽器がやや乱れる、弦楽器の中低域の厚み、澄み切った音が凄い。技量はコンセルトヘボウに劣る。
ほぼ全楽器が鳴った時の弦楽器の音の美しさは圧巻。
トランペットが柔らかい。ベースが力強い。バイオリンはそれほどでもない。

ラフマニノフピアノ組曲2番

ピアノ 低域が力強いがややこもる。弦が本当にきれい、最初ピアノの演奏がやや早い、指揮者もやっとまとめている感じ。欲を言えばピアノの高域の音色がややつまっている感じで、もう少し伸びが欲しい。ピアノの音量は相当大きい音だが、オケの総演奏には若干流石に音圧で負けている感じがする。こういった点は録音を聴いている限りではミキシングで調整されてしまうので解らない点だ。

それにしても、このラフマニノフの曲は壮大で、これを聴いた後の満足感は格別なものがあります。昨日のコンセルトヘボウ管弦楽団に比べると演奏技量自体がさほどなく、やっとこさ演奏しきったという感じだったのですが、途中、頑張ってという感じで心の中で応援する感じでした。それでもこういった大曲を演奏し切った(聴いた後)の満足感は昨日のコンセルトヘボウを聞いた時よりも大きいのですから不思議なものです。

3. ストラビンスキー 火の鳥

第2楽章の太鼓と共に始まる大音量の迫力がすさまじい。

オランダ人の楽しみ方

2日間演奏を聴いたのですが、ほとんど全てでスタンディングオベーション、たまにアンコールもやってました。ラフマニノフの2番の後にアンコールでピアノのソロをやったりしていましたが、個人的にはかえって”どっしらけ”です。日本でもよくありますが、こういった形だけの悪習はやめてもらいたいものです。

オランダ人はマリファナや売春(いまでも吉原の様な売春宿がある)が公認だそうで、日本の常識からすると、ぶっ飛んだ楽しみかたをする民族の様です。コンサートも楽しむための単なるイベントであって、芸術うんぬんみたいな余計な事は考えていない様に感じました。

コンセルトヘボウは音響工学を知らないとされる建築家が設計したそうで、窓を入れるなど音響的には非常識な設計をしたのに、演奏してみると音が良かったなどと紹介されいました。ただほぼ直方体で演奏者側を絞っていて、私には非常に合理的でまっとうな設計をしている様に見えました。日本にもこういったホールがあればクラッシックファンも数倍になると思いますが、良いとされているホールがまったくだめなので、音で魅了されてファンが増えるというメカニズムがないのが残念です。

最後に

これまでに行ったコンサートホール・演奏で印象を一言で表現すると、

  • プラハスメタナホール  チェコフィル ベートーベン 運命
    完璧の一言 音質、音楽共に最高に感動した極地 いままでに聴いた中でダントツの一曲 本当に酔いしれました。
  • リスト音楽院 モンタナロの指揮が素晴らしかった もちろん音質、演奏も完璧 曲目だけがちょっと残念 (ベートーベンの4番など)指揮(+もちろんそれまでの鍛錬も)が重要だということがよくわかりました。
  • コンセルトヘボウ 音質・音色・音場感が最高 ホールとしてはNo.1かな
  • ウィーン楽友協会 ホール 独特の低域の響きのあるホール 木管一本、1人の声でもすごい迫力の音がしました。
  • ベルリンフィルハーモニーホール 幾何学的に凝った作りですが、音質的には残念なホールでした

ということになります。

コンセルトへボウは行く価値のあるホールですので、機会があればぜひチャレンジしてみてください。

ヨーロッパのコンサートホールで音楽を聴く 4年ぶりの(4)

4月にチェコのプラハとハンガリーのブタペストを訪問してクラッシック・コンサートを聴いてきました。

プラハ

プラハは今回2回目の訪問です。4年前にスメタナホールで聴いたコンサートが素晴らしかったので、もう一度聴きたいと常々思っていました。今回2日聴きました。
会場:スメタナホール
4/16
曲目:ドボルザーク、新世界から
演奏:北チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:Yurity Yanko
4/18
曲目:ビゼー/カルメン、ガーシュイン/ラプソディー・イン・ブルー、ラベル/ボレロ、スメタナ/モルダウ
演奏:ドボルザーク交響楽団(プラハ)
指揮:Jaroslav Vodnansky or Martin Peschik

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プラハのスメタナホール

新世界からの方は、これがもうかなり怪しかった。ヨーロッパのコンサートでもこんなことがあるのねとある意味新鮮な驚きでした。
演奏そのものがあまりうまくない。音程がかなり怪しくこちらが心配になるくらいでした。指揮がそもそも合っていない。
合っていないというのは指揮が途中から早くなりすぎて演奏者がついて来ない。演奏を無視して指揮しているというか、指揮を無視して演奏しているというか、そんな感じでした。
わざとやっているのではなく、指揮者が緊張して早く振りすぎている感じでした。
「新世界から」そのものは、やはりコンサートでやると映える曲で気持ちのいい曲だったのですが(事前に勉強したので余計にです)、演奏がちょっと水を差している感じでした。

2012年に聴いたPROMSのポスター

それに比べると18日の演奏は遥かに良かったのですが、それでも前回(2012年)聴いたチェコ国立交響楽団の「運命」に比べると普通です。前に聴いたのは2012年のPROMSという音楽祭の演奏でした。一番旬の人が演奏していたので、それが特別だったということのようです。

2012年のコンサートのブログ

ブタペスト

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ブタペストのリスト音楽院大ホール 重圧な感じでホールの音も抜群

ブタペストには今回はじめて行きました。ブタペストでは音楽家のリストが有名です。何しろ空港にフランツ・リストの名前が付いているくらいです。
演奏:Hungarian National Philharmonic Orchestra
指揮:CARLO MONTANARO
4/20(水)
ベートーベン交響曲4番
チャイコフスキー交響曲4番

席は2階の後方

この指揮者MONTANAROの指揮は凄かった。指揮が音楽を作るというのをまざまざと見せつけられました。指揮の最中に体全

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コンサートのパンフレット

体がパントマイムの様にキュッキュと動き、それにピタリと同期して演奏されているのです。「こういう音を出して!!」と体全体で表現すれば、そのとおりの音を出す、それはまさに芸術でした。ハンガリーの交響楽団もまたうまいことうまいこと。演奏された曲では金管が全体をリードするような場面があるのですが、これがピタリと決まります。音量がまたすごくて、チューバの1本でオーケストラ全体と同じ様な音量を出していました。全体の音圧もすごくて、映画館の最大音量位の音圧がバーンと出ているのですから、もう迫力満点。こういう音圧は日本のホールでは聞いたことがありません。リスト音楽院大ホールは1000人位のホールで、ちょうどスメタナホールと同じくらいの大きさです。最近のホールは2000人位の収容人数で設計されますが、やはり2000人規模になると音質的にろくなことはなく、1000人位が限度なのではないかと思います。

それと楽器の位置が、チューバは右角の奥に、コントラバスは右壁にピタリと(もう自然なくらいに)へばりつくように配置されていたことです。もちろんこの位置にこれらの楽器があるのが普通ですが、ここまで壁に近く配置されていたのを見たのは初めてでした。こうすると壁の反射で音量を取りやすいので音響工学的に合理的で、わざとやっているとしたら、大したものだと思いました。

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チューバは右コーナー、コントラバスは右壁にへばりつくように配置されていた

指揮、演奏、ホールの音質すべて素晴らしかったのですが、ただひとつ残念なことは曲目ですね。ベートーベンにしろチャイコフスキーにしろ5番はすばらしいのですが、その前の4番というのは、やっぱり今ひとつ、というより今二つくらいの感じで、何かちぐはぐして盛り上がりきれない曲でした(だから人気がなく演奏されないのではと思えるくらい)。ただ、この曲もこの指揮者・演奏者だから結構良かったのではないかと思います。金管がリードするところも多くて、N響とか普通だったらズッコケまくってしまうかもしれません。

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ブタペストの夜景

それと5番はみな名曲なのに4番の出来がよくない(と私は勝手に思っている)というのは、逆に4番でこけて皆から非難を浴びてだからこそ次の5番はナニクソって頑張っていい作品ができたのかなーなんて勝手に想像しています。そういうことって結構あると思うので。4番って、ある程度作曲に慣れてきて、つい気が抜けてしまったり、今度はちょっと新しいことを試そうなんて思ってずっこけちゃうんでしょうか。

ブタペストの街は綺麗で、料理も美味しく、またワインが美味しいのです。ワインは街で買った1000円位のワインが日本の5000円位の味がします。

またいつか、ブタペストに音楽を聴きに行きたいと思いました。
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モントリオールオーケストラがよかった

正直な話、日本でクラシックのコンサートに行ってもほとんど感動しない事が多く、最近は大規模なクラッシックのコンサートには年に1,2回しか行かなくなった。
(あまり書くとクラシックの関係者?と思われる方からたくさん批判が来るので詳細は述べませんが・・・)

ある人から、それはオーケストラが悪いからで、いいオーケストラを聴けば全く違うよ、と教えてもらったのが「モントリオールオーケストラ」です。指揮者はケント・ナガノさんです(日本人かと思ったらそうではありませんでした)。

私は特にクラッシック関係のプロ、ファンというわけではないので、正直全く知りませんでしたが、相当な人気なようです。

10/8(金)に池袋の東京芸術劇場でケント・ナガノさん指揮モントリオール交響楽団のコンサートがあったのでチケットを購入しました。

3ヶ月前だというのにチケットはほぼ完売していて、そのお値段が18000円でした。オペラなどを除けばオーケストラとしてかなり高い部類だと思います。それが即完売なのですから人気の程がしれます。

当日のメインの曲目はムソルグスキーの展覧会の絵でした。

東京芸術劇場は最近、改装をしてから音がグッと良くなりました。弦の響きが柔らかい東京では随一のホールになったと思っています。席はやや後ろの右壁より(これしか取れなかった)で、席の位置は必ずしも良くないかもしれません。

聴いてきた感想としては
指揮者、演奏者の方のいい音、いい演奏を聴かせようという意欲が凄く感じられ、また実際に出ている音の音質も良く、演奏もよく、音楽にも演奏にも感動させられました。
もう少し具体的にいうと
・開演前に全員が、自分の練習したい所を一心不乱に弾いている。当然観客席にも大きな音が聞こえてくるのですが、各人が譜面の全く別の場所を勝手に弾いているわけですから、トータルには音楽には聴こえないのですが、本番で少しでもいい演奏をしようと直前まで必死に練習しているところに心を打たれます。
・演奏が始まって出てきた音は各パートの楽器の音そのものが綺麗です。もちろん
バイオリンからはバイオリンの音、がするのですが音色が澄んでいて柔らかい音色です。ハープの様な楽器もありましたが、形が少し変わっていて、音色が通常のハープのものよりも綺麗でした。全パートそんな感じなのです。
・演奏は指揮者が明確に各パートに指示(指揮者だから当然?)を出して、演奏者がそれに答えている様子が私にもわかりました。これまでよく聴いたことのある普通の演奏はただ弾いいているというか、譜面通りに弾くのが精一杯という感じでしたが、モントリオール楽団は各パートを演じているという感じです。
・ソロのパートがのびのび主張するように演奏している(させている)。通常ソロのパートは他の奏者が休んで一人で吹くという感じですが、ここのソロは自由にのびのび吹き(弾き)なさいという指示に明確に答えているというか、劇で演じている様な音を出します。
・繰り返しになりますが、出てくる全体の音は音量も十分大きく迫力があり、しかも嫌な音が全く混じらないきれいな音色で、他の交響楽団の出す音とは明確に異なります。演奏はメリハリがあり、音楽を奏でているというより、劇を観ているといったほうがいいかもしれません。
・演奏と直接関係ありませんが、観客も通なクラッシックファンのみといった感じの人が多かったように感じました。

余談ですが、アンコール曲はなんと「ラベルのボレロ」でした。
この曲は大曲でアンコールで演奏するような曲ではないと思いますが、日本ではしつこくアンコールを要求する迷惑な(と私は思っている)風習があるのでこれを弾いて、もう終わりですよというメッセージだったのかもしれません。ボレロは他の日程で演奏する曲目でもあったので、準備は十分だったでしょうし、その練習にもなるのでちょうどいいのかもしれません。

というより、演目は展覧会の絵とボレロだけれど、一方を演目に載せないでアンコールでやれば余計なアンコールをしなくて済むと考えたのかもしれません。だとしたら、すごい策士だということになりますし、これは一般的に使えるうまい対策ですね。

演奏・音質がよかったので、その会場でモントリオールオーケストラのCDを3枚買ってきました。残念なことにCDの音質は中の下くらいの出来で、このオーケストラの良さが全く出ていませんでした(3枚も定価で買ったのにトホホ)。

レコード
これに触発されてこの間、良い録音のクラシックのレコードが聞きたくなって中古屋さんで買ってきた一枚がこちら

ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》/交響詩≪はげ山の一夜≫ チャイコフスキー:大序曲≪1812年≫/スラヴ行進曲

見るとこの展覧会の絵はなんとモントリオールオーケストラでした(指揮はシャルルデュトアさんですが)。
(もともと有名だったのね)

このレコードは中古屋さんの高音質レコード(重量盤で製作過程にも凝っている)というコーナーで買ったのですが、約2500円とほぼ発売当時の価格がついていました。
このレコードの音質はというと、録音、レコードの音質自体はかなりいいほうだと思いますが、残念ながらこの中古品の質が悪く、常時パチパチいう音が混じっていました。おそらくホコリがかなり付いた状態で何度もトレースしたのだと思います。盤面は一見綺麗で、そういう状態かどうかはぱっと見判断できません。

レコードはこれがあるから大変です。いい状態のレコードを手に入れるまで、2,3枚買う必要があるとすると、さらに高価で贅沢な趣味になってしまいます。

レコード収集をめげずに続けるか、しばらくやめるか・・・・・・・・・・・、

とりあえず放置で。